(息子が痙攣重積型《二相性》脳症と診断されたときの備忘録です)
●1/25(土)
救急外来から帰宅後、眠かったのか息子はお昼ご飯食べずにお昼寝をしてしまった。
数時間後、起きた頃から異常行動が見られた。
異常行動といっても、よく聞く、
叫ぶ・外に出ようとする、などではなく
「暴言を吐く」「物を投げる」という行動だった。
なんの脈略もなく突然「バーカ!」と言ったり、
クリスマスプレゼントにもらってから毎日毎日夢中になって遊んでいたトーマスのおもちゃを
「こんなのいーらない!」と床に投げつけたり。。
年相応のイヤイヤ期の息子だったが、このようなことは全くしなかった。
息子が別の誰かになってしまったような…
誰かに乗っ取られてしまったような…
大げさでなく、そんな気持ちになった。
ネットで調べてみて、タミフルの副作用か熱によるせん妄(熱性せん妄)に当てはまるような気がした。
明日になれば元に戻っている。
そう思いながら寝た。
●1/26(日)
朝、解熱。
これで一安心だね、と喜ぶ。
この日、外出禁止が解けた娘と借りた本を返しに図書館へ出かけた。
その帰り道、マックを食べたいという娘とハッピーセットを食べた。
私もハッピーセットにして、息子が欲しがっていたトーマスのおもちゃのおまけをもらった。
もらったおもちゃに触れてみると明らかにすでに持っているトーマスだった。
思わず「ああ…またトーマスだー」と残念そうにため息をってしまった。
それを見ていた店員さんが、
「どのキャラクターが欲しかったんですか?よかったら交換しますよ」
と言ってくれた。
「息子がヒロを欲しがっていたんです」
と私が言うと、店員さんはわざわざヒロを探して交換してくれた。
娘と「いいお土産ができたね」といい帰宅した。
そのあと寄ったドラッグストアでも偶然バイキンマンのブロックをもらえた。
娘はメロンパンナちゃんが欲しそうだったが、◯◯にあげるんだ!とバイキンマンを選んでくれた。
お土産は2つになった。
帰宅して、娘が
「◯◯!お土産だよ!」とヒロとバイキンマンを渡すと…
息子は
「こんなの、いーらーない。」と床に投げつけた。
娘も私も唖然…。
息子は冗談でもそんなことをするタイプではなかった。
機嫌が悪くてもそんなことをしない子だった。
穏やかで、優しい子だった。
誰なんだ、この子は。
◯◯はどこに行ってしまったんだ。
本気でそう思った。
お風呂に入っているときも暴言ばかり言う息子に、とうとう気持ちの限界がきてしまった。
子どもたちを出したあと、ひとりお風呂の中で泣いた。
息子はどうしてしまったのだろう。
いつものあの子はどこへ行ってしまったのだろう。
明日になれば元に戻ってくれるだろうか…。
●1/27(月)
期待と裏腹に新しい1日が始まっても、息子の様子はおかしいままだった。
娘は保育園に復帰していたので、息子と一日家で過ごすが、ずっと「何か変だ、何か変だ」と思って過ごした。
●1/28(火)
我慢できず朝一で、救急搬送された病院に電話をした。
いつもと様子がおかしいのだが受診しても良いか、と。
電話に出てくれたのは小児科の受付の方と思われたが、
「お母さんが『様子が変』と思われるなら受診しても大丈夫です」
と言ってくれた。
予約なしだったが、どんなに待っても受診したかった。
病院へ行くと、わりと早く呼ばれた。
初めての医師だったが、話をよく聞いてくれ、ハンマーのようなもので息子の手足をトントン叩いて何かを確認していた。
「うーん…」と考え込んでいた。
そして
「確かにぼんやりしたりするし、お母さんが言う様子も気になる。脳波をとってみましょうか」
と言ってくれた。
やっと、前に進んだ。
しかし、意識もはっきりしていて受け答えもできているため、急を要する事態ではなかったのか、その日のうちに…ということにはならなかった。
息子は尿検査の再検査が続き、この病院に定期的に通っていた。
その診察がたまたま2日後にあったため、その日に合わせて脳波検査の予約をしてくれた。
●1/31(木)
外出禁止が解かれ、保育園に行った。
様子がおかしいことを連絡ノートに書き、さらに担任の先生に直接伝えた。
「よく見てみます」そう先生は言ってくれた。
私と同じくらいに息子の生活面をよく知る先生たち。
先生たちなら私の不安を解ってくれるのでは…そう願い、息子を託した。
お迎えに行くと、先生が来てくれて息子の様子を報告してくれた。
・確かにいつもの◯◯くんと様子が違かった。
・手に力が入らないのか給食のお盆を落としてしまった。
・試しにクレヨンでお絵かきをしてみたが、クレヨンを転がすだけで描かなかった。
(普段はクレヨンを握り、小さい丸も描けていた)
・やりたいのにできなくて悔しそうに泣いてしまう。
そんなシーンが何度かあった。
・暴言や物を投げる行為はなかった。
「ママの不安を煽るようなことを言って申し訳ないです」
先生も息子の様子が心配そうだった。
翌日、受診する決意が固まった。
◆◇
息子は穏やかで優しい子だった。
(病気が分かり治療した今も変わらない)
このときの息子は、本当に誰かに乗っ取られたようだった。
息子の頭の中で何らかの変化が起きていたのだろうか。
詳しい検査をして、息子に起きていることを知りたい。
でも怖い。
知るのが怖い。
でも知りたい。
矛盾した気持ちがぐるぐる私の中を駆け巡っていた。