N14/N18・EP6プリンスエンジンの過大なオイル消費にケミカルで対処する | Ma vie en Citroen C5 et C6 ハイドロファン シトロエンC5とC6 との日々のブログ

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プジョー・シトロエン・DS用型式5F02(EP6DCT)1.6ターボ直噴エンジン156HP/115KWの通称プリンスエンジン(R56ミニN14/N18エンジン)には何度泣かされたことでしょう。本当に良いエンジンではあるのですが、日本の環境に合っていないのでしょうか。とにかくオイル漏れとカーボンの大量発生が色々なトラブルの元凶になっています。欧州のように高速走行が主体な環境なら、エンジンもしっかり冷却されてあまり高温にならず、カーボンもしっかり燃えて堆積することもないでしょう。このくそ暑いくせに渋滞しまくってゴーストップが多く、さらに低速走行がやたら多い、日本の特殊な道路環境がプリンスエンジンには合わないようです。12万kmを越えたあたりから、オイル上りが目立ち始めました。エンジンオイルを交換しても5,000kmいかないうちにオイルレベル警告灯が点灯する始末です。昨今では1,000km走行でオイルが1リットル減るという末期症状となりました。早速、シトロエン新潟でリアガラスフィルム張替のついでに診ていただきました。私は最初、バルブステムシール劣化によるオイル下がりを疑いました。私が大好きな同じ県内の三条市のCONSENSE MOTOR WERKEの諸橋さんの動画でもそのように判断されていました。

この動画の書き込みにバルブステムシールもピストンASSY交換をしてもこの過大なオイル消費が直らなかったという投稿がありました。本当に気の毒な話です。

さて、ディーラーの見解です。シトロエン新潟チーフメカのT氏の意見もネットの自動車整備士さんたちの所見も一致しているのですが、昨今の車の場合、オイル上りの原因はシリンダーの摩耗ではなく、ピストンリングの固着がほとんどとのことでした。また、低燃費エンジン車ではピストンリングの張力が低く、固着が進行しやすいとのこと。一旦、固着した汚れは簡単には取れず、ピストンリングを新品に交換した方が早いとのこと。また、ピストンリングの構成は上からトップリング・セカンドリング・オイルリングとなっていますが、色々と調べてみるとプリンスエンジンのオイルリングが2ピース構造で一般的なレール・スペーサー・レールからなる3ピース構造のオイルリングよりオイル消費が少ないと言われていますが…、同様の2ピースオイルリングを採用したトヨタのシエンタがオイル上がりが酷すぎてリコールになったのは有名な話です。やはり設計上の問題かという気がします。

この根本的な解決方法としてはメーカー純正の低張力・低フリクションの2ピース構造のオイルリングではなく、EP6エンジンのピストンを製造しているドイツのMAHLE(マーレ)社からアフターマーケット用に販売されているEP6エンジン用のフリクションは若干高いけれど張力も高い3ピース構造のオイルリングに交換することで完璧にオイル消費が改善されると聞きます。

 

(3ピース構造のオイルリングを出しているということはMAHLE社も純正オイルリングの問題に気付いているということか?)これらはeBayでピストンリングセットとして安く入手可能です。MAHLEの部品番号は「039 RS 10104 0N0」です。

さて、前述のようなピストンリングの交換が一番なのでしょうが、貧乏性なので、ケミカルでどこまで対応できるのか、前述のT氏のアドバイスを受けながら検証中です。

先ず、添加剤ですが、大きく分けて2種類あります。ピストンリング固着によりできた隙間を埋める「高粘度添加剤」とピストンリングについた汚れを溶解させる成分を含んだ「洗浄系添加剤」です。私は前者としてリスローンコンプレッションリペアを投入しました。ワコーズパワーシールドも有名ですが、そちらよりも粘度は高そうです。こちらの商品になります。

https://www.amazon.co.jp/リスローンコンプレッションリペア370ml

次に遅効性の洗浄成分を含んだ洗浄系の添加剤ですが、こちらはバーダルリングイーズプラスを投入予定です。こちらの商品になります。

https://www.amazon.co.jp/バーダルリングイーズプラス350ml

こちらにold-timer誌に掲載されたバーダルリングイーズプラスの記事があります。

http://bardahl-planning.com/download/ring_oldtimer.pdf

ただし、効果がある分、使用にはリスクもありそうです。

こちらのブログにもそのリスクが指摘されています。

旧車によくあることですが、汚れによるパッキン効果です。汚れも年数を経て立派にパーツの一部となって、今現在動いているのを強力な洗浄剤で汚れを落としてしまうとそこからオイル漏れや落ちたスラッジによる不具合が起きる場合が少なくないということです。なので、洗浄系の添加剤を使用する場合は整備士さんなどプロの方と相談しながら使用するもしくは汚れが溜まる前に定期的に使用するなどの工夫が必要だと思います。ATF交換と同じリスク回避の理屈です。「変えるなら定期的にこまめに、長期交換していないものは基本交換しない。」これが一番安全だと思います。

 追伸となりますが、2023年10月にオイル交換後すぐにバーダルリングイーズを投入し、2024年1月に約5000km走行後に次のオイル交換をするまで、オイル警告灯は一切点灯しませんでした。「効果あり」と認識しています。そこで、再度、投入し効果の検証を継続中です。

 

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