突然ですが・・・・・連休のとある一日、三重県松坂市の山奥にある中央構造線の露頭(地質・岩盤が露出し観察できる場所)を眺めてきました。
「月出」という地区の大きな露頭で、国の天然記念物に指定されています。
中央構造線は、中部から九州地方までほぼ東西方向に約1000 kmの長さで分布する日本最大級の断層です。中央構造線のほとんどは活断層(地質時代的に最近まで活動があったもの)であり、今後も大地震を引き起こす可能性があります。
近畿地方では和歌山の紀ノ川沿いに、四国地方は吉野川沿いに分布しています。
月出の露頭
露頭拡大写真
月出の露頭の写真です。
拡大写真の右上隅から左下隅にかけて断層が通っており、断層の左側と右側で露出している地質が違うのがわかると思います。
断層の左側の白っぽい岩盤は花崗岩質の圧砕岩(領家帯と呼ばれる地質帯グループ)で、右側の黒っぽい岩盤は泥質片岩(三波川帯と呼ばれる地質帯グループ)です。
あと、露頭全体的に岩盤中に割れ目が多くて脆弱で崩れやすく、過去の断層運動による影響がうかがえますね。
この月出の露頭は、領家帯(おもに火成岩)と三波川帯(おもに堆積岩が変成したもの)との断層境界が明瞭に見られるので、地質学の世界では非常に珍しく貴重なものなのです。
改めてですが、活断層や活火山が多い日本の地質は複雑でかつ脆弱であるなと。
日頃から防災意識を持つことが大切だなあとしみじみ思いました。