その1883。函館近郊ではKitacaを買う必要はない?nimocaとの違いから見る | 北海道のアンジュルムファンのブログ

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2014年12月22日、改名に伴い「北海道のスマイレージファン」から「北海道のアンジュルムファン」に変更しました。

※本記事に記載の意見は個人の意見であり、所属する団体等の意見を示すものではありません。

 

いよいよ来週16日、函館~新函館北斗間でKitacaが利用できるようになります。

(参考資料:Kitaca)

 

しかし、ある特殊な使い方をしない限り、「函館近郊ではKitacaを買う必要はない」と思います。

それは、遡ること7年前に函館市電と函館バスが、JRに先駆けて導入した交通系ICカード「ICAS nimoca」があるからです。

(参考資料:ICAS nimoca)

<Kitaca函館エリアとは>

JR北海道では函館~新函館北斗間を「Kitaca函館エリア」として案内しています。
これは「はこだてライナー」の運行区間と同一です。

(参考資料:はこだてライナー 2023年11月撮影)

 

すでに「新幹線eチケットサービス」によるチケットレス乗車サービスを行っている東北・北海道新幹線と併せると、東京から函館まで、列車で移動する場合、交通系ICカード1枚で移動することができるようになります。

<nimoca函館エリアとは>

九州を中心にエリアを広げているnimocaですが、その最大の飛び地となっているのが函館エリアです。

函館の大動脈を構成している函館市電と、奥尻町を除く渡島・檜山管内全市町に路線を持つ函館バスで構成されます。

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(参考資料:ICAS nimocaの導入をPRするラッピングを施した函館市電9601号車。現在はこのラッピングではない。2017年3月撮影)

 

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(参考資料:ICAS nimocaの導入をPRするラッピングを施した函館バスの車両。2017年3月撮影)

 

nimoca函館エリアでは、通常のnimocaではなく「ICAS nimoca」という地域限定デザインのnimocaを発行しています。

しかしながら、同じく地域限定デザイン「nagasaki nimoca」を発行している長崎電気軌道によれば、中身は通常のnimocaと同じです。

なのでここから先は特に断り無く「nimoca」と書いていきます。

<交通系ICカードの全国相互利用の枠組み>

2013年3月から、次の交通系ICカード10種では全国相互利用が可能となっています。

  • Kitaca
  • nimoca
  • Suica(モバイルSuicaおよびSuica機能を搭載した「地域連携ICカード」を含む)
  • PASMO(モバイルPASMOを含む。一部、SuicaとPASMO以外利用できない事業者あり)
  • TOICA
  • manaca
  • ICOCA(モバイルICOCAを含む)
  • PiTaPa(交通機関での利用のみ。電子マネー機能(函館市電の「箱館ハイカラ號」など、一部の交通機関を含む)は相互利用の対象外)
  • SUGOCA
  • はやかけん

すなわち、「nimocaエリアの函館市電で、Kitacaを使って運賃を支払う」「Kitacaエリアの札幌→野幌間で、nimocaを使って運賃を支払う」ということが可能となっています。

また今月16日からは、「Kitacaエリアの函館→新函館北斗間で、nimocaを使って運賃を支払う」ということも可能になります。

 

また、先に挙げた「新幹線eチケットサービス」で利用できるICカードは、上記10種となります。

<nimocaにできてKitacaにできないこと>

さて、ここからは「○○にできて△△にできないこと」を踏まえて「函館近郊ではKitacaを買う必要はない」という理由を見ていきます。
まず、nimocaにできてKitacaにできないことを、函館エリアを中心に挙げていきます。
  • 函館市電・函館バスの定期券発行
    2018年4月1日利用開始分より、函館市電と函館バスの定期券は全てnimocaに搭載する形に切り替わりました。
    交通系ICカードの大原則として、「○○というカードを導入している事業者の定期券は○○というカードにしか搭載できない」というのがあります(もちろん、かなりの例外はあります)。
    函館市電・函館バスの定期券はKitacaをはじめ、nimoca以外の全てのICカードに搭載することはできません。
    また、nimocaと他の交通系ICカードエリアにまたがる定期券は、「nimocaエリアの西鉄天神大牟田線とはやかけんエリアの福岡市地下鉄」のみ発行しています。
  • 函館市電・函館バスの乗り継ぎ割引
    函館市電と函館市電、函館バスと函館バス、函館市電と函館バスを一定の条件下で乗り継いだ場合、最大160円の割引が適用されます。
    この割引には、nimocaの生みの親・西日本鉄道で行ってきたバスでの乗り継ぎ割引のノウハウが存分に生かされ、nimocaにそれ専用のシステムが組み込まれています。
    そのため、nimocaエリア内での乗り継ぎ割引は、一部の例外を除いてnimoca以外のICカードは対象外となっています。
  • nimocaポイントサービス
    函館市電など一部のnimoca事業者では、乗車ごとに支払金額に応じたポイントを付与しています。
    交通系ICカードのポイントサービスは、原則としてその事業者が導入しているICカードにしか対応していません。
    なおKitacaにはポイントサービス自体がほぼありません。
  • nimocaエリア内でのオートチャージ
    クレジットカードやデビッドカードと一体化したnimocaのみが対象ですが、nimocaエリア内でのオートチャージができます。
    なおKitacaにはオートチャージ機能が一切ありません。

<Kitacaにできてnimocaにできないこと>

逆に、Kitacaにできてnimocaにできないことはこんな感じです。

  • Kitacaエリアの定期券の搭載
    先に挙げましたが、「○○というカードを導入している事業者の定期券は○○というカードにしか搭載できない」という大原則があります(例外あり)。
    Kitacaは全て原則通りの運用であり、Kitacaエリアの定期券はKitacaにしか搭載できません。
    なお、Kitacaエリア内完結であっても、磁気定期券として発行することができます。
  • グリーン車Suicaシステムの利用
    JR東日本の首都圏エリアでは、普通列車にグリーン車が連結されています。
    そのグリーン車に乗るには当然ながらグリーン券が必要となるのですが、そのグリーン券情報をカードに書き込むことでチケットレス乗車を実現しています。
    しかし、このグリーン券情報の書き込みができる=グリーン車Suicaシステムが利用できるのは、JR東日本が導入しているSuica、エリアが重複しているPASMO、直通運転を行うことがあるJR東海のTOICAと、なぜかJR北海道のKitacaだけとなっています。

この記事の最初にこう書きました。

ある特殊な使い方をしない限り、「函館近郊ではKitacaを買う必要はない」と思います。

その「ある特殊な使い方」というのが、上に掲げた2つになります。

<Kitacaとnimocaの併用>

交通系ICカードの仕様上、複数のICカードを併用することはできないようになっています。

また、交通系ICカードの2枚重ねについてもエラーが発生したり、予期しない事象が発生したりする可能性があるため、各事業者とも2枚重ねでの利用をしないよう呼びかけています。

他のICカードと一緒にタッチしないでください。
パスケースなどに一緒に入れたままタッチすると読み取りエラーになります。

<まとめ>

ここまで見てきたとおり、「Kitacaにできてnimocaにできないこと」より「nimocaにできてKitacaにできないこと」の方が多いことがわかります。

また、Kitacaには各種割引サービスがほぼ存在しないため、函館近郊ではKitacaよりnimocaを使う方がお得と言うことがわかります。

 

また、Kitacaエリア内完結であっても磁気定期券を発行できる一方、函館市電・函館バスの定期券は必ずnimocaに搭載する必要があるという点にも注意する必要があります。

よって、現在函館~新函館北斗間完結の磁気定期券+函館市電or函館バスのnimoca定期券という組み合わせを取っている方は、これまでのやり方を改める必要はないと考えます。

 

よって、先述した特殊な使い方をしない限り、「函館近郊ではKitacaを買う必要はない」と思います。