Q.保育士資格を取って、幼稚園で働けますか?
幼稚園教諭と保育士は、同じ物だと思われることが多いようですが、Q.幼稚園教諭について詳しく教えて下さい に記してあるように、全く別の資格です。
このため、保育士資格を取っても、『幼稚園教諭』として、幼稚園で働くことは無理です。
しかし、幼稚園側にどのような求人があるかは、わかりません。
幼保一元といって、幼稚園と保育所の差をなくしてゆく動きがあり、幼稚園の中にも、長時間の延長保育を実施する園も増えました。 そういう場合、保育士として、幼稚園に求人がないとは言い切れません。 そういう特別な場合には、『保育士資格で、幼稚園勤務』ということも、可能なのかもしれません。
そのような特別の場合を除き、保育士資格では、幼稚園では働けない、と考えてください。
Q.保育士? 公務員? なんだか訳がわかりません
少しわかりづらいところですね。
保育士とは、資格の名前です。
ですから、保育士資格をとり、保育士として働いている人や、ボランティア活動などをしている人たちを『保育士』と言います。
公務員とは、働く時に所属するカテゴリーのことです。
公的機関で働く人を公務員といいます。 国の機関で働く人を『国家公務員』、自治体の機関で働く人を『地方公務員』といいます。 職務内容は関係なく『誰に雇われているか?』を表現する言葉になります。
さて、わからなくなるのが、保育士と公務員の関係性のようですね。
まず保育士は、保育士資格があれば、だれでもなれます。 上にも書きましたように、保育士とは資格の名前ですから、働いているとか、働いていないなどは関係なく、保育士登録さえしてあれば、保育士です。
そしてこの保育士さんたちは、児童福祉施設や、相談所、学童保育、託児所、病院などなど、いろんなところで働いていたり、ボランティアをしていたりします。 この場合、公務員とは何の関係もなく、保育士として動くことになります。
では、どうして公務員が出てくるの?という話しですが、これは公的機関…、保育士の場合は公立の児童福祉施設や相談所で働きたい人が、採用試験として『公務員採用試験』を受けることになります。 これに合格すれば、公務員の保育士として、公立の施設で働くことになり、『地方公務員で、保育士をしています』となります。
このように保育士=公務員ではありません。 また、保育士資格がないのに、公務員採用試験だけを受けようとしても、保育職にはつけません。
保育士として、自分がどのように働きたいか?によって、公務員採用試験が必要だったり、何も関係がなかったりすることになります。
一つ、注意ですが…
公務員採用試験は、誰でも受けられるわけではありません。 保育士資格を取ることには、年齢制限はありませんが、公務員採用試験は年齢制限があります。 それは、全国一律ではなく、各自治体によって違いますので、公務員保育士になりたい方は、公務員採用試験の受験資格があるかどうか?を確認する必要があります。
Q.男性保育士ってどうなんでしょう?
正直、『男性保育士とは、こうです』とはっきり言えるものがありません。
昔、保育士が『保母』だった頃、女性の仕事でした。 途中から男性にも門戸が開かれましたが、しばらくは男性にも『保母資格』が与えられていたのです。
今は、『保育士』という名前で、男性でも女性でも、おかしくない資格名となりました。
このように、男性保育士への道は、開かれてからまだ、それほど長い歴史がありません。 まだまだ受け入れに抵抗を示す施設もありますし、逆に大歓迎の施設もあります。
この仕事を続けられるか?
に関してですが、まだ長年勤め上げた男性保育士が多くないため、男女の性別差による、体への負担の結論みたいなものも、はっきりはしていません。 女性は長年勤めても大丈夫な方が多いようですが、男性の体はどうなのでしょう?
それはあと何年も見守ってみないと、断言はできないと思われます。
ですが、このサイトに寄せられる投稿を見る限り、男性であるが為の体の負担について、悩みなどが寄せられたということは、ほとんどありません。
次に環境面。
やはり、もと女性の職場ですから、男性用職員トイレがなかったという話しが、時折聞かれます。
また、男性保育士が女児のおむつ交換を拒否される、ということもありました。
少し悲しい、お話ですね。
逆に、子ども達が男性保育士によじ登ったり、振り回してもらうという、ダイナミックな遊びで、大喜びしているという、嬉しいお話も聞かれます。
歓迎ムードの職場が増えたり、少しずつ偏見が薄れてゆくことを願っています。 男性保育士には、男性ならではの、保育がありますから、私は『男性だから』と諦めてしまうのは、もったいないように思います。
現実問題としても、男性保育士はじわじわと誕生しており、『男性は保育士になれない』なんて、ありえません。
さて、最後に金銭面。
正直、お世辞にも『高給取り』とは言えない職種です。 どちらかというと、あまり高くはないが、安定している部類に入ります。
平均給与などはあてになりません。 都会と田舎では、全く違いますし、生活にかかる費用も違うのですから、全国版で『保育士の給与っていくら?』と調べても、あまり参考にはなりません。
ハローワークや、転職サイトなどを開き、『自分の地域では、いくらくらいなのだろう? これで、生活できるかな?』と、考えてみることをお勧めします。
管理人も困ってしまうのが『嫁さん、子どもを食わせていけるだけの収入が、ありますか?』です。
人によって、生活レベルや、仕事の持ち方、子どもの数、子どもにかける費用など… 何から何まで、全く違うんです。 こればっかりは、お答えできません。
以下は、男性保育士にチャレンジ中の方からのメッセージです。 参考になさってください。
保育士を目指す男性の方々へ ころりんたまごさん
こんにちは。ころりんたまご@保育園に勤務しつつ、保育士試験挑戦中です。
男性の方に、ぜひおすすめしたいことがあります。それは「通勤圏内の園のボランティア」です。
●そのわけ
現状、男性の採用はまだまだ厳しい業界だから。それは、給与・設備・園の経験の3点によるところが大きいです。
●給与
給与は額面15~17万円がふつうです。(ちなみに福島県)住宅手当・扶養手当の規定が有っても、自宅通勤の女性が多いと、園始まって以来支給したことがないなんてことも・・・。同じ能力なら人件費がかからない方が採用されるのが常なので、せめて自宅から通えるところをお勧めします。でも残業も少なくて、家庭的パパを目指すにはほんといい職業ですよ。共働きならじゅうぶん食べていけるし!
●設備
男性用トイレ・更衣室・休憩室などを備えているところが少ないです。私の園ではトイレを改築しました。(改築してまで採用しないってところもあるかもしれません)
●園の経験
園長さんも、女性職員も、初めて男性を採用するとなるとドキドキします。「女性社会でうまくやっていけるかなぁ~」と。ボランティアであらかじめ人柄や仕事ぶりをPRしておけば、少しは解消されると思います。
ちなみに朗報。
私の勤める園では男性保育士さん、がんばっていますよ!ぜひ「風土を変えてやる!」くらいの勢いでがんばってください!
Q.私は、○○が悪いのですが、保育士になれますか?
一番多く寄せられるのが
『頭が悪いのですが…』
です。
保育士は特出した頭脳職ではないので、頭の出来は、努力でカバーできると思われます。
さて他は、聴覚の弱さがある方からの質問もありました。
とりあえずですが、盲・聾唖学校が、保育士資格試験の受験資格に必要な学歴として、認められているところをみると、聴覚障害や、視覚障害は、欠格事項とはいえないように思われます。
もちろん、正確なことは、問い合わせて確認をした方がよいでしょう。
心臓が弱いという方からの質問もありました。
これも、欠格事項としては明記されていませんでしたから、資格を取ることは可能と思われます。
精神障害者の方からの質問もありました。
これは実際に、「境界性人格障害」という病気で、障害者手帳をお持ちの方の受験の相談にのってきたこともあります。 その方は無事に受験され、資格も得ています。
このサイトに寄せられた質問は、以上ですが、他にも『私は??』というものはあるでしょう。 でも、管理人もすべての欠格事項を把握しているわけではないので、わからないことがあったら、保育士養成協議会に、問い合わせてみてください。
さて、『保育士資格を取る』ことと『保育士として働く』は別です。
資格ゲッターや、自己啓発としての受験は、問題はないと思われます。
ただ保育士として働く場合、ご自分が抱えた問題が、仕事にどう影響が出るか? どういう施設ならスムーズに働けそうか?なども考えた上で、ご自分にとって、負担が大きすぎないような就職先を探してみてください。
Q.私は保育士になれますか? なるべきですか?
資格試験は、他人に判断を委ねるようなことではありません。 掲示板などで意見をもらいながら自分の意志で決断しましょう。 それが資格取得への第一歩です。
例えば、管理人が「ぜひ保育士になりなさい」と言ったら、嫌でも我慢してなりますか?
例えば、管理人が「絶対やめたほうがいい」と言ったら、すごく保育士になりたいのに、諦めますか?
そういうものではないと思うんです。
向いているか、向いてないか、なれるかなれないか?なんて、やる前からわからないと思います。 また、なれるかなれないか?ではなく、保育士はそれほどの特殊技能職でも、頭脳職でのありませんので、努力次第で得ることができる資格であり「なるか、ならないか?」だと思ってます。
どうしても、誰かにこの答えを出して欲しいときは… その時は、カウンセラーさんか、占い師さんを頼ってはいかがでしょうか。
カウンセラーさんなら、どうしたらいいか?を決めてはくれませんが、じっくりと対話しながら、あなたが本心ではどうしたいのか?ということを、時間をかけて引き出してくれるでしょう。
占い師さんなら、あなたの運勢や適正を見ながら、考えを話してくれるでしょう。
どちらも確実に正しい答えが出る、という保障はありませんが。管理人は答えが出せませんので、そういう専門の方に聞いてみてください。
Q.ベビーシッター、チャイルドマインダー…??
保育士資格は難しそうだ~っっっ!
と思った時、次に目につくのは、これらの資格講座のようです。
さて、これらの資格を目指して、講座をとったり、勉強したりすることには、なんら問題はないと思います。
しかし『保育士は難しそうだから』と、保育士の代替として考えると、おそらく後悔すると思います。
どれも子どもと接する仕事ではありますが、ベビーシッターは各団体が出している認定資格にすぎませんし、チャイルドマインダーは日本の資格ではありません。
時折、これらの講座を終了して得た『認定証』で、児童福祉施設に就職できる!なんてキャッチコピーに引かれて、こちらに相談される方もいらっしゃいますが、そのような幸運を手にできるのは、よほど運の良い、ほんの一握りの方のみです。
実は、保育士資格試験の受験資格のために、無資格で児童福祉施設の常勤の求人を探す方は、かなりの数にのぼります。 しかし、ほとんど全員といっても過言ではないほど、求人のなさに打ちのめされて、諦め、進学に切り替えているのが現状です。
児童福祉施設で働きたかったら、保育士や社会福祉士、精神保健福祉士など、福祉関連の資格がないと、現状としては難しいものがあります。 ベビーシッターや、チャイルドマインダーは、それらに匹敵する資格でもキャリアでもありませんし、講座を終了したからといって、実践力があるともいえません。 子育て経験のあるお母さんでも『無資格』には、保育職は無いのが現状なのです。
それを、ごく少数の就職実績が誇示された広告を見て『これさえ勉強すれば、みんな児童福祉施設に就職できる』と思い込むのは危険です。
あとで『騙された!』は通用しないのです。
1人でも就職していれば、たとえそれが保育とは違う職種としての就職であっても『講座終了後に、児童福祉施設への就職が可能』は嘘ではないのですから。 広告はうのみにせず、納得がいくまで食い下がって詳細を聞かれてください。
もう一つ『講座を終了すれば、独立開業できる』も、よく聞かれます。
しかし、こういう資格商法の業者は、独立開業まで、サポートはしてくれません。 ベビーシッターやチャイルドマインダーの講座を終了=独立開業ではなく、自分で経営について学ばなければなりません。
育児の知識があっても、起業の仕方もわからないようでは、独立開業などどうやってできましょう?
少々横道にそれましたが・・・
これらの資格は、保育士の代替資格ではありません。 別の物と考えてください。
また、このサイトでは『保育士』をテーマにしているため、これらの資格についてのご相談には、乗れないことがほとんどであることを、ご了承ください。