Paul Kirtleyの斧の使い方 | 北欧ナイフでお気軽アウトドア

北欧ナイフでお気軽アウトドア

北欧のナイフの話題や、それらを使った気軽なアウトドア、ブッシュクラフトについて書いていきます。

Kindle用電子書籍『北欧ナイフ入門 ~モーラナイフからストローメングナイフまで~』好評発売中。どうぞよろしくお願いします。

今日はブッシュクラフト関係の記事です。


私は、英国ブッシュクラフトの雄、Paul Kirtleyのメルマガ的なものに登録しているんですが、結構頻繁にメールで記事の紹介や、ビデオの紹介がやってきます。


今回送られてきたメールに記載されていたのは、
「Small Wood Splitting With Axe」という記事。


斧を使ってのマキ割り、の解説ページですね。
これは別にブッシュクラフトに限らない、アウトドア全般で使えるスキルですが、基本を押さえてあって、とってもグッドでしたので、ご紹介いたします。


ブッシュクラフトも、(日本では)「ナイフと火打石」がメイン装備とみなされていたのですが、そこに「斧」や「ノコギリ」を追加する人も増えてきました。


実際、そうしたものを持っていたほうが、応用が効きますし、やりたいことが手早く出来る、という部分があります。
Amazonでも、各種斧が売られるようになりました。

 
ハスクバーナ 手斧 (全長38cm) 576926401
ハスクバーナ
売り上げランキング: 264
売り上げランキング1位の斧が、上記の「ハスクバーナ」の手斧。
雰囲気のある手斧ですが、価格はグッと抑えられており、5000円程度。


こだわり派には、

 
Hultafors(ハルタホース) スカウト 840025 H006SV
Hultafors(ハルタホース)
売り上げランキング: 41,669

ハルタホースの斧なんかもあります。
これは少し値段があがって、7500円くらい。


どれも、小型で取り回しがよい斧です。
で、問題の「マキ割り」なんですが、


最初のリンクを見て頂ければわかる通り、「木を倒した状態で、斧を軽く木にあてがい、木と斧を一緒に持ち上げ、台に叩きつけるようにして割る」というプロセスを採っています。


ここにバトニングが介在する余地はありません。
斧を持っているならば、こうやって割ったほうが無難ですし、なにより早い。


斧ではなく、ナタや剣鉈の類を持っているなら、似たような方法でマキ割りが出来ます。
木を「寝かした状態ではなく、立てた状態」でやればいいのです。



この場合は、軽くナタ(剣鉈)を木に打ち込んでおき、やはり木と一緒に台に叩きつけるようにすれば、パカッと上手く割れるはずです。


ガンガンとナタの峰を叩かなくても、こうすることでキレイにマキが割れます。
何より、軟鉄部分が露出していることが多いナタの背を叩いて、そこを潰してしまうことが避けられます。。



ちなみに、フェザースティックをPaulは作っているのですが、日本でよしとされているそれとはちょっと違いますでしょう?


これは、Paulが多大な影響を受け、またイの一番に推薦する書籍、

 
Bushcraft: Outdoor Skills and Wilderness Survival
Mors L. Kochanski
Lone Pine Pub
売り上げランキング: 233,208

ブッシュクラフトの古典、モース・コハンスキーの『BUSHCRAFT』のやり方に近いです。
薄さ……よりもしっかりとカールしているかどうか、を重視する方法ですね。


これも何度も書いてますが、『BUSHCRAFT』では、刻み目を作るということ以外で、ナイフを棒でたたくバトニング(マキ割りのバトニング)は出てきていません。


それはともかく、日本では、なかなかこうやって野外で、火を熾して焚き火や調理の炉を作る、ということは難しいんですよね。


焚き火は、ある条件が整わないと出来ないことですので、もっと気軽に手軽に始められるブッシュクラフトから始めていく、というのを私は推薦しています。


foraging(狩猟採集)の、採集なんかですと、もっと気軽に始められますし、今は丁度いい時期でもあります。日本風に言えば「山菜取り」なんですけれどもね。


また、山菜が生えている場所をチェックしたり、「ここにはきっとフキノトウが生えてくるに違いない」みたいなアタリをつけるためには、やはりまず「自然のなかに入っていく」ことが必要になりますし、その自然を観察していくことが不可欠です。


私が、ブッシュクラフトの基本はNature Observation(自然観察)にある、と断じる所以です。
これは、一部で反発があるようなのですが、たとえばたき火をするにしても、


  ・枯れ木を探す

  ・周囲に燃え移るものが少ないか確認する

  ・安全にたき火をする



なんて、手順を採りますよね?
これに加えて、場合によっては、「木で自在鉤をつくったり」、「自在鉤を結わえるためのロープを調達したり」するわけです。


適した木を探し出したり、また樹皮をロープ代わりにする時には、やはり自然の観察のなかで、それらを見つけ出す必要がありましょう。


焚き火を予定していて、樹皮からロープを作ろう、と決め込んでいた場合。
目的地に行く前に、よく自然を観察しながら歩けば、予め適した木を見つけることだって出来ます。そうして材料を集めながら目的地に向かい、すぐに焚き火の支度が出来る。
優秀なほくちだって、そうやって集めていくことが出来ます。



ね?
自然への観察眼が必要になりますでしょう?


本当に、写真とキャプションを眺めるだけでもいいので、海外のブッシュクラフトにも目を向けてみてもらいたいですねー。


日本のそれとは違ったやり方、違ったスタンスがあり、どちらがいいとか悪いとかでないにせよ、大いに参考になります。
その時には、是非「それがどこで行われているのか?」にも注目してみてください。


モース・コハンスキーは「北ヨーロッパ」の寒い地域でのサバイバルスキルとしてのブッシュクラフトを書いていることが多いです。


その場所その場所に応じたブッシュクラフトの技術ややり方があるってことです。
そして、何か「これはいいぞ!」という本などを見かけたら、ぜひ私にも教えてください!!