「チームバチスタの栄光」や、「ナイチンゲールの沈黙」に登場する火食い鳥こと、白鳥圭輔が登場するが、田口は登場しない。その代わり、前2作で名前だけは登場する白鳥の部下で「氷姫」こと、姫宮が登場するシリーズの第1作。
今度の場面は、でんでんむしとよばれている二つの病院。この二つの病院は、以前にチームバチスタの事件で現場となった東城大学病院の系列病院になっている。何故か、碧隻会病院では、入院患者の死亡例が多く、しかも火葬場まで完備しているので、死亡後の検視解剖を済ませて、もう自動的に火葬場まで送られて、始末されてしまう。言ってみれば、終末医療の最先端にあるような大学だ。
この大学で不可解な患者の死亡があるということで、雑誌記者の葉子に頼まれ、医学部留年生の天馬大吉青年が、見習いとして派遣されてきた。そこは、一族が経営する病院で、桜ノ宮病院は最先端の医療技術や器具を備えており、碧隻会病院は、桜ノ宮病院が投げ出した患者を引き受けている。この二つの病院は、県境をはさんで建築されているので、それぞれ医療点数の請求先が違うため、どうも医療事務でもきな臭いことがありそうなムードである。
そこへ厚生省調査官の白鳥が、皮膚科の医師として乗り込んでくる。姫宮というドジな看護師があり、ミスドミノ倒しと呼ばれるほど、ミスばかりして、みんなの手を焼いている。天馬も例外ではなく、いきなり階段から落とされて右腕を骨折させられるわ、身体を拭くといって姫宮が入ってきたら、手に持っていた熱湯を胸にかけれ荒れて大やけどを負わされる等、そのミスは半端ではない。
しかしこの二つの病院には、恐るべき秘密があった。それは天馬大吉の生い立ちとも絡んでくるような謎であった。火食い鳥、白鳥検査官は、その謎を解くことができるのだろうか!
最近、オーディブルやサウンドブックを聞くことが多くて、読書から少し遠のいていた。電車がとにかくめちゃめちゃ混むので、座っていてさえも、読書ができないことが多い。それでつい、オーディオブックを購入してiPhoneで聞いていることが多い。これはこれでとても効果的な方法だ。何度も聞きなおしができるし、必要なところだけを繰り返して聞ける。それもボタン操作だけだ。だが、もちろん、線を引いたり、付箋をつけたりは出来ないのはちょっと不便だけど、慣れてしまえば、これはこれでいいかと思う。本と同じ値段だし。
だけど、活字から遠のくのはちょっと嫌なので、螺鈿迷宮の読了と共に、図書館へ行って、年末年始用の本を2冊かりてきた。またご報告する。