禅タロット小アルカナ考察:雲の10・REBIRTH | 穂積の覚書

穂積の覚書

ブログの説明を入力します。

精神の三つの変化

 

雲の10です。

68

一番下は雲に囲まれたらくだ。そこから現れるライオン。そして光に包まれて笛を吹く子供。
カード名は「REBIRTH(再誕生)」。


雲のスートの中では明るい絵柄ですね。
でもどういうカードなのか分かりやすいかと言うと、分かりにくくはある。



このカードがニーチェの「ツァラトストラかく語りき」に基づいているということで、
読んでみたくなるじゃないですか。

このラクダとライオンと子供の話は、割と早めに出て来ます。

重荷を負うラクダ。
反逆し吼えるライオン。
すべてを肯定する子供。

精神はこのように変化していくというお話。


ラクダは自己満足、無自覚、愚かさの象徴です。

何かよく分からないけど、偉い人の言うことを聞いてたらそれでいいんだ。

何も考えずに命令に従っていれば、何も問題ない。

Noなんて言えない、Yesだけ言っておけば角が立たない。


このラクダは賢く楽をしているようでいて、雲の中で何も見えなくなっています。

これが第一の精神。


そこからハッと目覚めて、ライオンが出て来ます。

ライオンは個であることの象徴です。

何もかも誰かに決められるのは終わりだ、これからは自分ですべて決める。

自分は自分だ、自分は誰かに左右されるものではない。

これまでYesを言ってきたが、これからはNoを突き付ける。


従順で何も考えないラクダは消えて、
自分で考え、自分で決め、Noを持ったライオンはこうして吼えます。


大体の人は、このどちらかです。


たくさんの重荷を持って先の見えない中を黙々と行く人。

そこから何かに気づいて、

これまで従順に従っていた親、会社、所属する何かに反抗していく人。


そこから更に目を覚ました時、子供のようになります。


子供はYesしか言えないからYesを言うのではなく、
誇りをNoに乗せるのではなく、

無垢で、無邪気で、かつ自分という個をもち、
盲目的な従順さではなく、荒々しい反逆でもなく、
信頼をもってYesと言える子供。


この子供の状態は最終段階なので、
今すぐこうでなければならない、というものではありません。

けれど、ここに向かって精神は進化してゆく、ということです。


ウェイト版のタロットは、倒れた人に10本の剣が突き刺さっているという
結構悲惨な絵柄ですが、

禅タロット「REBIRTH」も結局は一度死んでもう一度誕生する、の意味合いです。

ラクダがライオンのようにNoを言うのは怖い。

ライオンが反逆の牙を捨てて無邪気な子供のように振舞うのも、怖いでしょう。


それでも、自分の理性、精神、心を信じぬくなら、

かつての愚かな自分は一度死ぬ。


それは誰に強制されるでもなく、自分の内側で進んでゆきます。
 

ーーーーーー

 

2011年に書いていた禅タロット考察の記事を、完全リライトして再開します。

諸々はのちほど整えますので、ぼちぼちご覧いただきたく。

更新は火・金。最近寝るまで曜日が変わらないと思い気味です。

 

いいねや楽しんでいただいているコメント等、励みになります!

ありがとうございます😊