転がり込む女 2



女性は立っている新平に「座らない?」と隣に座るように、うながされ、新平は隣に座った。


新平の目に入ってきたのは、彼女に短いスカートから出ている、黒のパンストに包まれた太ももである。

異様に色っぽく、ついつい目がいってしまった。


彼女はタバコをすいながら「私、香月綾って言うの、お兄さん名前は?」と聞かれ、「福武新平」と、緊張しながら答えると、「新平さんね、ふ~ん。」「いくつ?」

「26歳だよ、君は?」

「私?23歳。」と言ってから、『彼女いないの」と聞かれ、「えっ、うんまあね。」と恥ずかしそうに答えた。


「ふぅー酔っ払いのおっさんがアフター行こうとか言って、尻とか触ってくるの、むかついて、逃げてきちゃった。」

「もう、お店もクビだなぁ。」と笑っていた。


そして、新平のほうを向いて、「ねぇー今晩泊めてもらえないかなぁー。」「もう電車ないし。」と言われ、「こんなとこでよければどうぞ。」と新平が言うと。「ありがとう、助かった~」と笑っていた。

「着替えなにか貸してくれないかなぁー。スーツだから、しわになっちゃうから。」と言われ、引き出しから黒のスエットの上下を出して渡した。


「ありがとう、ごめんね、」と言って、服を脱ぎだした。

新平はびっくりして、トイレに入ったのだ、すると、綾が「もういいよ~ありがとう、やさしいのね。」と微笑んだ。


そして、布団が一組しかなく、俺はベットを綾にゆずろうとしたら、「いいよ、一緒に寝ようよ。」と言って、新平をベッドに入れた。



新平は、生まれて初めて女性と同じ布団に入って寝たのだ。

当然緊張して、ほとんど眠れなかった。


次の朝、目が覚めると、綾の姿はなかった。

貸したスエットは、ちゃんとたたんであり、新平は夢でも見たのかと思うくらい、昨日の夜の出来事が新鮮で信じられなかったのだが、確かに部屋にはまだ綾の香りが残っていた。


そして、また普通の生活に戻っていったのだが、少しだけ違うことがあり、いつもは何も気にすることなく通り過ぎていくスナック街なのだが、あの晩からは、少しゆっくり歩き、ひょっとしたら、また会えるかも知れないという期待を持つようになったのだ。


そんななか1週間が経ち、また土曜の夜のことだった。



                      転がり込む女


福武新は、,いつも同じ生活をしていないと、落ち着かない性格なので、勤めている弁当工場の仕事が終わると、いつもの時間の電車に乗り、駅を降りると寄り道することなく、アーケードの商店街を見向きもせず、通りすぎ、その先の、スナックの看板がたくさん出ている、飲み屋街を過ぎて、小さな2階建てのアパートの一番奥の部屋に帰るのである。


そのため、新平には友達もいなく、会社の飲み会行かないので、会社で話す人もなく、一人で生活をして来たので、当然26年間彼女はいない、そして、18歳で今の会社に就職してからは、同じ年頃の女性とは話したことがほとんど無いのである。


この日も、新平はいつものように、ワンルームの部屋に入り、工場で貰った弁当を、テーブルに置き、着替えて、小さい冷蔵庫から2リットルのウーロン茶をだし、一人、特に見ることのないテレビをかけながら、夕食を済ますのである。


そして、そのままゴロンと寝転がり、テレビを見ながら、うたた寝をするのである。


ちょうど、いい感じで眠りに入ったとき、玄関のチャイムがけたたましく、何度も鳴りだし、同時に「ドンドン」と扉をたたく音がして、新平は飛び起きて、玄関に走った。


しかし、この部屋に住んで8年になるが、チャイムが鳴るなんて、初めてのことで、新平は疑うことなく、玄関の鍵を開けたのである。


そこには、赤いスーツに赤のタイトスカートを身にまとった、まさ、水商売といった感じの格好の女性が、ドアが開くと同時に入り込んできたのである。


その女性は、入るとすぐにドアを閉めて、鍵をかけ、新平を見て、「ごめんね、ちょっとかくまって。」と言った。


玄関がその女性の香水の匂いでいっぱいなった。


その女性は、ほっそりした顔つきで、目が釣りあがって、一見冷たい感じの女性だったのだが、新平はその女性の色気と、濃い化粧に、初めて対面したかのように黙っていた。


すると、「ねぇあがってもいい?」と女性が尋ねてきた。新平はわれに帰り「あっ、どうぞ。」と言って、部屋の奥に案内した。

女性は、赤いピンヒールを脱ぎ、部屋の奥に進んでいった。


ワンルームの狭い部屋に入ると、もはや、その部屋は女性の香りが充満していた。


「ごめんねー、寝てたよね~」と、座りながら女性が言うと、「いえ、いつもまだ、起きてますから。」と言ったのだが、時計を見ると、もう0時を回っていたのだ。

新平は結構寝ていたんだと驚いていた。そして、テーブルの弁当のごみを片付けていると、「お水もらえない?」と女性が尋ねてきたので、コップに水をいれて、テーブルに置くと、「ありがとう。」とニッコリ笑い、水を一気に飲み干し、ため息をついていた。


新平が「何かあったんですか?」と聞くと、タバコをとりだし、ライターの火をつけたが、止めて「ごめんね、タバコすっていい?」と聞いてきたので、「どうぞ。」と言って、空になったコーヒーの缶を灰皿代わりにテーブルに置いたのだ。

新平はタバコを吸わないため、灰皿がなく、以前工場のおじさんが灰皿代わりに空き缶を使っていたのを思い出したのだ。


女性は「ごめんね、ありがとう。」といって、再びライターの火をタバコにつけた。

タバコの煙は天井にのぼり、部屋の中は香水の匂いとタバコの匂いが混じり、新平の経験したことにない、匂いに包まれていた。








とにかく毎日同じ行動同じ生活をして、何も趣味も興味もなく、ただただ、¥普通に生活している福武新平、


そこに転がり込んできた女との出会いで、新平は、、、、、



このお話は、とても短編です。

しかも、ジェットコースターストーリーなので、しっかり付いて来てくださいね。



それでは、よーいスタート!





秋目岩石