鮨とワインの相性⑵
-鉄分の少ないワインの見つけ方-
前回のおさらいです。
ワインには、必ず鉄分が含まれています。そのワインの鉄分と、鮨の素材が持っている鉄分と亜鉛と酸化した脂質が反応して、生臭くなります。
生臭くなるイコール、相性が悪いと捉えます。
生臭くならない為には、鉄分の含有量の少ないワインを合わせなければならないのです。
さて今回は、鉄分の含有量の少ないワインをどう見つけるかをお話したいと思います。
メルシャンの研究結果によると、ワインの鉄分の要因は、3つあると言われています。ひとつ目は、土壌からブドウの木が吸収して、ブドウに蓄積するというものです。ふたつ目は、農薬に鉄分が含まれていて、農薬を使用する事により鉄分を吸収するということです。そして三つ目は、醸造過程で、ポンプ、配管、タンク、樽から溶出するというものです。私が醸造家の方に聞いた話ですが、古い設備ほど、鉄分の溶出が多くなるそうです。
ワインの鉄分の要因は、わかりましたが、ワインのラベルに鉄分の含有量が書いてある訳ではありません。
ワインのメーカーや、醸造家の方に鉄分が多いですかと聞いても、わかる訳でもありません。
ではどうしたら、ワインの鉄分の含有量がわかるかと言ったら、生臭くなる素材とワインを食べ合わせる事でわかるのです。この事を官能評価と言います。
私は、鉄分と亜鉛の含有量が多い素材を探しました。前回上げた素材もそれぞれそうですが、通年通して状態が安定していて、簡単に手に入る物、それが、煮干しでした。
煮干しは、カタクチイワシを干した物。鉄分の含有量は、カツオの約9.5倍、亜鉛の含有量は、数の子の約5.5倍となっています。そして酸化した脂質も持っています。
ワインと煮干しを食べ合わせ、生臭くなるか、ならないかを官能評価します。
生臭くなれば、ワインの鉄分の含有量が多いと判断します。生臭くならないようであれば、含有量が少ないと判断します。そのようにして、鉄分の含有量の少ないワインを見つけ出しました。そして、鮨と合わせてみる、その実験に近い事を実施して、鮨とワインの相性を探って来ました。
次回は、鉄分の含有量の少ないワインを紹介したいと思います。
日本橋 鰤門 大江




