ゲーム制作会社で働く汐路は、同僚がビルから転落死する瞬間を目撃する。衝撃を受ける彼女に、故郷・早瀬で暮らす姉から電話が入る。故郷の中学で女学生が同級生を猟銃で射殺するという事件が起きたのだ。汐路は同僚と女学生が同一のキャラクターグッズを身に着けていたことに気づき、調査を進めると、故郷での殺人事件の発生率が、全国平均に比べて非常に高いことが分かる。そこで、ゲーム製作会社を退職し、故郷に戻って事件の調査を始めるのだが…。
ゲーム製作会社の製作過程等が詳しく書かれており、その過酷さに驚いた。当社でもソフト開発部門はかなり劣悪な(?)環境で仕事しているようだが、ここまでのことはないだろう。
この小説のテーマは「歪み」である。
ネタバレは避けるが、そういう「歪み」が人間の心理に与える影響がそれほどにも大きなものなのかと、教えられた。
評価:★★★★☆