ファクト or フェイクという対立軸にも疑問が残る人も多いことでしょう。 | 「改善」と「改良」

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フリーランスです。コピーを書いたり、書籍をつくったり、いろいろとしています。

これは「ファクト」に対するカウンター番組

先週からずっと、上出遼平さんのAudibleオリジナルポッドキャスト番組「Uncover 新章 未解決事件現地調査」について考えていました。どうして、ポッドキャストを先にスタートさせた後、YouTubeでもチャンネルを立ち上げたのだろうかと。

 

それで両方を確認してわかったのが、ポッドキャストでは取材している模様をしっかりと紹介していること。例えば、当時を知る関係者に話を聞いた場合、そのやりとりした音声も紹介する。

 

YouTubeでは、それらで得た情報を整理、解説、まとめて紹介する、という位置づけのようです。

 

いずれにしても、それぞれのメディアが持つ特性(取材する様子を音声を聞くと、ここまで臨場感があるのかと驚きました)を切り分けて展開されているのが、本当にすばらしい。

 

▼YouTubeで紹介されていた未解決事件を取材する様子が紹介されています。それぞれのメディア(コンテンツ)でも成立していますが、2つ合わせて確認すると二度おいしい企画です。

 

 

ものすごく外れているような気もしますが、これは上出さんなりの「ファクト」に対するカウンターのように感じました。

 

SNSで投稿されたまことしやかな情報がものすごい勢いで拡散されていく状況への異議。報道機関に対する〝マスゴミ〟蔑視に象徴される不信感への解説。対立する意見を戦わせ、議論に打ち勝つことが「正論」「正しい意見」と見られる風潮への警鐘。それらはすべては、「ファクト」(客観的事実、複数の現場証言、研究・調査する人物による独自の資料など)に対して、色々な定義が存在するからではないでしょうか。

 

それを、上出さんは自分なりの方法で積み重ねていく。だから、YouTubeでの動画は冗談に思えるほど丁寧に解説をするし、ポッドキャストでも本当に取材していることがわかる〝無意味なやりとり〟もあえて残す。

 

あやしい人物を複数人集めて、それぞれが思うこと、客観的な事実に基づかない飛躍した議論も許容する討論番組の対局に存在すると思っています。もし寄付できるなら1万円ぐらいなら寄付すると思います。

 

https://x.com/WORLDJAPAN/status/1990660935003095057?s=20

 

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技、術、人柄が大事なんですね。

ドリフ専門家にして、編集・ライターのS氏に取材した内容を記事にまとめる。私もどちらかと言えば、マニアックな方で、ドリフについても一般のひとより知っているので、お話した内容をそのまま書こうと思って、一般のひとたちはわかるのかどうか、それを見極める作業が難航しました。午後一杯はその作業に費やし、担当編集の方に送稿。

 

仕上がったぼくの拙い原稿よりも、S氏がエックスのスペースで2時間ぶっ通しがお話した方が、よほど面白いのかなと思って心底落ち込む瞬間もありました。

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それにしても、鼻詰まりというのは考えものですね。いつも通りにお話をしているつもりでも、鼻から抜ける空気の量が少ないから、思わぬところで息継ぎをする。そうなると、万全の体調のときと比べ、自分で自分の調子が狂っているような気がします。

 

夕方頃、今進めている書籍企画の件で、はじめてのデザイナーN氏にご連絡。かなり目上、大先輩であるため戦々恐々としながらお電話したところ、「あなたのように、突然電話をくれるようなひとがたくさんいればいいだけれど」という嬉しいお言葉をいただく。

 

仕事の進め方についてご相談したところ、「そこは、おまかせします」とのことでしたが、そのときの声の太さと言いますか、ドスのきいた雰囲気から察するに、あんまりこちらからあれやこれやと要望を出すとエラい目にあいそうな気持ちにもなりました。でも、終始ご機嫌で穏やかな声を聞いて、やっぱりこういうひとだから何十年とお仕事をされているのかなと。周囲のベテラン制作者はみなさんそうですね。

 

これからも、技と術、人柄も磨いていくようにがんばります。

 

また、あした「AIによって消えゆく書き手」と「セルフレジ」について考えてみようと思います。

 

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