伝統か伝承か... | Hk planning

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「ヤン坊マー坊」新デザインが決定「こんなイケメンに?」驚きの声も

1月30日、ヤンマーホールディングス株式会社は、自社の企業マスコットキャラクター「ヤン..........≪続きを読む≫

 

ヤン坊マー坊天気予報のイメージがある自分的には違和感しかない新デザインだけど、今回で9代目のデザイン変更となるらしく、初代から見比べるとそれなりに変貌してるんだなぁ...そういう意味では伝承じゃなくて伝統のデザインって事になる。

 

とはいえ新デザインが広く認知されるようになるのは甚だ疑問がある、やっぱりサブリミナルで毎日天気予報を見て育った世代のような刷り込み効果は期待できないと思うし、もしかしたら温故知新で昔のデザインに戻したりして(^^;

色々なジャンルでも復刻版ってそれなりに話題になるしねww

 

企業キャラクターをここまで変えるのはすごい勇気というか、今までのデザイン変更の中でもふんわりあったコンセプトというかベースにあった郷愁的なコドモコドモした雰囲気は木っ端みじんで、今までのデザイン制作に係わってた人達はどういう心境なんだろうとか余計な心配してみたり(^^;

 

 

 

子供の頃に夢中になってみていたウルトラマンは円谷プロが作り出したヒーローと思ってたけど、契約デザイナーの成田亨さんという彫刻家の手によるものというのを大人になってから知った。

 

円谷プロからの怪獣退治をする格好良くて美しい宇宙人ヒーローのデザイン発注に対して苦心の末に成田氏が生み出したウルトラマンにはカラータイマーがなかった。

 

怪獣という自然界のカオスに対峙するコスモス(正義と秩序)の化身に、円谷プロ側から提案された後付けの人工的なカラータイマーは成田氏には受け入れ難いものだったようで、最後まで円谷プロ経営陣とのクリエーターの権利についての考え方の溝が埋まる事はなかったようで、原作者ゆえの正しい拘りは、小難しい頑固者というレッテルとして敬遠されてしまう...恨み節のような自伝コメントは今の時代だったらもう少しいい方向で落ち着いたりしてたのかなぁ、とか思ったり(^^;

 

生み出したクリエーターの手を離れたウルトラマンはその後、角がつけられたり、髭がはやされたりの改悪(成田氏の言葉)を続けるも商業的には大ヒットを続け、そのあたりもオリジナルデザインに拘る生みの原作者を精神的に追い詰めていくことになる...晩年の成田さんを知れば知るほど本当はもっともっと評価されるべき人だったはずで、カネゴンやバルタン星人を知ってる人は大勢いるだろうけど、ほとんどの人が成田亨さんという彫刻家がデザインした怪獣とは知らず円谷プロの怪獣という認識だろう(^^;

 

漫画原作のドラマ化を巡り原作者の方が自死された痛ましいニュースを知ったけど、ふとウルトラマンのカラータイマーの件が頭に浮かんだ...子供の頃はカラータイマーが赤色になって点滅し始めたらドキドキしたし最終回のときに真っ黒になったのはホントに衝撃で、ウルトラマン=カラータイマーくらいのイメージすらあったけど、原作者がそういう世間の風潮とオリジナルデザインとのギャップに対する苦悩は自分なんかの想像は及びもしないんだろうけど

 

クリエーターの仕事でよく言われる「ゼロ→イチ」という概念、そして出来上がったものを安易に模倣したり、オリジナルの核を無視した商業性重視での改変、ただこういう改変についても商業視点でいい意味でのプロの人がいたりして、クリエーターの生みの苦しみを知らない自分のような底の浅い凡人はそういう目先の改変に飛びついちゃったりしがちなもんだからなぁ...お金を払って読むものと、スポンサーの恩恵に預かって広く多くの目に向けて流すものとじゃ相容れない部分があるのは仕方ない気がするけど、やっぱり「ゼロ→イチ」の仕事については、もっと敬意が必要なんだろうと思う。

 

「ゼロ→イチ」は言ってみれば、ビックバンだもんね、とにかくこれがないと、この世界がないわけで何もはじまらないもん。