豹変2


貯金も、底をつき、お金の無くなった新平は、これで、結婚できるんだと、喜んでいたのだ、そして、綾と結婚できるんだから、もうお金は払わなくていいんだと、勝手に思い込みながら、綾との快楽に溺れていた。


そして、綾も自分に惚れているはずだと思っていたのだが、ある晩「新平、今月のお金まだ貰ってないけど。」と、いつものように、冷たい目で請求してきたのだ。


新平は「えっ、もう結婚するんだし、お金はいいでしょう?」と、優しく話すと、綾は新平から離れて、「なんで、お金ないの?」と言ってきたのだ。


新平は正直に「この前50万渡したし、もう無いよ。」と困った顔で言うと、綾の顔は真っ赤になり、つりあがった目が更に、つりあがり、「えっーお金ないのに私を抱いたの?信じられない。」と、怒鳴ってきたのだ。


新平は「夫婦の間で、お金のやり取りは変だよ。」と言うと、綾は冷たく笑い出し「えー何言ってんの、バカじゃないの、お金ないのに、結婚なんてできるわけ無いじゃん、ちょっと~勘弁してよ~。」と言って、新平のカバンの中をのぞきながら、「本当にお金ないの?どこかに隠してるんじゃないの?」と言って、カバンの中のものを取り出し、探しはじめた。


新平は綾からカバンの取り上げ「ないよ、綾に全部あげたじゃん、あの金はどうしたの、まだ持ってるんでしょう。」と聞くと、ムッとして「ホストで全部使った。」と悪気もなく言い放ったのだ。


新平は「俺が、いつもそばにいるのに、なんでそんなとこに行くんだよ。」と怒鳴ると、綾は笑いながら「はぁ~あんたなんか、全然つまんないし、Hもへただし、私が演技で、声出してるのに、自分がうまいと思って、毎晩毎晩バカみたいにしてきて、お金があるから、我慢できたけど、こんなの、お金なしでやられたら、たまらないわ。」


「まぁ私とHできただけでも感謝して欲しいわ~、結婚なんて、ちょっと、ずうずうしいわよ~身の程を、わきまえなさいよ。」と言って、タバコに火をつけ、吸い出したのである。


新平が黙って下を向いていると、綾は新平に向かって「お金ないなら、もうここにいても仕方ないわね、じゃぁ、出て行くね、またお金できたら、してあげるけど、今度は倍にしてもらはないと、だって~とてもへたくそだもの、あはっはっはっ」と笑いながら、綾は立ち上がり荷物をまとめだし、「あっ、それから、これお金できたら、ここに振り込んどいてね。」と言って、白い封筒をテーブルの上に投げ捨てるように置いたのだ。


そして、「じぁね」と綾が玄関に向かったとき、新平は頭の中が真っ白になり、、、



気がつくと、血まるけになった綾が息絶えて倒れていた。新平の手には、綾の血で真っ赤になった包丁があり、先からは血がたれていた。


新平は「お前が、お前が、、お前が裏切るから、お前が悪いんだ、、、」とつぶやき、テーブルの封筒に目をやり、封筒の中身を取り出し開いた新平は「なっなっ、、、うお~~。」と狂ったように叫びだしたのだ。


                            豹変


それから、新平は、綾の魅力に魅かれ、毎晩のように綾を抱くようになったのだ。


初めての快楽に新平は麻薬のように求めるようになり、自制が効かなかった。


そして、ある晩のことである。

いつものように綾を布団に入れて、服を脱がそうとしたとき「ねぇーいつも私を抱いてるけど、そろそろ、貰うもの貰わないと、割に合わないのよね~。」と、真面目というか、どこか冷たい目つきで言ってきたのだ。


新平は何のことか分からず「えっ?」と口ずさむと、「だって、ソープでも、1回2、3万お金取るのよ、私は、この1ヶ月間、毎晩抱かれてるのに1円も貰ってないのよ。」


「お金?」と聞くと、綾はうなずいて、「払えないなら、これからはHなしね。」と冷たい目つきで言い放ったのだ。


新平はもう綾の体なしでは、生きていけない状態にまで、のめりこんでいて、「いくら払えばいいの?」と聞くと、綾は新平に顔を近づけて、「今までの分で100万でいいわ。」と微笑んだのだ。

「100万?」と、驚き言葉にだすと、「100万、安いもんでしょう?ダメ?」と綾が聞いてきた。


新平は明日払う約束をすると、「じゃぁ、明日払ったら、またしようね、それまではなしね。」とニッコリ笑ったのだ。

しかし、明日まで待てない新平は、財布の中から3万を出して綾に渡したのだ。

綾はお金を受け取ると、新平に抱きつきキスをしてきて、新平はまた綾を激しく抱いたのだ。


次の日言われたとおり銀行から、100万の現金をおろしたのである。

新平は趣味もなく、ほとんど給料を貯金していたので、貯金は500万ちかく、たまっていたので100万で綾が抱けるならと、躊躇せずにおろしたのだ。


100万を受け取った綾は喜んで、新平にキスをして、新平に抱かれたのである。


新平は毎月100万のお金を綾の渡していたが、ちょうど貯金が100万になってしまい、このままだと、お金がなくなってしまう、どうしようかと悩み始めたとき、「新平~私、新平と結婚したいんだけど、元彼が離してくれないの、どうしても離れたかったら、50万持って来いって言われて。」

「私、どうしよう~やっぱり新平とは一緒になれないのかなぁ。」とうつむいていた。


新平は綾が新平と一緒になりたいと言う言葉が嬉しくて、一緒になる為なら、このお金を使ってもいいと思い「分かったよ、俺が何とかするよ。」と言ったのだ。

綾は「本当?うれしい、新平と一緒になれるのね、良かった~。」と喜んでいた。


次の日50万を綾の渡したのだ。

綾は喜び、新平に抱きついて、何回もキスをした。


それから1ヶ月が過ぎて、新平は綾との結婚を夢見ていて、「いつ、結婚する?式とかどうする?」と聞くと、綾はニッコリ笑い、「もう少し、待ってて、私、昔のスナックの友達にお金借りてて、もう少しで返せるの、それが終わったらね。」と言ってきたのだ。

「えっ、お金借りてたの?」

「うん、親の入院費とかで100万借りてて、あと50万なの。」と綾が言った。


そして、次の日、新平は全財産をおろして、綾に渡したのだ。

綾は「これで、新平と一緒になれるね。」と微笑んだ。







                            綾との生活



新平はいつものようにテーブルで、うたた寝をしていると、玄関のチャイムがやさしく鳴ったのだ。ひょっとして綾が来たのかと思い、玄関に走り、玄関を開けると、ロングの髪を後ろで束ねて、薄い化粧で、ベージュのセーターに、デニムのパンツ姿で、大きなカバンをもった、先週の綾とはまるで別人のような綾がニッコリ笑顔で立っていた。


新平は先週の綾より、今の綾のほうがとても素朴で好きだなぁーと思って、みていると、「ごめんね、部屋追い出されちゃった。少しだけでいいから、泊めてくれない?」と言ってきた。


新平は嬉しくて「どうぞ、こんなとこでよければ。」と言って、部屋に入れた。


部屋はまた、女性のいい香りでいっぱいになったのだ。


綾は荷物を置いて、テーブルの前に座り、「お店、クビになっちゃって、お店が借りてた部屋だから、追い出されちゃって、行くとこなかったから、新平さんの部屋しか思いつかなくて、ごめんね、迷惑だよね。」と、新平を見つめ言った。

新平は綾の言葉が嬉しくて「全然、いつまでいてもいいよ。」と言うと、綾は「やったーありがとう」と喜んでいた。


それから綾との同居生活が始まったのだ。


新平はいつものように仕事に行き、いつものように帰ってくるのだが、綾はときどき夜いなかったり、逆に夜ご飯を作ってくれたりして、どんな仕事しているのか、不思議で聞いてみると、「派遣の仕事で不規則なの。」とだけ言って、あとは何も言わなかった。

そして、1ヶ月くらい経ったとき、いつも別々に寝ていたのだが、その晩は綾が「ねぇー私って魅力ないの?」と聞いてきたのだ。


新平は少し驚いて、「いや、そんなことはないよ。」というと、「新平さんって、ひょっとして、経験ないの?」と意地悪な目つきで聞いてきた。


何も言わず、黙っていると、急に、新平の布団に入ってきて、新平を抱きしめて、キスをしてきたのだ。その唇は柔らかく、甘い香りがして、とても不思議な気分になった。


その晩、初めて女性を抱いたのだ。

それが新平にとって、人生を大きく変えることも知らずにね。