禅タロット小アルカナ考察:雲の9・SORROW | 穂積の覚書

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悲しさを受け止める

 

雲の9です。

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老僧が一人嘆き悲しんでいます。赤い服と、背後には扉の隙間から星空。
カード名は「SORROW(嘆き)」。

カードについてくる解説本によると、この人は仏陀の弟子の阿難さんだそうで。
これまた出てくると「悲しいの嫌だ」って敬遠されるカードですね。



釈迦入滅を嘆き悲しむ阿難さん。

禅と言うと、心を穏やかに、感情を荒げてはいけない……みたいなイメージがありますが、

禅タロットはどちらかというと、抑えこむのは不自然というメッセージが多いですね。


喜ぶときは喜ぶ、楽しむ時は楽しむ、

そして悲しむ時は悲しむ。


共通するのは、それをそのまま表に出すというよりは、

自分の中でじっくり味わうこと。

そしてそれをそのまま受け入れること。


悲しい時に、めそめそするな、とか言われて傷ついたり、

心配をかけまいと嘘をついて笑って笑顔が引きつったり、

感情は、否定すると余計に暴れまわります。


ではこのまま感情に振り回され続けるのかというと、そうでもなく、


ああ、私は今嬉しいと感じている

ああ、私は今悲しいと感じている


と受け止める。

そこに善悪はなく、ただ受け止めるだけです。

それは嘘でも演技でも打算でもなく、あなたの自然な感情だからです。


そしてこのカードはその先を示唆しています。


悲しむ阿難さんは、赤い服をまとっています。

これは何事かを為そうとする意志であり、またあるがままの裸にはなれないことの象徴です。

背後には星空があり、これは雲のエース、巨大な仏陀の背後の星空によく似ています。


阿難さんは、この悲しみを経て悟りに至ります。

恐らくその時には、この赤い衣は脱いだでしょう。


悲しいのは嫌だ……と逃げたり否定するのではなく、

悲しくなんかない、と強がるのではなく、

目をそむけたくなるような悲しみをそのまま受け止める。

それは勇気と信じる強さが必要なことです。


しっかり向き合った先に救いがある。

受け止めた先で、より自分らしくいられる。


まだ、この感情の中をさまよい続けるかもしれない。


それでも光はある、と信じることが出来たなら、
雲の旅は次のステージへ向かいます。
 

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2011年に書いていた禅タロット考察の記事を、完全リライトして再開します。

諸々はのちほど整えますので、ぼちぼちご覧いただきたく。

更新は火・金。最近寝るまで曜日が変わらないと思い気味です。

 

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