明けましておめでとうございます。

ブログをサボりながらもひっそりと生き抜いた2022年も明け、2023年を迎えることができました。


さて、昨年の目標だった81Dojo六段ですが達成することができませんでした。

原因としてはメタゲームでの弱さだったと自身では分析しています。


昨年取り組み始めたノーマル三間飛車では、主に対居飛車における持久戦対策から進めていきました。

初めは一定の成果をあげていたのですが、プロ棋戦やyoutubeの流れに従い、急戦の比率が上がってきた印象です。

そこのメタゲームでの弱さがあり、対策が常に後手に回っていたため、レートをあげることができませんでした。


ただ後半はそこの対策を整備したことにより、大きな作戦負けが減りつつあります。

また副次的な効果として、際どい形勢での終盤戦に触れる機会が多く、終盤力に磨きがかかったと自負しています。


このブログを書いている1月5日時点ではレートも五段中盤となり、六段昇段も射程圏内に捉えていると思っています。

勝ちパターンとしては、やはりZを押し付けるパターンが確立できたことでしょうか。
振り飛車ミレニアムも持ち札に加え、攻め筋を確保しつつも、寄りづらい形をキープできているのが大きいです。
また斜めZや横Zを意識した寄せの組み立ても安定して行えており、互角の終盤戦から自玉の安全度をキープした安定感のある寄せができているのが一番の成長かなと思います。

結果としては昨年の今頃と比べると平均レート自体は30点くらいは上がっています。
また体感としては少し天井も上がった印象です。

直近の50局を戦法別で見ると勝率は以下の通りで、
三間飛車(勝率63%、30局)
先手勝率64%(17局)
後手勝率61%(13局)
四間飛車(勝率40%、10局、全て後手番)
相振り飛車(勝率88%、9局)
先手勝率100%(4局)
後手勝率80%(5局)
となっています。

81Dojoでの通算が勝率55%程度であることを加味すると、三間飛車の安定感が上がっているのがひと目でわかるかと思います。
相振り飛車もサンプルこそ少ないですが、高い勝率を残しており、レート向上の下地になっています。
対局相手も意図的に相振りを避けているのかもしれませんが、三間飛車で勝てているのがやはり大きいです。

取り組みの変化としては後手番でも対抗形の三間飛車を指していますが、勝率を見る限りは劣っている訳ではないようです。
これまでは作戦負けしないよう、先手と後手を切り離して戦法選択してきましたが、終盤重視で形勢を大きく引き離されないことを念頭に置いてきたことで、オールラウンダーや対抗形志向の相手との経験値の差となり、結果的に好循環に繋がったように思えます。

総括としては先後とも、三間飛車を軸に序盤の精度を上げていこうと考えています。
ただし、戦法メタや対人メタを散らす意味でも、四間飛車は今後も一定数対局に組み込んでいこうと思います。
そして下地となっている終盤力の向上も避けては通れないでしょう。

そんな訳で、今年の目標としては、
①最高レート六段
②五段の安定感
③詰めチャレ六段
を掲げていこうと思います。

将棋を指すにあたって戦法というものが存在します。

中には自分が指したいと思っていても、相手の指し手次第ではさせてくれない戦法もありますし、また実現させたとしても相手からの対策によっては不満な進行を強いられることもあります。

それらをいかにクリアし、優勢を築いていくかが序盤研究の意義なのだと思います。

今回は三間飛車党である私が現状でベストだと思う最序盤からの数手を考察していこうと思います。

 

初手▲7八飛

現代の三間飛車党にはお馴染みのオープニングです。

平成後期までの三間飛車と言えば、初手▲7六歩が普通でしたが、△3四歩▲6六歩と角道を止める展開になると相振り飛車になった際に、先手だけが角を使いづらく不満とされているのが現状の評価です。

そこで角道を止めるのではなく、開けるのを保留するというのが初手▲7八飛の意味合いですね。

加えて▲6六歩の一手を省略しているため、より柔軟に指し手を選ぶことができるというのも大きなメリットです。

もちろん▲7六歩△3四歩▲7八飛のオープニングもあり、菅井八段によるタイトル戦での採用歴もありますが、やはり角交換から△4五角の乱戦が気になるところ。詳しくは『うっかり三間飛車』で調べていただければと思います。

話を戻して、上記のメリットや乱戦を回避する意味合いで初手▲7八飛が現代三間飛車のスタンダードとなったわけです。

 

①二手目△3四歩

お馴染みの後手の初手ですね。

居飛車振り飛車を明示せず、角を大きく使う意思表示です。

ここで▲7六歩だと先ほどの『うっかり三間飛車』に合流してしまいますので、ここでは別の手が推奨されています。

 

三手目▲6八銀

これが基本のキですね。

次こそ▲7六歩を狙っており、角交換されてからの△4五角には銀が6七の地点を受けており、無難に▲3八銀で収めることができます。

この▲6八銀は対居飛車、相振り飛車でも損になることは少なく、不満のないオープニングと言えます。

 

②二手目△8四歩

後手が早々に居飛車を明示した格好です。

 

三手目▲7六歩

先ほど同様に▲6八銀と悠長に構えていると△8五歩~8六歩が受かりません。

△8五歩には▲7七角と飛車先を受けるスペースを作った自然な一手です。

次に△3四歩なら▲6六歩と角道を止めてオーソドックスな三間飛車にしてもよいですし、▲7五歩と早石田の形を目指す手もあります。

 

ということで今回はここまでです。

振り飛車の対策の中でも、嬉野流からの鳥刺しや飯島流引き角戦法など、特殊な出だしとなるものを含めて、次回以降の考察対象としていこうと思います。

お久しぶりです。

 

長らく更新できていなかったので、自分の将棋の変化についてのお話と、

ゆっくり時間が取れていなかったのでその振り返りをしたいと思います。

 

六月ごろ~現在まで

真部流を含むコーヤン流を軸に序盤を再構築してきました。
それなりの成果も見えつつある中で、やはりへなちょこ急戦が難敵だと感じています。
また、▲5七銀型三間飛車を警戒した持久戦調の駒組をされることも多く、▲6七銀型もサブウエポンとして勉強中です。
主にトマホークとかなけんシステムがこれに該当します。
 
特にトマホークは研究勝負になりやすく、初見殺し的な意味合いは強いものの決まってしまえば81六段クラスでも完封できるほどの破壊力を秘めています。
もちろん対策というか、そもそもトマホークにさせない駒組を選択されることが多いのですが、その補完としてかなけんシステムを選ぶに至りました。
 
その他、Vtuberの菜々河れいさん考案の菜々河流三間飛車ミレニアムも試してみましたが、こちらはしっくりこず。
他の方の情報が集まってくれば再度勉強したいと考えています。
 
あとは後手番戦術として従来から勉強していた四間飛車穴熊も用いています。
厚みや模様を取る三間飛車と堅く遠い四間飛車穴熊の二軸で組み立てているため、どちらかの調子を崩してももう一方で立て直せるというのが主な要因。
加えて81dojoだとメタゲーム的な戦型選択が行われることもあり、その目くらましとして、性質が違う振り飛車を織り交ぜている意味もあります。
 
最後に終盤について。
以前の記事で書いたような少し手数の長めの詰将棋に取り組んでいます。
若干ですが終盤力がついてきたような実感があり、将棋クエストの詰めチャレでも最高レートを更新中です。
三段比では終盤型だった私ですが、四段以降は終盤型を名乗れなかったのがコンプレックスでもあります。
今は終盤型とまではいかずとも、楽に臨めているのが好循環のきっかけのような気がします。
 
以上が夏季四半期での戦法選択と勉強の傾向です。
 

六月ごろ~現在までの振り返り

相振り 勝率59%(37局)
先手 勝率55%(20局)
後手 勝率64%(17局)
 
三間飛車 勝率52%
先手 勝率65%(26局)
後手 勝率20%(10局)
 
四間飛車 勝率41%
先手 勝率100%(1局)
後手 勝率36%(11局)
 
相振りは好調。
直近50局に絞るとさらに勝率の良さが際立ちます。
要因としては相振りでの菅井流と里見流、角交換型中住まいの安定感が大きいと見ています。
五段以上にも五割近く勝てているので、この路線は変えずにいっていいでしょう。
 
問題は対抗形。
三間飛車は全体勝率52%、先手勝率65%と及第点ですが、後手番勝率は四間飛車も含めてみてもが悲惨なものとなっています。
ただし新しい可能性の模索をするかというとそうでもなくて、三間飛車に比重を置いた結果、四間飛車穴熊の定跡を忘れていったというのが体感です。
 
つまりは四間飛車穴熊を再勉強して4~5月程度の練度まで持ってくれば全体としての勝率をかなり上げることに繋がると仮定できます。
後手番対抗形、つまりは21局の勝率を60%に上げることを目標として、
実現した場合は12勝9敗、現状が8勝13敗となり
1局10点とレートを仮定すればマイナス50がプラス40に転じて、差し引き90点の上積みを期待できます。
 
そうなれば現在の平均レートが2060程度なので2150程度の安定した五段に定着できる見込みですね!
なんとかこちらに持っていけるよう、精度と練度を上げていければと思います。
 
新しい戦法ではなく、かつての主力を再度磨き上げるということで、現実的な路線ではないかと思っています。
終盤力の向上も継続していけば、去年の今頃よりも上を目指せるのではないでしょうか。
来月には赤旗名人戦もあり、81dojoでは八一王戦が開幕したこともって、なんとか勝ちにこだわって指し続けていきたいものです。
最近少し手数が多い詰将棋に手をつけることを心がけています。

と言っても20手強のものではなく、11手~15手のものですね。


取り組み始めたきっかけももちろんあります。

『終盤の詰むや詰まざるやの局面で読みきれず、持ち時間の関係で間違えてしまう』ということも多く、それに対しての回答でもあるのですが、

単純に『中盤の読みが五段格以上に負けている』と実感したのが最たる理由です。


詰将棋に対して『終盤力の強化』というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

実際それは間違いないですし、詰め逃しで勝率落とさないために詰将棋に取り組むのも効果的です。

しかしながら手数の長い詰将棋となってくると、それに上に『読みの力』が養われます。


全ての詰将棋が3手詰めプラスアルファであるというお話をしました。

そのプラスアルファが長いほど、脳内で盤面を動かす時間が増え、読みの力に繋がってくるというわけです。
プラスアルファについて書いた記事も下記にリンクを貼っておきます。


二桁手数の問題を解くメリットは他にも2つあり、

1つ目が詰め上がり図のイメージが曖昧になりやすいということです。

短手数の詰将棋だとどうしても慣れもあって、詰将棋に親しんだ方や初段以上の実力をお持ちの方は、直感的に正解手や近い手を見つけ、その付近を読んでしまいがちです。

しかし手数が長いと詰め上がりのイメージが見えづらい分、他の手を読む機会も増えてきます。

中盤戦同様に候補が多いので、広い範囲を読む必然性が生まれ、それが読みの力に繋がってくるという理屈です。


2つ目が手順の差異を深掘りする必然性があるということです。

完成された詰将棋では他の手順を消すための工夫が施されています。

捨て駒のタイミングや一度龍を利かせてからなどの細かい手順を精査する必要性があり、煩雑だからこそ細部まで読みをいれることによって読みの力を養うこととなってきます。


以上の理由が、今回の私が長めの詰将棋を解き始めた理由です。


正直に言えば、飽き性なところもあるので常態化していきたいという思いから、「多少なりともお金を投資して解くべきだ」と考え、最寄りの書店で購入できるもので一番長いものがそれだったというのもあります。

お金を使ったものなら、もったいない精神で投げ出しにくくなるという思惑のもとです。

それに長らく詰将棋を続けて解いていなかったので、難易度を落としたという意味もあります。


なのでゆくゆくは20手以上のものを継続的にと思いますが、まずは目の前の一冊をやりきることを目標に頑張っていきます。

遠くの目標に囚われると、足下が覚束ないなんてことは実生活でも多くありますからね。


話は逸れましたが、結論として『詰将棋は終盤力だけでなく、読みの力を蓄えるトレーニングになる』というお話でした。


ちなみに学生時代に同程度の手数の問題を解いた結果、読みの力に引っ張られて中盤力が向上したという成功体験をもとにこの記事を書いていますので、他の人に当てはまるかは不確定であるということも述べておきます笑

三間飛車を指していると、『へなちょこ急戦』がどうしても気になります。

 

『へなちょこ急戦』をご存じない方にも簡単に説明しますと、

youtuberのsugerさんが考案された、角道を止める振り飛車、いわゆるノーマル振り飛車への指し方です。

特に三間飛車対策として猛威を振るっており、ネット将棋ではかなり盛んに指されていますし、プロの実戦にも表れるほどの有力策です。

 

 

上図がへなちょこ急戦の基本図ともいえる局面で、端歩や後手の駒組に多少の差異はありますが、ここから▲45歩と仕掛ける手が狙いです。

また、仕掛けを見送って居飛車は金無双に発展させ、地下鉄飛車で9筋を狙う指し方も存在します。

 

かくいう私も『へなちょこ急戦』には苦戦しており、今や三間飛車党の重要局面のひとつと考えても差し支えないのではないでしょうか。

 

これまで持久戦対策で真部流の勉強を主に進めてきましたため、『へなちょこ急戦』対策はノーマークでした。

ただ真部流も一段落つけそうな習熟度に達したかと思うので、今後はこちらも優先度を上げて対策していこうと思います。

 

もし有力な指し方がありましたら、どこかに記事にできたらと思います。