服飾史の中の"Sexy Lingerie"と”Bikini”の起源と色彩効果 | Kunstmarkt von Heinrich Gustav  

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ドイツの首都Berlin、Brandenburg州及び比叡山延暦寺、徳島県鳴門市の公認の芸術家(画家) Heinrich Gustav(奥山実秋)の書き記した論文、随筆、格言集。

ビキニ今回は服飾の歴史の中の"Sexy Lingerie"及び”Bikini”の起源について書き記す。
日本で「セクシーランジェリー」の名称で通っている此の種の下着の事を、英語圏では“Erotic Lingerie”とも表現する。

一般人の殆ど全ての人が「こんな下着は20世紀後半の産物だ。

」と思われているかも知れない。
しかし実は紀元前の「古代エジプト」と「古代インド」では既に"Sexy Lingerie"に相当する衣装が日常で着用されていたのである。

然も其れは「下着」と云う概念ではなく、当時の“Fashion“(ファッション)の一環としての装いだった様である。

言うまでも無くエジプトやインドは温暖地域に属する「常夏の国」であるが故、一年を通じて殆ど裸で生活しても健康上の問題は無かった。
日本や中国では古来より肉体を衣服で覆い隠す文化であったのに対し、古代インド、エジプト、ギリシャ、ローマ等の温暖地域の古代文明では、寧ろ「肉体美」に人間の優越性を追求し、其れを誇示する文化であった。

フランスParisのMusée du Louvre、ドイツBerlinのÄgyptisches Museum(上)、そしてオーストリアWienのKunsthistorisches Museum(下)等、ヨーロッパの主要美術館で、余が直接古代エジプトの出土品群に属する彩色された彫刻、レリーフ等を見ても、当時の衣装は腰簑(スカートの様な衣類)か、体の外線がくっきり出る程薄い物であったのが認識出来た。
又はイギリスのテレビ局BBCの衣装担当チーフ・デザイナーのJohn Peacock氏の著書 "The Chronicle of Western Costume"の中で、古代エジプトの衣装の再現図を見ても、体が透けて見える現代のシースルーの様な薄い衣服が殆どで、それどころか王侯貴族の若い女性に至っては乳房を露わにしていた様である。

日本で原始仏教学と古代インドの考古学の権威であり、文化勲章叙勲者でもある中村元先生の著書「古代インド」や「原始仏教・その思想と生活」の中にも、当時彼らは衣服を殆ど持っていなかったと云う事が記述されている。

古代インドでは古代エジプトより更に露出度が高く、王侯貴族の若い女性でも腰簑か褌の様な衣類と宝石、貴金属で作った耳飾り、首飾り、腕輪、足輪、等の装身具だけ身につけて、殆ど裸の出で立ちだった様である。

「肉体美」を誇示する文化であるだけに、古代インドでは当時から日常生活に於いて"Yoga"の体操や薬草の食事を採り入れて、美しい体形を維持する事に専念していたらしい。

当時の証拠として、インドのMathura, Ahicchatora, Pauni, SanchiやスリランカのSigiriya等で発見されている原始仏教の彫刻、レリーフ、壁画には、当時の風俗や服装が正確に表現されている。


これ等の古代文明の”Erotismus"(性的魅力)を含んだ服飾文化は、ヨーロッパで1430年頃に始まった”Renaissance”(文芸復興)から現在に至るまで白人社会にある程度受け継がれ、

長い時代を経て遂には"Sexy Lingerie"のデザインへと進化したと考えられる。
 

ビキニ更にSexy Lingerieに類似した”Bikini”(ビキニ)についても言及するのだが、此の大胆な水着は1946年7月1日のアメリカ軍によるBikini環礁に於ける水素爆弾の実験から4日後の7月5日に、ファッションデザイナーJacques Heimと自動車技師Louis Réardによってフランスで発表された。

其の露出度の高い最新の水着が、水爆の様な衝撃を世間に与えた事から、此の環礁の名が付けられた。

しかし、古代ローマ帝国の服飾文化の歴史を調べてみると、何と紀元前500年頃には、女性の踊り子達が革製のBikiniそっくりの衣装を身に着けて踊っていたのである。

此の情景がイタリアのSicilia島にある”Villa romana del Casale”のモザイク画に描かれている。

 

セーターイギリスの服飾史家James Lavorが其の著書“Taste and Fashion”(1937年)の中で、服装の流行の変遷について以下の法則を提唱している。   

 流行の10年前:indecent(下品)      

流行の5年前:shameless(恥知らず)                                      

流行の1年前:daring(大胆な)      

流行の年:smart(格好良い) 

流行の1年後:dowdy(みすぼらしい)   

流行の10年後:hideous(醜い)   

流行の20年後:ridiculous(滑稽な)    

流行の30年後:amusing(面白い)     

流行の50年後:quaint(古風で趣のある) 

流行の70年後:charming(魅力的な)     

流行の100年後:romantic(ロマンチックな)  

流行の150年後:beautiful(美しい)    

   

                          

ビキニSexy LingerieもBikiniも共に年代が進むに連れてデザインも次第に大胆なまでに露出度が高まり、遂には”G-string”や"Micro Bikini"にまで進化して、愛好家達に認められている。                   詰まり両方共、此の「Lavorの法則」に該当すると言える。                              これ等の欧米諸国(白人)の「肉体美」を誇示するファッション感覚は、古来より「慎み」や「廉恥」を美徳として来た日本人には長い間受け入れ難かったかも知れないが、現在では「肉体美」を見せつける文化は日本でも一般的に認められて来ている様である。

言うまでも無い事だが、人間は地球上で唯一、衣服や装飾品を身に着ける生物である。          

故に人間の生活文化の中でのみ多種多様な衣服、装飾品が 

“Fashion“として長い歴史を通じて発明、発展して行った。  

心理学的に観察しても、衣服や装飾品はこれ等を身に着ける人の

“Persönlichkeit“(人格、人間性)を象徴する品物であると言っても良い程である。   

 

セーター心理学者で千葉大学教授の多湖輝先生は其の著書「深層心理術」の中で、「人間は、裸、つまり本当の自分を隠すために衣服を着ているつもりである。 しかし実は何かを着るという事で、逆に自分をさらけ出す事になっているのである。 と言うのは、その人が自分で選んで身につけた衣服は、裸の肉体からはうかがい知る事が出来ない、その人の心の内側を表現しているからである。」と書き記されている。    

更に多湖先生は同著書の中で、以下の様な「服装による深層心理術の実用例」を挙げている。    

*社会通念に反した服装をする人は、強烈な優越感を持っている。 

*極端に派手な服装をしている人は、自己顕示欲・金銭欲が強く、ヒステリー性格である。     

*地味な服装の人は、体制順応型で主体性に乏しい。  

*自分の嗜好と関わりなく、ひたすら流行を追う人は、自信・個性が無く、孤独感・空虚感がある。     

*流行に全く無頓着な人は、個性は強いが、協調性に乏しい。   

*会う度に服装の好みが変わっている人は、情緒不安定で、現実逃避の願望が強い。                  

*服装の好みが突然変わるのは、心境の変化もしくは新しい決意を抱いている場合が多い。

 

ビキニ其れとは逆にある特別な衣服や装飾品が、身に着ける人の “Persönlichkeit“(人格、人間性)に著しい影響を及ぼす事もある。 

かのフランスの皇帝にまで上り詰めたNapoleonは「人は其の制服通りの人間になる。」とも言っている位である。     

例えば、戦爭中では社会にいる時は虫も殺せない程気の優しい男が一度(ひとたび)()軍服を着て戦場に赴くと、平気で破壊や殺戮をやってのける様になるし、又、平和な時代では肉体は豊満だが恥ずかしがりの女子が、一度(ひとたび)グラビアアイドルとしてBikiniを着て撮影をする様になると、自分の肉体に自信を持って誇示する様にまでなる、と言った具合である。 

Sexy LingerieやBikiniについて更に心理分析すると、これ等を好んで身に着ける人とは、衣服による制限から自分を解放して自由奔放に振る舞いたいと云う欲求、そして殆ど裸に近い姿で異性を魅惑したいと云う目的がある以外に、自分の裸体に見惚れる様な相当にNarzissmus(自己愛)の強い性格である。

又は場合によっては「性的欲求不満」を満たす為にこれ等を着用しているとも推測出来るのである。  

 

ビキニカタログ等でSexy LingerieやBikiniのモデルになっている人を観察すると、これ等の似合う人にはどの様な特徴があるかは一目瞭然である。
先ず男女共に美しい顔である事、そして女は豊満(特に胸や臀部に肉付きの良い)、男は筋肉質な体形である事、其の上肌が綺麗である事である。                                 

詰まりこれ等は、並外れて性的魅力に溢れる容姿の美しい人でなければ着こなせないとも言える。   

余の個人的な美学理論の上では、「真に容姿の美しい人間とは、衣服、装飾品、化粧、等の助けを借りずとも、素顔、素裸の状態で美しい者である。」と断言出来るのである!              

医学的な観点からも人間の容姿には大きな「個人差」があり、生まれつき顔の美しい人、筋肉質な体格の男や豊満な体格の女がいるが、こう言った人達は正に「天性の美」に恵まれていると言える。     

しかしながら人間の肉体とは、だらしない怠惰な日常生活を送っていたり、不摂生、不養生を続けていては、(おの)()から不細工、不健康になるのは必然である。                          

だからこそ、たとえ生まれつき容姿の美しい人でも、油断していると容姿どころか健康まで損なう事にもなりかねないので、日頃からの健康管理は生まれながらにして義務付けられている、と言っても過言ではない。                    

 

カラーパレット万物には多種多様な色がある様に、Sexy Lingerie並びにBikiniにも様々な色がある故、各色が象徴する抽象的意味、並びに人間に与える感情及び生理作用について以下の通り書き記す。

:≪情熱、愛情、積極性、自信、活動、正義感≫ 

活性化、精神的刺激作用が強いので、脈拍を増加させ、興奮させるので衝動性、創造性、攻撃性を増進する。 憂鬱な気持ちを高揚させる効果や、男性生殖腺を刺激する効果がある。

:≪明朗、快活、社交性、賑い、精力、多弁≫ 

情緒的刺激色で、脈拍を僅かに増加させ、活力と注意力を与えるが、過度の刺激は返って不安を招く。

:≪希望、健康、自由、開放感、楽観性、変動性≫ 

気分転換をしたり、浮ついた気分を引き締める効果があるが、

長時間の使用は疲労を招く。

:≪安心、安定、慰安、均整、平和、爽快感≫ 

精神系統に作用して、鎮静、睡眠、鎮痛の効果を与える。 

緊張を解いて、血圧を下げたり、神経痛や頭痛を緩和する。 

更には目の健康にも良い。

:≪理性、冷静、沈着、几帳面、謙虚、受動性≫ 

動脈を収縮させ、血圧を高める。 又、化膿、冷え性、リューマチ、癌腫瘍の悪化をも防ぐが、過度の使用は倦怠、憂鬱を引き起こす。

 

:≪芸術性、神秘性、創造性、感受性、高貴、優美≫ 

心臓、肺、血管に作用して、組織の抵抗力を増進する。 

又、女性生殖腺を刺激する効果がある。

 

:≪現実性、保守性、堅実、自己満足、信頼、責任感≫ 

自分自身や其の環境や状況を変えたくないと云う保守的な考えを持つ人が好んで使う色。 精神的に円熟させる作用がある。 
 

ピンク:≪幸福、愛、温和、可憐、処女性、柔軟性≫ 

興奮や激情を癒し和らげ、安楽感や幸福感を与える効果があるが、場合によっては筋肉に脱力作用をもたらす事もある。

 

白:≪潔白、誠実、清楚、清潔、純粋、神聖≫ 

感性、直感を活性化する作用があるが、反面論理的思考力を鈍化させる。 禅や瞑想に於ける「無我」「無心」の境地を表す色でもある。

 

グレー≪真面目、勤勉、遠慮、節制、従順≫ 

問題や迷いがある時、精神的な落ち着きをもたらす効果があるが、無個性、無情、無関心と見受けられる事がある。


:≪重厚、荘厳、陰気、悪心、反抗性、不満≫ 

精神を落ち着かせ、引き締める効果があるが、其れに対し気分を暗鬱にしたり、他人との意思の伝達を阻害する効果もある。

 

赤、朱、橙、黄、等の色を「暖色」又は「進出色」と名付け、青、藍、紺、等を「寒色」又は「後退色」と名付ける。
緑、紫、等は「中間色」、白、黒は「無彩色」と名付ける。
性別で統計を取って見ると、比較的には男性が「寒色」を好む傾向が強く、女性が「暖色」を好む傾向が強い。
又、地理的に統計を取って見ると、温暖地域の人が「寒色」を好む傾向が強く、寒冷地域の人が「暖色」を好む傾向が強い。

 

ビキニP.S: 本日、2021年7月5日でBikiniが発表されて75周年となる。

余は個人的に此の水着は服飾史に於ける素晴らしき発明であると思っている。

個人的な事を書くと、余はどうしようもない”Narzisst”(自惚れ屋)で、自分の彫の深い端正な美人顔や長年ウェイトトレーニングで鍛え上げた超筋肉質の裸体に毎日見惚ているのである。                   参考に我がスリーサイズはB:105、W:68、H:93(cm)、身長:173cm、上腕周り:37cmを維持している。                                    そして毛髪が(推定で)約15万本と同世代の女性より本数が多く、子供の頃より女性的な髪型をしているが、其の反面、体毛は極めて少ない。                                          上記の通りバストが105cm(Cカップ)、一方ウエストは68cmなので、両サイズの差は37cmもあり、肌は女性の様に肌理(きめ)()細やかで滑らかな所謂「餅肌」なのである。                                    詰まり前記のSexy LingerieやBikiniのモデルになっている人の条件を全て満たしているのである。                          そして余は幼少の頃より「」と云う色に異常な愛着があって、少年時代よりい服ばかり着ているだけでなく、家の外装、室内の調度品、生活道具、乗り物に至るまで全てないしは系の色で揃えている有様である。                              此の際白状するのだが、其れ故に余自らが”Sexy Lingerie”のコレクターで此の色を中心に集めている。

 

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