久しぶりのブログ。
書こう書こうと思っていながら、ずいぶんと時間が経ってしまいました。
やっぱり、もう2023年も終わろうってのに「バトニングナイフ」なる言葉が散見されたり、バトニングはやりやすいけれども、切れ味(この場合、大抵フェザースティック作成に関する切れ味を指す)が悪いとか、そういう投稿を目にしたり……。
木を割るなら、タガネとか斧とかじゃダメなのかなぁ。
これも口を酸っぱくしていっていますが、「バトニングをしました。ブレードが割れました。メーカー保証で新品に交換してもらいたい」っていっても、ほぼほぼ無理だと思います。
自分が知る範囲でのカスタムナイフメーカーさん含めて聞いてみたところ、「保証対象外」とのことです。
大抵の場合、「適切な使用の範囲であり、それでも破損が生じるならば作り手の責任と考え保障する」というのが、ナイフにおける保障の考え方かと。
つまり、保障が利かないというのは、バトニングが「適切な使用ではない」とメーカーさんから言われているのも同然なんですよね。
けれども、これだけみんなが「バトニングバトニング」言っており、バトニングこそがナイフを選ぶ条件、みたいになってしまっているからか、マスプロ、カスタム含めて、その「バトニングのリスク」について積極的に言及されるところは少ないような……。
解釈の正しさはともかく、バトニングで割れるなり折れるなりして保障してくれそうなメーカーが、私の知る限り一社あります。
界隈ではお馴染み(?)のバークリバーです。ちょっと下にAmazonへのリンクを何件か貼っておきましょう。
もう、みなさん何度もみてきたバークリバーです。
ここに関しては、「理由のいかんを問わず、破損には対応する」と謳っているので、バトニングで破損をしても対応してもらえる可能性が高そうです。
ただし、本国(アメリカ)に送らないといけないこと、送料などはおそらく負担する必要があることから、そんなに気軽に「修理、交換頼むわ!」と言いにくいかも……。
バトニングに関しては、私は「自己責任」の世界だと思っているので、ナイフが割れたら割れたで諦める。だってその可能性を飛躍的に向上させることをしているのですもの。
あとは、「なんでもかんでもバトニングしない」というのも重要。
個々のナイフには、色んな目的があって設計されているわけですから、(ナイフが本質的には汎用性の高い道具であるとはいえ)あまりにそこから逸脱した行為に供すると、まぁロクなことにならない。
じゃあ、「目的ってなんじゃ?」という話になってくるかと思うのですが、それはそのナイフをみれば、結構わかることもあるんですよね、というのが今日のメインテーマ。
あー、ここまで来るまで長かった。
では、今日の一本をご覧いただきましょう。
TOPSのナイフです。
やはり、以下にちょっとTOPSの商品のリンクを貼っておきましょう。トラッカーは大人気のモデルですよね。
さて。
私、上記の画像に赤丸をつけました。
ギザギザがついた部分、いわゆる「ジンピング」と呼ばれる部分に赤丸をつけました。
これ、特に「どう握るか」のヒントになるんですよね。
それが分かりやすいので、今回TOPSのこのナイフを持ってきたというわけ。
穴が空いている場所よりハンドル寄りの場所にジンピングがあります。
ちょっとふわっと握っていますが、ジンピングがあるということは、そこに手なり指なりを添えるということを前提にしているわけですよね。
すると、このナイフが想定している持ち方の一つが「セーバーグリップ」であることが分かります。
けど、穴よりブレード側にもジンピングが……。
これは、このナイフが不自然なほどちょっと大きいフィンガーチョイルがついていることとも関係がありそうです。
つまり……
このようにフィンガーチョイルに人差し指を入れて、尚且つジンピングに指が掛かるようにすると、より短く小回りが利くように持てるというわけ。
これが、ナイフの設計から想定出来る握り方その2です。
上にも書きましたが、ナイフって汎用性のある道具ですから、あれやこれやに使っても全然いい。
けれども、「こういう風に使うといいよ」というのが、ナイフの姿から見てとれる場合もあるってことです。
なんでもかんでもバトニングして……だと面白くないですし、行きつくとこって結局斧やクサビじゃん、っていう。
別に流行っているもの、カッコいいと思うもの、ナイフのチョイスは色々あります。
が、使用に供する前に、一度、自分のナイフをよく見て「こういうのに向いてるな」「こういうことはさせないでおこう」とか、ちょっと考えてみると、より充実した上級者としてのナイフ使いになれるのではないかと。
というわけで、今日はそんなお話でした。
それでは、また。