昨日、帰りの電車の中で見かけたある中学受験塾の広告
ある中学校の受験問題を掲載してあったのだが…
「男性の育児休業取得率が上昇すれば出生率が上がるという主張を支持するか、しないか。その理由を述べよ…」
これが中学受験の問題?
中学受験だから受験者はまだ小学生。
小学生にこんなことを聞くのか…
正直、驚いた。
そして、正解と出題意図が気になったので、日能研のサイトを見た。
なるほど…
もっともらしいことが書いてある。
しかし、これでふるいにかけられる子どもたちが可哀想な気がした…
日本の出生率低下は大きな問題であるから、それに対する問題意識を持たせることは大切であることは間違いない。
しかしながら、それは教育の現場で時間をかけて丁寧に行うことである。
それを試験にするというのはどうなのだろうか?
まして、こうして模範解答まで出回る世の中だ。
こう書いておけばいい。
それは本心とは違う答えであり、これによって生まれる答えと行動の乖離はとても恐ろしさを感じる。
さらにいえば、出生率やジェンダーなど答えが明確に出ない(大人ですら答えを出せない)ことを限られた時間内で答えさせる。
そんな能力は社会人ならともかく中学校教育には必要ないのではないだろうか。
学校がそういった問題意識を持った子どもに入学してほしいという気持ちはわかる。
そして、私立の学校であるから、イデオロギーがはっきりしていてもいいと思う。
それならば、支持するだけを正解にすればいい。
しかしながら模範解答には、支持しないと書いてもその理由が妥当であれば正解とするとあった。
果たして、この学校にダイバーシティに対する対応能力があるのだろうか。
(どれだけ入学後にこういった問題を一緒に考える時間を取っているのか)
その自覚がないのにもかかわらず、こうした出題をしているのであれば、あまりにも無責任だと言わざる負えない。
一昨日、旭川での女子中学生凍死事件(あえて事件と書きます)が一区切りつきました。
これについては別記事で書きたいと思うが、どこか問題の本質が同じところにあるような気がした。