夜の世界に見切りを付けて
ハワイに留学するまでのお話を
書いています
以前のものはザックリ書いたので
詳細を足しながらの再投稿です
ホステスを20年間してきた私が
37歳の時にすべてを手放し
ハワイに留学したお話
いつも読んでくださり
ありがとうございます
気軽にコメントくださいね
1歳の姪っ子の前で
年上女との小競り合いを終え
一旦、大人しく帰って来た...ものの
元彼、直樹に対しての怒りが
おさまらない...
そんな、お話の続きです
その日の夜の営業後
直樹から着信があったの。
どうしても仕事が抜けれなくて
荷物を取りに行くのは
明日になる、と。
そして、私からは
何も言っていないのに
雅のママには
色々お世話になってるから
彼女をかばうしかなかった...
気分を悪くさせたこと
本当に悪かった...
みたいなことを
言ってきたんだんだけど... 

それに対しては、無返答で
電話を切った。
直樹との別れを決めたのは、自分だし
私たちは、もう別れているわけで
雅のママと付き合っていようが
どうでもいい話。
でも、どうしても
許せなかったことが、ある。
それは
まだ別れていない時に
直樹が雅のママから車を
買ってもらっていたこと。
しかもその件について
彼は嘘までついていた 

それを知ったのは
別れたあとだったから
今さら責めても無意味じゃん?
そう思って
その怒りは、もう自分の中で
揉み消したつもりでいたの。
翌日の日中
直樹が荷物を取りにきた。
彼の荷物は、数個だけで
ダンボールに入れて
玄関先にまとめてあった。
彼は、それらを運びだして...を
数回、繰り返し
最後の荷物を運ぶとき
1回、メシだけでも付き合えよ
それくらい、いいじゃんかよ
嫌うなよ...頼むよ....
とか、言いながら
私の車と部屋のスペアキーを
手渡してきた。
それに対して
いや、無理
もう関わりたくない
とだけ答えて、私は玄関のドアを
閉めたんだけど....。
あっ、忘れもの

それは、茶封筒に入った
直樹の幼少期の写真たち。
以前、私が見たいと言った時
彼が実家のアルバムから抜いてきた
10枚くらいの写真なんだけど。
持ってくる時に
彼のお母さんがこう言ったんだって。
私の想い出
私の大事な宝なの...
絶対に、なくさないでね
それを覚えていたので
茶封筒に『写真』と書いて
ダンボールの上に置いておいたのに
封筒が滑り
壁沿いに落ちていたので
気づかなかったらしい。
やばっ、こんな大事な
家族写真を置いて行かれても
困る.... と思って
私は、封筒を持って
マンションの下に降りたの。
そしたらさ、路上駐車をして
はこび出した荷物を
トランクと後部座席に入れている
直樹がいたんだけど....
同時に私の目に入ってきたのは
直樹の車...
そう、あの
雅のママが
買ってくれた
という
レクサスね
ねぇ?
そのレクサス見ると
怒りが込み上げてくるんだけど?
私の気持ち、わかるよね?
冷静に普通のトーンで言う私。
わかってるよ
悪かったと思ってるよ

でも、プレゼントって言われたら
断れない気持ちも、わかるだろ?
それ、言い訳ね。
車が欲しかっただけでしょ?
そうだけど....
本当に、それだけじゃねぇよ...
直樹は、車が大好き。
頻繁に洗車をし
鳥の羽みたいな棒で車体を拭いて
いつもピカピカで乗ってる男なの。
てかさ、この先どこかで
このレクサスを見かけたら
マジで切れちゃいそう。
ねぇ、これ
壊していい?
これ見る度に、あんたと
あの女の顔が脳内を
チラつくんだよね。
ねぇ?
あの人から貰った物だし
別にいいよね?
あ...あぁ... いいよ
それで気が
おさまるなら
お前の好きにしろよ
直樹が『好きにしろ』と
言ってくれたので
私は、マンションの駐車場に
停めてあった
自分の車を取りに行き
エンジンをかけて
直樹のレクサスの後ろに
持ってきたの。
私の乗っている車は
付き合っている時に
直樹が買ってくれたもの。
別れを切り出した時に
車のことに触れると
名義もお前の名前だし
プレゼントだから
返す必要はない
と言われたの。
ねぇ? 私の車
返さなくていいって
言ってたよね?
レクサス
本気で壊すよ? 大丈夫?
ああ.... やれよ...
って、答えた直樹の顔が
一瞬めちゃくちゃ引きつってたのが
わかったけども....
私は、遠慮なしに
自分の車を直進させて
直樹のレクサスの後ろ部分を目掛けて
思いっきり、突っ込んだの

でも、車って意外に頑丈で...ね



カシャって音はしたものの
レクサスの見た目は
無傷に見えた。
今度は、もうちょっと遠くで
距離をとってバックして
再度、アクセルを踏んで
レクサスに突っ込んでみたら
少しだけ、車体がへっ込んだけど...
クソー







もっと激しく壊れれば
いいのに....
と、思って
バック、ドライブ
バッグ、ドライブ...と
ギアをチェンジして
レクサスの後ろに
何度も突っ込んでやった。
その時点でね
奇妙な音に気がついた
マンションの向かい方の住民が
数人出てきて
めっちゃコっチを見てきたので
すいません、大丈夫です
事故じゃないです
ただの喧嘩なんで... 

と、一言だけ添えたあと
後ろに大きなダメージを
与えられないのであれば....と
左右から
ほかの車が来ない事を
確認してから車道に出て
レクサスの真横に
自分の車を回し
運転席のドアを目掛けて
アクセルを思いっきり踏み込んだら
ガシャっ

と鈍い音がして
見ため的にも、凹みがついた 

よし、これだ
と思って

バック
ドライブ
バック...
と、横から、数回...
ピっカピカに磨かれたレクサスに
ダメージを与えてやったの。
多分だけど、10回以上は
突っ込んだと思う。
大事な車が破壊されていく様子を
目の前で見ていた直樹は
本当....
半端ねぇな....
ってボヤキながら
突っ立っていたんだけど...
(知るか、ボケっ
)

直樹だけでなく
野次馬なババたちの数人も
凄い眼差しで
凹んだレクサスを見てたよね
(Bye-bye
糞レクサス)




