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今日のテーマは「四日市市指定 無形民俗文化財 「南楠鯨船まつり」」
捕鯨の歴史は古く、最古となると少なくとも縄文時代にまでさかのぼるとされます。
このような長い歴史から捕鯨そのものが文化として発展し、各地では捕鯨や鯨にまつわる信仰のほか大漁や豊漁を願う祭事が伝承されています。
三重県では伊勢湾から熊野灘にかけて、複数の捕鯨行事が伝承。
その中の、北勢地方で受け継がれてきた陸上模擬捕鯨行事の一つ「南楠鯨船まつり」を取り上げます。
「南楠鯨船まつり」とは、江戸時代末期から四日市市楠町南五味塚地区で続く伝統祭礼行事で、毎年体育の日の直前の土日の2日間、南御見束神社の氏子代表の各先で「鯨突き」を行います。
鯨船とは陸上で行う模擬捕鯨行事で、山車となる鯨船「龍神丸」が鯨たちを追いかけ、船上の踊り子が鯨めがけて槍を放つ勇壮な祭り。
龍神丸は全長8.5メートル、高さ3.8メートル、重さ1.7トンの木製台船で、小学5・6年生が務める踊り子2名、幼稚園児・保育園児が務める櫓こぎ4名、太鼓叩き1名が乗船します。
鯨は組んだ竹に網を被せて作った張り子で、親鯨が6メートル、子鯨が4~5メートルの大きさ。
鯨は全部で9杯、内訳は親鯨2杯(雄、雌) と子鯨が7杯。
鯨を被る人や船を動かす人、歌を歌う人など全部で250名が携わります。
ぼん天(金糸で「龍神丸」と刺繍した赤い幟)が練り先に到着。
そこに船が到着し、鯨を探し、船が鯨に近づき戦いが始まります。
その後鯨の反撃に合い、船を後退させ、再び鯨を攻撃するものの、鯨が暴れて大波を起こし、船が大きく左右に振られます。
それでも、鯨を追い込み、最後は踊り子が槍を放って鯨を仕留めます。
この鯨突きの各場面では、唄や掛け声、太鼓、船の半回転などが繰り広げられ、洗練された演技構成となっています。
特に鯨との戦いが始まる時の掛け声「サーサーヨー ヨーシタ ヨシタ ヨシタ」は〝これぞ鯨船だ"と感じるフレーズ。
陸上での鯨船行事は全国でも三重県北勢地区にのみ伝えられているもの。
四日市市では南楠以外に、富田、南納屋、磯津、鈴鹿市では北長太の五つがあります。
なお、富田の鳥出神社の鯨船行事は「ユネスコ無形文化遺産」に登録されています。
それぞれ、開催時期や歌などに違いがありますが、昨年8月に開催された「大四日市まつり」の一企画として、四日市市内の鯨船が一堂に集結しました。
文化財の鯨突き。
これから知名度が上がってきそうです。
ほはば飯塚