黒幕人格 「うる」 |  虐待後遺症を生きる

 虐待後遺症を生きる

   
   母親からの虐待を生き抜いた娘
   虐待後遺症をどう生きていくのか
   娘とオヤジのリアル奮闘記です。

 

黒幕人格

「 うる 」

 

人格たちが言うにはこの子こそが人格たちの中の

 

「核」であると。

 

人格たちはぞれぞれが担当する感情を

個別に担うのだけど

 

苦しさ、寂しさ、悲しさ、怒り、

生まれてから今までの

膨大な負の感情すべてを内包している。

 

まさに「核爆弾」のような人格なのだという。

 

娘の人格と表裏一体であって

過去のすべての負の記憶を担ってる子。

 

 

解離性同一性障害のことを調べると

「黒幕さん」という記述がよく出てくる。

 

攻撃性、破壊性を伴う人格であり

その背後には悲しみや恨みの感情が隠されている。

 

そしてこの「黒幕さん」と

いかに付き合うかがとても重要なことであると。

 

そしてまた

この黒幕さんはめったに出てこないし

話せる機会は極めて少ないのだと。

 

そしてこの黒幕さんこそ

 

「うる」

 

なのかもしれない。

 

先日の撮影の時に聞いた

「どうしてもっと早く出てこなかったの?」

 

ウルは

「出方がわからなかった。ずっといた。」

そう言って泣きじゃくった。

 

いろいろな文献や書籍を調べるうちに

なんとなくわかってきたことがあって

 

幼少期から圧倒的な力で抑圧、攻撃を受け続け、

どうあがいても勝ち目がないとわかったとき、

 

娘は攻撃者(母親)の行動や意図をくみ取り

自分の中に取り入れ、自分と同一化することで

怖い存在であることをなくそうとしたらしいのです。

 

これを「攻撃者との同一化」と言います。

 

つまりは自分の中に加害者の毒を取り込むことによって

常時その毒に身体を慣れさせ、精神の被害を最小限に

抑えようとする防衛策であるらしいのです。

 

しかしそのことは

 

「加害者は常に私を攻撃する。」

 

という行動パターンを自らに取り入れることに他ならず

そのことが自らを攻撃する希死念慮(自傷行為、自殺未遂)

となるらしいのです。

 

そうやって黒幕さんは生まれてくるのだと。

 

 

なぜ「解離性同一性障害」というのか

おぼろげながらわかってきた気がします。

 

解離性はわかる。

 

じゃあ、同一性って? 

 

ずっと思ってきました。

 

他人の感情を自分に取り込んで

他人の感情で自分を傷つけること。

 

他人との同一化が生じること自体が

障害ということなんだなあ。

 

それほどの力で押さえつけられて

娘はそれでも耐えて耐えて生きてきたんだな。

 

 

今のところ

「うる」自身に攻撃性があるとは思えないのですが、

 

人格たちは

 

「あの子が『いる』を生み出したこと自体

凄く苦しんでるわけだから

かなり危ない状況かもしれない。

 

メルトダウンしたら主人格も危ない。

だから、全力で彼女を守る。」

 

昨日娘に聞いたら

人格たちはそう言っていると。

 

 

いずれにせよ早急に

「うる」と話すべく

体制を整えないといけない。