Q.大学の前期試験と重なります。 なんとかなりませんか?
日程自体はなんともなりません。 資格試験の日程は、個人の都合では変更されませんので、早めに対策を考えましょう。
実習や試験と、事前講習会が重なってしまうという相談は、毎年寄せられます。
中には補講や追試が、保育士試験と重なる人もいらっしゃるようです。
しかし、一個人である管理人が、試験日程の変更を要請したり、大学にかけあったりするような力はないのです。
一般的に8月は大学の夏休み。
その時期に補講や追試をうけるハメになった人や、単位の関係で実習があるというようなことは、他人が解決することはできません。
まずは、試験が夏にある、ということを、十分に認識しておいてください。
前期試験のために、資格試験の勉強ができない…
資格試験の勉強をしていたら、単位を落とした…
そのときになってあわてても、どうにもできないのです。
自信がない場合には、前期試験にかかる単位認定科目をできるだけ減らしておく、というだけでも負担はかなり軽くなると思われます。
大学の生徒の大多数が同じ窮地にある…
という場合には、みんなで掛け合ってみる価値はあるかもしれませんが、生徒の大多数が保育士試験を受験する大学では、それなりに対策してあるようですが。
事前講習会に行けないのであれば、早いうちから受験仲間と連携を組んで自分のできるお手伝いと引き換えに、ノートを見せてもらうなどの交渉をしてみては? 自分は何もしないで「ノート写させて」と、「持ちつ持たれつ」ができず、人を利用するだけの人は、仲間内から浮いてしまいますので、注意してください。
Q.私は幼稚園教諭免許をもっています。 何が受験免除になりますか?
幼稚園教諭免許を有する者については、受験申請時に幼稚園教諭免許を有することを証する書類を添えて、提出することで、一部の科目が免除となります。
筆記試験科目の発達心理学、教育原理並びに、実技試験の保育実習実技が免除されます。
発達心理学のあわせ科目である精神保健、教育原理のあわせ科目である養護原理は、受験する必要があります。 免除と合格がそろって初めて、この1科目が合格ということになります。
また、実技試験は免除されますが『保育実習』筆記は免除されませんので、ご注意ください。
よくある質問として「幼稚園免許取得予定なので、何か免除されるのではないか?」というものがあります。 残念ながら「幼稚園免許取得者」に対しての免除であり、取得予定・見込みの場合には、免除にはなりません。
頑張ってすべての科目を受験してください。
Q.資格試験でも、やっぱり児童福祉施設に実習に行く必要がありますか?
資格試験に合格した場合、それによって保育士資格が与えられます。
受験中や合格後、児童福祉施設に、保育実習をさせてもらいに行く必要はありません。
保育士資格試験の実習というものは、短大や大学で履修した程度の知識や技術を持ち合わせているか?を、筆記試験と実技試験で見極めるものです。 よって、資格試験を受けて資格を取得する場合には、児童福祉施設へ実習に行く必要はありません。
Q.過去問題が欲しいのですが・・・
過去問題は、保育士養成協議会 のホームページで公開されています。
誰でも簡単に入手でき、印刷も可能です。
これを、入手困難なものであるかのように偽り、綺麗に製本して、受験者に売りつけようとした人が、過去に何人もいましたし、それがオークションにかかって出品者への処分が検討されたこともあります。
そういう詐欺まがいのものを売りつけられないよう、またそういう人の弱みに付け込むような金儲けをしないよう、お願いいたします。
Q.過去問題の解答が欲しいのですが・・・
様々な業者さんが、解答速報を出しますが、答えが分かれます。 試験終了後すぐではなく、少し待って、公的な発表を待つことをお勧めします。
また、試験実行側が発表したもののみが、有効な『正答』であり、それ以外は『解答例』や『解答予想』にすぎません。 早い段階で、解答例に一喜一憂するのは、あまりお勧めできません。
正式発表前に、解答例での自己採点から『自分は不合格』と思い込んで、署名運動や、抗議文を送りつけようとされる例が見られますが、『納得がいかない出題への抗議』ならともかく、正式発表が出る前に、解答についての抗議文を出すと騒いだり、また一緒に抗議する仲間を募るのは、ご遠慮ください。
Q.資格を取りたいけれど、何をすればいいですか?
まず、どういう方法で保育士資格を取るのか?をよく考えて、決めて下さい。
保育士資格は『保育士養成校への進学』と『資格試験による取得』の2つの道があります。
ただし、保育士養成校の受験資格は、高卒以上。
資格試験の受験資格は、短大卒以上です。
誰でも無条件に取れる、というものではありません。 詳しくは、保育士になるには を参考にして下さい。
その上で、進学を選べば、志望校選びや、受験準備。
資格試験を選べば、日程調整と勉強方法の模索となると思われます。
大人の資格取得は、子どもと違い、家族や社会とのしがらみの関係で、思う存分打ち込めないというのは多々あります。 後々、諍いにならないよう、資格取得に関しては、よく周囲と話し合ってください。
実際に、会社と折り合いをつけたはずだったのに、資格試験の日に休暇をもらえなかったとか、保育実習の時に子どもを見てくれる予定だった家族にすっぽかされたという、怒りのメールは、多くあるのです。
『私は頑張っているのだから、周りは協力してくれて当然』
という考えは、もたないほうが良いと思います。
Q.実技試験って落ちないんですよね?
少数ではありますが、
『実技試験が最後に回ったのは、形だけの試験で、落とすことはない』
と、受験生を励ましてしまった先生がいらっしゃる…
という質問が寄せられています。
それは、おそらくですが、先生の優しい心遣いだと思います。
ビクビクせずに、気持ちをゆったりと持って、全力を出し切っていらっしゃい!というための、応援の言葉だと思います。
ここでは正直にお話しますが、受験者数と、合格者数というのは、きちんと発表されています。 それを見る限り、筆記試験合格後に、実技試験で不合格になった方は、ゼロではありません。 それほど大人数が落ちているわけでもないのすが、予想できる範囲内の合格率…といったところです。
少なくとも、統一試験になり、筆記突破後しか、実技が受けられなくなったことで、『不合格を出さない』とか、『合格基準が甘くなった』ということは、なさそうです。
でも、きちんと対策をしている人は、ほとんど合格していると思われる数値が、発表されていますので
『落ちやしないから、ドーンと構えて、行ってらっしゃい』
の言葉を、信じることは、悪くないと思います。
ただし
『落ちないんだから、対策なんていらな~い』
というレベルではなさそうなので、誤解のないよう、悔いのない受験対策の上で、試験には臨んでください。
Q.どの科目から手をつけたらいいですか?
保育士資格試験は、まず筆記試験に合格する。 全科目合格すると、実技試験を受けられる。
そういうシステムになっています。
筆記試験の合格の順番には、決まりはありません。 期限内に全ての科目に合格すればよいのです。
苦手科目から制覇してもよいし、なじみのある科目から手をつけても構いません。 まんべんなくすべての科目を見ても、全く問題はありません。
傾向性…ですが、保育小六法にせよ、試験対策通信教育にせよ、書店のズバリ本にせよ
・社会福祉
・児童福祉
・
・
・
という順番で書かれていることが、ほとんどです。
このため、決まりではないにもかかわらず、なんとなく社会福祉を一番に手にする方が多いようです。 しかし、社会福祉とは、いわゆる社会福祉に関係する法律の科目です。 暗記事項も多く、社会福祉と児童福祉は、初めて手にする方にとって、やっかいな科目と感じられることが多いようです。
その1科目を手にとり『この資格は無理だ』と結論づける方も、見受けられますが、少し待ってください。
無理だと結論付けるのは、他の科目も見てからです。 たまたま1科目がややこしかったからといって、全てを諦めるのは、結論を急ぎすぎています。
保育士資格試験の科目は、なんとなくいろんな科目の内容が、重複しています。 他の科目をやっているうちに、最初に『無理だ!』と思っていた科目が、無理ではなくなっていることも、よくあるのです。
あれも無理、これも無理では先に進みませんが、どう頑張っても無理だと思ったら、馴染み深い科目から手をつけるように、作戦変更をしませんか?
また、初めて触れる分野というものは、パッと読んで理解できないことも、よくあります。 そういう時は、わからないままで構わないので、とにかく繰り返し読んでみませんか? 何度も読むうちに、良く出る単語というのが、頭に残りはじめます。 ここまできたらシメたもの!
何を覚える必要があり、何が不要なのかが見えてくるようになります。 まずは、だらだら読んで『資格試験用の脳』の準備を整え、それから試験勉強にとりかかる。 パッと読んでみたけど、お手上げです!は、あなた1人ではないので、安心してください。
Q.資格試験の日に、託児サービスはありますか
無いところがほとんどです。
子育て中の主婦受験者さんが多いことや、小学校の夏休み時期に試験が行われることが関係しているのでしょうか? 試験前にはこの質問が増えます。
しかし、保育士資格試験とはいえ、子育て主婦さんを優遇する試験ではありません。
考えられる方法は
・ファミリーサポート制度(事前の研修、登録による託児の助け合い制度)
・保育所の一時保育(未就学児)
・学童保育(小学3年生程度まで。 小学校によっては全小学生)
・企業としての、託児所(年齢制限は、企業による)
・家族の協力
・シッターを雇う(12歳まで対応企業もあり)
・試験会場に連れて行く(試験時間に1人で待てる、年齢の高い子のみ)
探せば、もっと方法はあると思います。
お金もかけたくない、だけど誰かが預かってくれないと困る、というような無理は通らないことが多いです。
Q.実技試験について何でもいいので教えてください
音楽、絵画制作、言語の中から、自分で2つを選んで受験します。
自分が「これで受験しよう」と思うものを選んでください。
受かりやすい科目はどれか?という質問が多いのですが、特にどれかが合格しやすい、どれかが合格しづらいというような傾向は、なさそうです。
自分を信じて、選択してください。
実技試験は、筆記試験すべてに合格した人のみが受験できます。
なお、幼稚園教諭免許をお持ちの方は、受験の必要はありませんが、幼稚園教諭免許取得のために在学中の方は、免除ではなく、受験する必要があります。
試験内容については、一切の問い合わせに応じないとなっていますので、毎年同じとは限りませんが、参考までに例年の傾向を記しておきます。
<音楽>
例年、2曲の童謡が課題として出され、弾き歌い(歌いながら弾く)をすることが求められます。
試験はピアノ、アコースティックギター、アコーディオンのいずれかで伴奏しながら、歌います。
ピアノは試験会場に用意されていますが、ギターやアコーディオンを使う場合、自分で持ち込みます。
楽譜は要綱にメロディーのみが添付されます。
市販の楽譜を用意するか、コードネームを参考にしながら、伴奏をつけます。
声の高さが合わない場合、移調してかまいません。
圧倒的にピアノの質問が多いので、ピアノでの受験者が多いのだと推測できます。
求められるピアノレベルですが、それほど高いレベルは求められていません。
よく「ピアノの試験」と勘違いされることがありますが(現在のシステムになる前は、確かに「ピアノの試験」がありましたが、今はありません)あくまでも「弾き歌い」の試験です。
ピアノレベルに気を取られて、歌をおろそかにすることなく、両方をバランスよく練習してください。
伴奏のレベルですが、かなり簡素なものでも合格者が出ています。
前奏・後奏は、合格の必須条件ではないようですので、無理してつけることはなさそうです。
「ミスタッチもなく、音程もはずさず歌ったはずなのに!」というピアニストやピアノ講師の得点が、思うように伸びない傾向があります(不合格という話は、今のところ出ていません)。
音楽のプロであるというプライドをみせつけるのではなく、「保育の場にふさわしい弾き歌い」を心がけることが、求められているようです。
<絵画制作>
要綱配布時点で、テーマが与えられます。
鉛筆、色鉛筆、消しゴムを使用して描きます。
求められる画風に悩む方が多いようですが、無難なイラスト風のもので挑む方が多いようです。
過去に、かなり実写的な作品を提出した美大生が、不合格に終わった事例があります。
また、あまり少女マンガのような、お目々キラキラの現実離れしたイラストも、あまり適さないのではないかという意見もよく目にします(あくまでも、受験者さん同士の交流からの、想像です)
こちらも「保育の場にふさわしい絵とは」と考えて、取り組むことが求められているように思います。
また、絵がよく書けていても、出された課題をクリアしていない場合には、不合格となる事例もあるようです(指示を守らない、テーマに沿っていないなど)
<言語>
時々質問されるのですが、これは国語や英語の試験ではありません。
3分程度の童話を用意し、お話をするというものです。
試験当日「○歳児を相手に、お話してください」という指示があります。
3、4、5歳児のどれかを指定されますので、その年齢にあったお話の仕方を展開してください。
そうです。 3歳児、4歳児、5歳児がどのようなものか?をよく学び、お話の仕方を変えなければなりません。
その年齢にあった話し方、言葉の使いまわし、表現方法などを考える必要があります。
小道具は使えません。
すべて同じお話で、対象年齢は表現方法でカバーしてもかまいませんし、各年齢ごとに別のお話を用意してもかまいません。
当日披露するのは、指示された年齢1つのみですので、どういう準備をしてきたかということは問われません。
お話は、もともとあるお話でもかまいませんし、自作のお話でもかまわないようです。
<全体的な感想>
あくまでも、掲示板での交流や、寄せられる体験談、自分の教室(ピアノ教室)から感じることですが、一人でコツコツと練習した人より、人に聞いてもらい、見てもらいながら、評価をうけて練習する人が強いように思います。
もちろん、コツコツと練習することは、どの分野にも共通して必要なことですが、ひとりよがりにならないよう、気をつけて、がんばってください。