下期予算の作成に追われまくっていたので、ず~っと日記のアップがないままになってしまった。以前は読者の方から「最近、さぼってんとちゃうか!」等というメッセージを多く頂いたものだが、ここのところそのようなクレームは全くなし。もう、どうでもいいブログに成り下がったのかと、ちょっと悲しい気持ち。だが、考えてみればそらそうだ。くだらない機内食やメシの話や、どうでもいい読書感想文なんかを書いているんだから、どうでもいいと言えばどうでもいい。全ては報いじゃ!とあきらめる。
ナンだか、当社の当事業部は一年中予算を作っている気がするというのは、どうやら共通の認識らしく、アフター5のビール会なんかでは、しょっちゅう聞くボヤキである。当事業部だけではなく、他事業部と飲んでもそういうので、どうやらこれは、本社に蔓延している病であるようだ。まだ、最初の四半期が終わったばかりなのに、もう下期の予算見直しをやっているし、これが終わったら、中期計画の策定が始まる。中期計画がやっと終わったら、まだ3回目の四半期であるにも関わらず、来年度予算の作成だ。予算ばっかり作って、それを実行する時間がないというボヤキは、大いに問題を孕んでいると思うが、皆さんいかが?で、達成できなかった予算の責任は予算を作った人にも及び、ボーナスが減額されるという悲しさ。
上海で、子会社2社の取締役会を開催するので、本社の役員と出張することに。今回の議事はそれ程面倒な内容も無く、役員のうちの一人が上海は10年ぶりとのことなので、役員親睦ゴルフを土曜日に企画した。もちろん費用は各自負担で、出張が延びては経費がかかるから、土曜日早朝にゴルフして、その日のフライトで帰国するという強行スケジュールを組んだ。しかし、台風7号が上海直撃との情報を得たので、結局ゴルフは中止。一泊二日の旅となり、身軽なバッグ一つでの出張だ。
飛行機の中でよく感じることがあるが、欧米人と日本人の時間と労働に対する考え方の違いだ。欧米人は効率化が大好きなので、隙間時間を非常に有効に活用して仕事をこなしている。だから、彼らはシートベルトサインが消えるやいなや、PCを取り出して仕事をしている。多分、10人の欧米人の内、8人はこういう傾向にある。ベルトサインが消える前から座席を倒して、サインが消えるやいなや映画を観る。飲み物は勿論アルコールで、ピーナツやおかきをつまみに酒を飲み、食事も余裕でゆっくり頂き、最新の映画を観るか、口を開けて寝ている日本のビジネスマンとはかなり違うようだ。もちろん、僕もその内の一人。飛行機に乗ったら、アルコールと最新映画は運賃のうちとばかりに、飲むだけ飲んで、映画を楽しむ。
だが、そうしている間にも、日当は支払われているわけで、会社にしてみれば、リラックスしてタダ酒飲ますために日当を払っているようなもんだ。その点欧米人はわきまえているようだ。かれらは日当と言っても、本当に食事代補助程度しかもらっていない。それでも、就業時間には厳格で、時間内はどこにいても仕事するべきと思っているようだ。これは契約による労働という認識の違いにあるように思う。欧米人は、会社における将来保障等ない。その代わり、転職等でよりよいキャリアを追及する自由度も高い。労働契約には自身の職務内容と権限が明記されており、果たすべき義務も定められている。だからどこにいようと、何時だろうと、結果を出さねば契約を解除されてしまう。つまり、クビである。ところが日本は、成果主義といいながらも、それは結果に対する評価であって、雇用そのものは、相変わらず法で保護され、終身雇用の麗しき慣習はしっかり守られている。だから、一定の結果を出せるのなら、サボった方が得である。そう思っているかどうかは分からないが、労働提供による対価という意識は薄弱な気がする。これでは、ホワイトカラーの生産性向上など、どこ吹く風であろう。
そういうことを、赤ワインを飲みながら映画をみつつ考えている内に、上海虹橋空港に着陸した。周りを見回すと、目のふちを赤くしたビジネスマン風のオヤジが、「よっこらしょ」と席を立っている。3時間のフライトでは、酒が冷める時間がないんだなぁ~と思いつつ、わが身はどうかを、ふと不安がよぎった。
上海は、暑かった。