toyota earo update, 2017 wec rd8 shanghai | 昨日の記憶

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管理人はヤクルトファンのモータースポーツバカ。基本的に引きこもり体質ではあるものの、愛機アドレス110でふらっと遠出することもしばしば。

 3タイプのパッケージを使用することが許されていた昨シーズンから、1シーズンを通して2種類のエアロキットで戦わなくてはならなくなった2017年のWEC LMP1クラス。

 開幕戦シルバーストンからハイダウンフォース仕様のパッケージを投入していたトヨタは、ル・マン後の第4戦ニュルブルクリンクでローダウンフォース仕様からハイダウンフォース仕様にモデルチェンジしたポルシェ919ハイブリッドの後塵を拝してきた。


 そんななかで迎えた第8戦上海。トヨタが突如息を吹き返し、決勝を除く全セッションで7号車トヨタが最速ラップをマークすると決勝でも8、7号車が揃ってライバルを圧倒するスピードをみせた。

 上海は比較的ストレート区間が多く、ドラッグを抑えるクルマ造りをしているトヨタにとっては相性の良いコースといえる。しかし、大きく回り込むコーナーも多数存在することから、その点ではダウンフォース量に勝るポルシェに劣ると考えられていた。

 それにもかかわらずトヨタが躍進したのはなぜなのか。その答えは第8戦で新たに投入されたエアロパッケージにあると言えるだろう。


……まじめな文章を書いてると仕事をしている気分になるのでここからはブログモードで。寝ながらTV

あ、ちなみに前フリで触れなかった第7戦富士については、雨量が少なければポルシェ、多ければトヨタという特殊なコンディションだったので気にしないこととします。ポルシェがトヨタと同じタイヤ(フルウェットに手彫りを加えたエクストリームウェットタイヤ)を履いていた場合どうなっていたのでしょうね。

言葉で説明するよりも写真のほうが分かりやすいので比較画像を作りました。フロントとリアの両パターンとも1枚目が第8戦上海、2枚目が第7戦富士のものです。

Photo : (c)MICHELIN, (c)Toyota, (c)FIA/ACO


フロント側は色付けをしなくても一目瞭然ですね。左右両サイドについているカナードが片側1枚から2枚に増えています。新たに加わった上段カナードは一部がヘッドライトに被さるアタッチメントとして装着されているようです。

そしてもうひとつのポイントはフロア上部のフラップ(ターニングベーン?)。こちらは新たにつけられたものではなく、元々フロアとカウルの間にあったものを大きくするとともに前方へ持ってきたものだと思われます。



マシンのリアでも視覚的に分かる変更点がふたつ。



ひとつはディフューザー直上に装着されているガーニーフラップの形状です。
第7戦から新デザインとなったこちらのガーニー。形はよく似ていますが、弧の角度が変わったことで中央付近での高さに違いがみられます。

また、フロアとカウルの空間に設けられたベーンも直線的なものから弧を描く形に変わるとともに、マシン中央部まで延伸しています。排出する空気の整流効率を高めることを狙ったものでしょうかね。


といった感じでレギュレーション違反にならない範囲でアップデートができるようなので、Wタイトルを獲得したポルシェさんも慢心せずに、“ラストレース”で1-2を取れるように全力でがんばってくださいな。

『耐久の雄』が3連敗で終わるんじゃないぞ! 去年のアウディのように意地を見せろ!!


2017年FIA WEC第8戦上海6時間レース 決勝結果
Pos Cls Nr. Team Machine Int
1 LMP1 8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050 - Hybrid 195Laps
2 LMP1 2 Porsche LMP Team Porsche 919 Hybrid 1 Laps
3 LMP1 1 Porsche LMP Team Porsche 919 Hybrid 28.214
4 LMP1 7 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050 - Hybrid 6 Laps
5 LMP2 31 Vaillante Rebellion Oreca 07 - Gibson 183Laps
6 LMP2 36 Signatech Alpine Matmut Alpine A470 - Gibson 35.28
7 LMP2 13 Vaillante Rebellion Oreca 07 - Gibson 1 Laps
8 LMP2 38 Jackie Chan DC Racing Oreca 07 - Gibson 16.487
9 LMP2 25 CEFC Manor TRS Racing Oreca 07 - Gibson 28.932
10 LMP2 28 TDS Racing Oreca 07 - Gibson 32.978
11 LMP2 26 G-Drive Racing Oreca 07 - Gibson 1 Laps
12 LMP2 37 Jackie Chan DC Racing Oreca 07 - Gibson 3.233
13 LMP2 24 CEFC Manor TRS Racing Oreca 07 - Gibson 29.378
14 LMGTE Pro 67 Ford Chip Ganassi Team UK Ford GT 170Laps
15 LMGTE Pro 91 Porsche GT Team Porsche 911 RSR 11.082
16 LMGTE Pro 51 AF Corse Ferrari 488 GTE 8.838
17 LMGTE Pro 66 Ford Chip Ganassi Team UK Ford GT 18.819
18 LMGTE Pro 95 Aston Martin Racing Aston Martin VANTAGE 28.802
19 LMGTE Pro 71 AF Corse Ferrari 488 GTE 0.776
20 LMGTE Pro 97 Aston Martin Racing Aston Martin VANTAGE 40.737
21 LMGTE Am 98 Aston Martin Racing Aston Martin V8 Vantage 166Laps
22 LMGTE Am 86 Gulf Racing UK Porsche 911 RSR (991) 1 Laps
23 LMGTE Am 77 Dempsey - Proton Racing Porsche 911 RSR (991) 1 Laps
24 LMGTE Am 61 Clearwater Racing Ferrari 488 GTE 6 Laps
25 LMGTE Pro 92 Porsche GT Team Porsche 911 RSR 93 Laps
26 LMGTE Am 54 Spirit of Race Ferrari 488 GTE 28 Laps

カップ確定済みタイトル
・LMP1ドライバーズタイトル
2号車ポルシェ(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー)

・LMP1マニュファクチャラーズタイトル
ポルシェ(ポルシェLMPチーム) ※2015年より3年連続

・LM-GTE Proコンストラクターズタイトル
フェラーリ(AFコルセ)

その他
アストンマーティンアストンマーティン・レーシング通算50勝達成