建築家長沼幸充ブログ -214ページ目

個性を生かしたデザインをする

ついさきほどNHKのプロフェッショナルを見ました。

毎回自分の知らないようなプロフェッショナルが出演するので、

つい見てしまいます(笑)。


今日は、装丁家の鈴木成一氏。

これまで手掛けた本を見ると、有名なものばかり。

まさか同じ人が、まったく違うデザインをしているとは。



鈴木氏の話した言葉で特に印象的だったのが、

「デザインの出発点は、本の内容しかない」

というもの。


「最近は何が売れているか」

「廻りに並ぶ本のデザインはどういったものか」

などという、周辺を調べ上げた上でデザインするのではなく、

本に書かれる内容を深く読み込んで、それを表現することに徹するとのこと。


これを聞いて、「自分の考える建築デザインに似ているな」と思いました。


つまり最近の流行のデザインや、建築家自身の好むものをデザインするのではなく、

建て主さんの思いや、敷地の持つポテンシャルを信じて、

それをより良く表現するために、建築家がサポートする。


このようにデザインの出発点を、本の内容であったり、

建て主さんであったりと、毎回異なるものにしていれば、

出来上がった本の装丁や建物はまったく違うものになるはずです。


まったく違う装丁を作っている鈴木氏の本を見て、

「いろいろと好きなデザインをしている」

と思っては間違いで、

「本の個性を素直に表現している」

のだと思います。



衣食住に関わる

昨日は、久々に大学の同級生何人かと会いました。

それぞれ建築関係に就職しています。


しかし建築関係といっても様々です。

建物の運営を企画する人、建物の施工をする人、建築設計をする人など。


人間が作るもので大きいものと言えば、建築や橋など土木ですが、

それだけいろいろなジャンルに人々が関わっています。


同じ建築といっても見方が違うところもありますが、

共通しているのは、衣食住という人間の基本的な生活に深く関わる仕事であるということ。


改めて感じた一日でした。



共に創るとは

基本設計が進んでくると、構造設計者との打合せが始まります。

ある程度、平面計画が固まった時点から、構造との打合せを始めたほうが、

どのようにしたいのかを構造に明確に示すことができます。



建築の構造設計といえば、1年半前に起こった耐震偽造問題で有名になりました。

建築に関わるものとして非常に驚き、

また改めて建物を扱うものの責任の重さを感じました。


この事件では構造設計の問題点がいろいろと出てきましたが、

ほとんどの構造設計者は責任感があり、また創造的な人です。


意匠設計を行う設計者から見て、いい構造設計者とは、

「柔軟な発想を持っていて、案を飛躍させる」人だと思います。


本当にいい構造設計者は、意匠設計よりも大胆な提案をすることも。

もちろん安全性を確保した上での話です。


こういった構造設計者と組んでプロジェクトを進めていくと、

まさにコラボレーションという感じになります。


一方がAと言えば、もう一方がそれを飛躍させてBという提案をする。

これを繰り返すことで、一人では出来ないデザインに到達します。


私が言っている「共に創る」とは、

クライアントと共に創るだけでなく、構造や工務店など施工関係者とも共に創ることです。


いいパートナーに出会うと、私自身もワクワクしてきます(笑)。