banbanさんのスクープ通り、一部の皆様にとって重要な発表を致します。それは、何を隠そう、あの「春夏自己管理」終了に関するご報告です。。
つまり、JASRACを退会して早3年が経過。自己管理の当初の目的も達成したので、「春一番」と「夏が来た!」の著作権管理をJASRACに戻すことに致しました。
それでも、ただJASRACに復帰するだけでは楽しくないし、後戻りは面白くない。
そこで、ここに一つの新しい試みを持ち込むことにしました。
それは、なんと、あのBMIへの加盟! BMIとは知っている人なら誰でも知っているアメリカの音楽著作権管理団体。そして、世界中の著作権管理団体は世界条約に基づいての相互の協定を締結しているので、BMIに加盟すると、日本での管理は自動的にJASRACになるのです。
「だったらJASRACでいいじゃん?」と言う避難の声が聞えた気がするので言い訳をすると、
これが性分、人間の性と言うものは抑えが効かない。
つまり、なにか新しい経験がしたいとの思いを抑えきれずにBMIを選択しました。
ちなみにASCAPも検討しましたが、ネット時代に最も重要なレスポンスが圧倒的にBMIが速かったので、その他の条件は無視してBMIに決定しだいです。
それで、驚いたことに、BMIもASCAPもすでに私のことを把握していて、さらに、すでにJASRACとの連携も円滑に進捗している模様です。さすがのJASRAC、さすがの国際条約ですね。
いずれにしましても、日本での管理をJASRACに戻した理由は次の通りです。
1、特に小さな放送局から、特に「春一番」をJASRACの包括管理に戻して欲しいとの希望が多くあった。
2、2曲以外のキャンディーズ作品を管理している渡辺音楽出版社から紳士的な要望があった。
3、アメリカで活動するためにはアメリカの著作権団体への加盟が有利であった。
そして、実際に自己管理をスタートしてみると、やはり著作権はJASRACによる一元管理が望ましいという意見が大勢を占めたからです。しかも1人の作曲家としては、昔も、自己管理中も、現在も、JASRACの紳士的で公正な対応および管理体制には何の不満もありません。
また、当初の目的であった次の役割が終了したことも大きな要因です。
4、「著作権」と「著作隣接権」の違いを広く社会に啓蒙する。
5、自己管理が著作権管理に及ぼす影響を実質的に調査する。
上記の4については、すでに自己管理のニュース価値は無くなっているので、これを目的として自己管理を継続する意味は消滅しています。また5については、自己管理中の3年間でいろいろの意見や反応を分析させていただき、お陰さまで予想以上の成果があったと喜んでおります。
キャンディーズファンの皆様から多くのご支援を頂いた他に、例えば、NHK放送協会とフジテレビには、自己管理の当初から積極的に協力して頂き、2放送局が「春一番」などの放送を大切に考えて頂いている姿勢を実感しました。
また、「春一番」のご使用を希望される放送関係、広告宣伝関係、映像制作関係、楽譜出版関係、そしてもちろんレコード会社の関係の各会社および団体の皆々様からお問い合せを頂いた中で、何故かソニー系列のレコード会社からは1度の問い合せもなく、キャンディーズを発売しているレコード会社なのに不思議だと今も感じています。まあ、ソニーですから、使うのを止めたか、もしくは自分の権利は声高に主張しながら、他人の権利は無視する体質なのだろうと推察しています。
また、カラオケ削除問題がクローズアップされたことも予想外でした。カラオケが苦手、と言うより歌唱が苦手(音痴につき)な私としては、この一件を通して、著作権問題で世の中が一番注目したのがカラオケであることを知り、世間が予想以上にカラオケ時代であることを再認識致しました。
もっとも、このカラオケ問題には誤解が多いので解説すると、これは第一興商による一方的な削除では無く、数回の交渉の結果において使用料の折り合いがつかずに、双方やむなく交渉を打ち切ったと言うのが真相です。したがって、JASRACに戻った今は、一定期間後のカラオケ復帰が予想されます。
いろいろ書くと切りがないので本日はこの辺に致しますが、
この問題で、皆様にご心配をお掛け致しましたことをお詫び申し上げますとともに、
自己管理期間中に頂いたご支援とご協力に心より感謝申し上げます。
自己管理は終了致しましてが、今後ともキャンディーズと「春一番」および「夏が来た!」に止まらず、
すべてのキャンディーズ楽曲をお楽しみ頂きますようお願い申し上げます。
などと改まっておりますが、皆様にそんなお願いは不要ですね。
はい、なにしろキャンディーズですから。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
穂口雄右