2024年6月23日。ワタミの株主総会に参加した。会場は横浜で、みなとみらい線のみなとみらい駅から徒歩5分ほどのパシフィコ横浜だ。

 

 

コロナの影響で4、5年は大勢の株主があつまる総会はひらかれていなかった。ひさしぶりの多数の人のあつまった総会は10時からで、10分前につくと受付は混雑していた。

 

 

総会ではお土産がでた。有機きく芋茶とワタミ・グループでつかえる金券1000円である。

 

 

有機きく芋茶は今年の株主優待で申し込める製品だった。

 

 

金券はこれまでも毎回用意されている。ワタミは2003年からのつきあいだ。株主総会は幕張メッセで開催されたころから出席しているし、国技館にも何回かでかけている。介護事業があたって株価が上昇した2009年に一度売却したが、その後株価が下がった2011年に買いなおして現在にいたっている。

 

総会は撮影禁止なので画像はない。定刻に創業者で会長兼社長の渡辺美樹氏の司会で総会ははじまった。ワタミは今年40周年とのことで、まず40年の軌跡をふりかえるビデオがながされた。これは毎度そうだが、渡辺氏ばかりが登場する、自画自賛気味の、良いことばかりをつなげた、少々おめでたい内容だ。業績のきびしい時や、マスコミにバッシングされた期間もあったはずだが、それについては触れられていなかった。しかし東南アジアに学校を建設する慈善活動や、利益をだしたことのない有機農業などには時間をさいていて、そうだった、ワタミはこうだった、と思い出したりした。だからと言ってワタミがきらいなわけではない。株価はぱっとしないが長年応援はしているのだ。ただもっと本業の外食に力をいれるべきだとはおもう。利益のでる事業に集中するのが本分だろうとは感じている。

 

事業報告では、国内外食は増収増益だ。コロナ後の客数、宴会増でである。宴会は残存者利益がえられたとのこと。宴会のできる店がなくなっているそうだ。宅食事業は減収減益。これは逆にコロナ禍では宅食数が伸びていたが、それが終わって反動がでたため。海外外食は赤字。環境事業も農業も赤字だ。

 

売り上げは2023年3月期が779億、2024年3月期は823億とのびている。経常利益は2023年が38、8億で2024年が59、7億と、20、9億のびだ。しかしそのうちに為替差益が12、6億あるので、実質的には8、3億の増益ということになる。ドル預金を2億ドル保有しているので差益がでたとのこと。これは渡辺氏の持論に元ずく投資なのだそうだ。政策投資銀行から190億円の借り入れをしているが、ドル預金の2億ドルは円安を見込んでもちつづけ、借金の返済にはつかわないと語っていた。

 

総会での発言者は渡辺美樹氏と息子の将也氏だった。将也氏はまことに有能で、切れ者の印象だった。その後は株主の質問にこたえる時間となり、丁寧に株主に答えた後で採決となり、議案はすべて可決され、総会は終了した。

 

 

総会がおわると弁当がくばられた。

 

 

焼肉弁当である。

 

 

総会の後は、特別企画・渡邊美樹5年後の夢を語ろう、というトーク・ショーがはじまった。

 

 

渡辺氏は野放図な財政政策をとっている日本は衰退する、円安はとまらない、大暴落する、と予想していた。ジム・ロジャースと共著で大暴落という本まで書いていた。たしかに日本は衰退しているが、大暴落するかはなんとも言えない。ジム・ロジャースを世界三大投資だと持ち上げていたが、三大には入らないだろう。それに彼は10年以上前から日本はダメだと弱気を言い続けているが、それが当たったかどうかは株価を見ればあきらかだ。

 

 

トーク・ショーにはテリー伊藤氏も登場した。

 

 

にぎやかなテリー氏と日本の将来に悲観的な渡辺氏の対話がつづく。渡辺氏は将来の危機に生き残るために、ワタミの舵取りをうまくとってゆくつもりだと語っていた。

 

 

特別企画のあとで試食があった。

 

 

ワタミのアイスクリーム。牛乳の風味がよい。

 

 

ワタミの宅食。上品な味つけ。株式市場に定期的に暴落はやってくる。ただ日本が財政破綻して大暴落がやってくるかは、だれにもわからない。ない確率の方がたかいとおもう。いずれにしてもワタミの経営に集中して、利益をあげることがいちばんにもとめられる。

 

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