吉田拓郎復活!NHK101スタジオライブ | なんのこっちゃホイ!

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ライブというので、かなり期待して観たんだけど、どっちかというと、ドキュメンタリーだったので、ちょっとがっかり。「祭りの後」から始まった番組だったが、間にリハーサル風景やらインタビューを挟みながらの1時間半だった。


吉田拓郎の魅力って、ナンだろうとふと考える。「人生とはこんなもの!戦うんだ、すねないで!俺はこっちへ行くぞ!お前らもついてこい!」とばかりに、強烈なメッセージソングを、全力で歌っている姿に感動するんだと思う。肺がんに襲われ、その後、信じられないが、更年期障害によるうつ病にも見舞われ、コンサート・ツアーは途中で中断。その後、長期の療養に入った。あの吉田拓郎が、うつ病!?


精神科の医者にかかっていたことも、今回のインタビューで明かした。何とか元気を出さないと。立ち上がる力を蓄えないとと焦り、釣りだ、ゴルフだとスケジュールを入れて、医者に相談したら、医者が、「ダメですよ、そんなことをしちゃ!やりたいことだけ、やればいいんです」と言ったそうな。釣りもやりたいわけじゃない。ゴルフも乱闘騒ぎを起こして、それでおしまい。そんな「やりたくないこと」を「やらねばならぬ」と頑張ることを放棄したそうだ。そして、「ガンバラないけど、いいでしょ?」という歌を作ったと言っていた。


驚いたのは、4月発売のニューアルバムに収録されているという「真夜中のタクシー」という歌。ビッグバンドを従えて、これこそまさに「弾き語り」ってやつでしょうか?歌はサビの一部だけで、ほとんどがお喋りという作品。ある夜中に、タクシーに乗った拓郎と運転手のやり取りを、ずーっと喋るように話している。この内容が、また実に楽しくもおかしい。


ツアーはもうおしまい。体力や情熱なんてものがないと、ツアーはできない。アメリカでボブ・ディランのコンサート・ツアーを見て、「どうしてもこれを日本でやりたい」と思った話。当時は多くの出演者が一度に出演するという、まぁ言ってみれば「寄席」みたいなコンサートが主流だった。焦りもあった。かぐや姫を好きなファンは、自分の歌を聞いてくれるのか。六文銭の後が有利か、先が有利かとか、作戦を練った。青森まで、夜行列車で行き、出演を終えると夜行列車で帰ってきた。上野駅の立ち食い蕎麦をいつも食っていた。貧しかったけど、あの頃が楽しかったと振り返っていた。自分のPA、自分の照明を引き連れて、自分だけのコンサートを全国を回ってやるという、いわゆるツアーを始めたのは、拓郎であり、その拓郎がツアー撤退を表明するとは、皮肉なものだ。


音楽の近くにいたいというのは、ほっとした。もう止めるのかと思っていたからだ。最後のツアーを心待ちにしているファンに一言お願いしますという、インタビュアーに「放っておいてください!」と言い切った拓郎。拓郎節は、歌も喋りも健全だった。