最近、月に1回しか更新しなくなってしまった「ほびでご」です。
毎回、備忘録のつもりで書いているのですが、ここのところ
なんかモチベーションが上がらず・・・筆不精です(汗)
それはさておき、今回は「玉問題」です。
昨年より始めた、前装銃(火縄銃)の標的射撃ですが、
案の定、玉問題に直面しております・・・
そもそも、火縄銃(前装銃)は1867年以前の銃なので
全国各地(堺筒や国友筒、仙台筒やら薩摩筒など
さまざまな生産場所・・・)で作られていますので、
現代日本のような共通規格は存在しません。
そんな状況ですから「細筒」「中筒」「大筒」
などのおおまかな区分はありますが、口径については
バラバラです。
それも5mm単位、10mm単位での話でなく1mm単位で
いろんな口径が存在するのですから、さあ大変!!
・・・といっても、現代銃のような弾を回転させる
ライフリング(銃身内の溝)があるわけでもなく、
いわゆる現代の散弾銃と同じく滑腔銃身
(スムースボア)なので、おおむね玉の大きさが
口径に近ければ使用は可能です。
ただ、これも難しい問題で、口径とほぼジャストサイズ
だと5~6発は発砲可能ですが、それ以上になると
黒色火薬の強烈な汚れにより、ほぼ確実に装填不能に
陥ります(汗)
戦国時代では、これに対処するため「劣玉」という少し
小さめな玉を用意し、銃身内が汚れたら少しづつ玉径
を小さくして撃っていたそうですが・・・
・・・私自身まだ初心者なので、なんとも言えませんが、
口径に対して2~5mmくらい小さい玉にパッチ(丸く
切り抜いた薄い布)をあてて、装填するのが一般的
なようです。
んで、「玉問題」です。
前回動画にアップした堺筒の口径おおむね13.5mm。
以前、某無可動実銃屋からたまたま入手した
「玉鋳型」で鉛溶かして自作した玉の大きさが、
13.5mm
・・・ジャストサイズです(笑)
・・・ぴったりすぎてパッチは使えません。
おかげで、6発目くらいから装填が極めて困難になって
きますが、1発撃つことに濡れたパッチを「さく杖」で
1回1回銃身に通して清掃したところおおむね
20発くらいは撃てました・・・が、非常に面倒です(笑)
多分13.0mmくらいがいいのかな?と思って、
いろいろと玉鋳型がないか探してみるも、全く
ありません。
・・・これは困った!
・・・ということで
仕方ないので、玉鋳型の簡単な図面を書いて、
RC仲間で金属加工の仕事をされているSさんに、
アルミ削り出しの玉鋳型をワンオフ製作して
いただきました!(笑) 欽ちゃんありがとう!!
・・・これで今使っている堺筒の「玉問題」は解決!
なんですが、今度は鉛を溶かす手段として
ホームセンターで買ったカセットコンロのパワーが
足りず、鉛が溶けたと思ったら、固まってくるなど
火力が安定せず、とにかく使いづらい・・・
もうこうなったらもう、アマゾンなどで販売している
「鉛溶解ポッド」を買うしかないかな?と思っています・・・
そんなわけで、前装銃(火縄銃)の実弾射撃の難しさは
まず、撃てる(銃身内が極めてきれいなもの)を探すのも
結構大変ですが、実はそれよりも玉を用意することが
極めて難しいという事実を最近は痛感しています(汗)
ただこれもよく考えてみれば、反則技のような手段が
ないわけでもありません。(汗)
その方法は「実弾発射が可能な細筒」を入手すること!!
口径はおおむね10mm以下の火縄銃です。
このような細筒が入手できれば、あとはアマゾンなどで
販売している鉛玉(6mm、8mm、8.5mm、9mm、10mm
くらいの区分であります)をただ買うだけ(笑)
アンビリーバボー!
なんてお手軽なんでしょう(笑)
本当は精度を追求するためには1mm単位で調整したい
ところですが、まあ自分程度の腕だったら変わらない
かな・・・と。(大笑)
真球度もどうだかわかりませんが・・・
微細な調整はパッチで調整すればいいと思いますが、
なぜか11mm以上の鉛玉を販売しているところを
見たことがないんですねぇ・・・
そんな横着を考えて、火縄銃の師匠であるH氏に
「細筒」欲しいなぁ~と昨年末から相談していたところ
日本前装銃射撃連盟のメンバーで近年他界された方の
遺品36丁を引き取ってきたとのこと・・・
写真は一部ですが、すごい迫力です!
引き取ってきたと軽く仰っていましたが、それ相応の金額だった
のでは・・・(汗)
さすがはH師匠です!
銃の程度はさまざまなようでしたが、日本前装銃射撃連盟
会員の方だったので、発射可能(射撃連盟の銃検査に合格)
した銃も多数あり・・・
H師匠から、細筒で推奨の銃をご紹介いただき、格安にて
お譲りいただきました!
火縄銃2丁目は「日野筒」です。
口径はほぼ10mm。
銘文は「二重巻張江州日野和田太一郎重正」
本当は別の無名の銃をお勧めいただいたのですが、「状態が
良ければ無名でいいと言っていたので・・・」実際に現物を
見たらこちらに惹かれてしまいました!
火ばさみなどが竹を模した節加工がほどこされているなど
相当手の込んだ造りとなっています。
銃身には象嵌が施されています。
さらに肝心の銃身内の状態ですが、まさに鏡面です。
これは現代の火縄銃界の名工(今はもう引退されている)と
呼ばれているM様の仕上げが施されているとのこと。
仮に某無可動実銃屋さんに出れば多分相当な額になるで
あろうと思いますが、お仲間価格ということで、破格値で
お譲りいただけたのが超ラッキーでした!
・・・これで、アマゾンの10mm玉が撃てるぞ!
と思う反面、なんだかもったいないような・・・
木目も虎模様みたいで、美しいです。
・・・と、こんな感じで、本格的な標的射撃用に1丁お譲り
いただいたのですが・・・
お値段が本当に安いのでつい・・・
管打ち式のゲベール銃と・・・
管打ち式の短筒も、譲っていただいちゃいました!
・・・はぁ~いくら、破格値とはいえ、流石に金欠です!!
管打ち式のゲベール銃は、戊辰戦争の頃に使われていた銃
ですね。
基本オランダ?の銃を模して日本国内で生産された銃になり
ます。
・・・写真の通り、とにかく長い銃です。
38式歩兵銃といい勝負(もっと長い?)ような気がしますが
実はこのゲベール銃から村田銃、30年式へと続いていった
のかもしれませんね。
ちなみに、銃身内は清掃したところかなり鏡面になりました。
日本前装銃射撃連盟の銃検査に合格して番号がある個体
ですので、射撃大会(ベッテリー競技)で、実弾射撃が可能な
ものになります。
もう1丁の管打ち式短筒。
こちらも日本前装銃射撃連盟の銃検査に通っている銃で
番号取得済。
射撃大会(短筒?もしくはベッテリー競技)で撃てるの
でしょうか?
・・・はてさて、それは分かりませんが、こちらも銃身内は
錆などなくピカピカでした!
・・・いやぁ~・・・古式銃って面白いですね!
そういえば、先日他界された「松本零士」氏も、古式銃
コレクターで、生前は100丁以上所持していたそうですが、
果たしてそれらの行方はどうなるのでしょうか?
「松本零士」ミュージアムみたいなところでも出来て、そこで
展示でもするのかなぁ?
コルトのリボルバーなんかも絶対に持っていらっしゃった
でしょうから、機会があれば是非とも見てみたいものですね!
さあ~て、日本伝統文化継承のため、射撃練習に励むと
しますか!!(笑)
↑ 虫食いの穴が2つ・・・時代を感じます(笑)