映画#17 ボブ・マーリー ONE LOVE | なんのこっちゃホイ!

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世の中の、これでいいのか、こんなことでいいのかを描くブログ。そんなにしょっちゅう怒っていられないので、ほどほどに色々な話題も混ぜていきましょう。

レゲーという音楽をご存じだろうか。

ジャマイカが発祥とされるポピュラー音楽である。

4/4拍子の2,4拍目をカッティングで弾くのが基本のリズムである。

 

僕は中学生の頃から永遠の吉田拓郎フォロワーであるが、拓郎はフォークソングの枠にこだわらず、初期の頃から様々なジャンルの音楽に挑戦している。1981年のアルバムタイトル曲でもある「アジアの片隅で」という曲を聴いたとき、聞き慣れないが、かっこいいリズムに、「これはなんというリズムか」と友人に聞いたら「レゲェじゃ!知らんのか」みたいに言われて、覚えた。

 

ボブ・マーリーとは、その後に僕がレゲェに魅了されていってから出会った。拓郎に出会った時のような衝撃だった。まるでどっかの島の土民の音楽のように、カッティングされる4/4拍子が、ずーっと続き、魂を絞り出すような声で「Unite ! 団結せよ」と叫ぶボブの歌。単純なリズムとメロディー、短い歌詞のフレーズの繰り返しは、一種の呪術的効果があって、そこにいるものをかき立て、沸き立たせ、徐々にトランス状態に入っていく。吉田拓郎がつま恋や篠島で見せた「人間なんて」の40分演奏など、そのさいたるものである。

 

ボブ・マーリーは1981年5月に、皮膚がんで亡くなる。だから、彼のステージを生でみることはできなかったわけだ。

YOUTUBEに流れる古びた映像だけでボブを観ていた。

 

そのボブの半生を映画化すると聞いて公開前から随分楽しみにしていた。

結果から言うと、ガッカリした。

何も知らずにこの映画を観たら、結局ボブマーリーって誰だったのか、多分、分からないだろう。

それほど表面だけを、すーっとなぞったような。そんな映画に思えた。

 

彼は何と戦い、何を苦悩し、彼は何をメッセージしていたのか。

名作アルバム「EXODUS(脱出)」では、彼の主張は何だったのか。

曲作りの場面でも、ややこだわりを見せる部分は表現されているが、多分もっともっとこだわった音作りをしていたのではないか。

こだわった作った音を、どれほど自由に表現できるか。

ステージから投げつける、彼のメッセージを乗せられるだけの、強いリズムとメロディー。

コーラスの美しさ。

 

かなり消化不良で、映画を終えたのでした。