「責任を取らない」とはどんなこと? | なんのこっちゃホイ!

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世の中の、これでいいのか、こんなことでいいのかを描くブログ。そんなにしょっちゅう怒っていられないので、ほどほどに色々な話題も混ぜていきましょう。

今日、日経PODCASTを聞いていて、こんな話を聞いた。


【人事権】

人事権者が、下位の者に人事を考えさせる。下位の者は当該者を呼んで、「君、こういう仕事はどう?やってみる気がある?」と聞く。聞かれた当該者は、どう答えていいか分からない。現在の上司への遠慮もあろう、上位者への気遣いも働くだろう。断っていいのか、受けていいのか分からない。それでも人事権者の下位の人は「どう?こないだの件、考えてくれた?返事をメールでいいからしてくれない?」と頼む。そして本人は追い詰められて「分かりました」という。本人の上位者に人事権者が伝える。「だって仕方ないだろう、本人がやりたいというんだから。」すると上位者は、本人が自分を裏切ったと感じることだろう。これ、結局この人事は、誰が責任を持って行っているのだろうか。誰でもない。多分、移動させられる本人ということになろう。

正解はこうではないか。「君、会社としては君にはこういう仕事をやってほしいと思っているんだけど、君の希望もあるだろうから、意見を聞きたいんだが」。そんな場面で断る勇気のあるサラリーマンは少ないので「会社の指示とあれば、頑張ります」と答える。そして当該者の上位者に「今度、彼にはこういう仕事をしてもらうことになったから。君の所も人繰りが大変だと思うけど、宜しく頼むよ」という。人事権者が全ての責任を負う言葉に、なっていないだろうか。


【会せど議せず】

会議を開いても、後に責任を追及されるのを恐れて、何も、誰も意見を言わない。


【議せども決せず】

あれこれ、好き勝手なことは述べて議論はするが、自分が責任を負うのがいやで、決定を先送りする。


【決っせど行わず】

なんだかんだと時間がかかって、とうとう会社の幹部から、「どうなっているんだ!」と言われて渋々決定する。しかしその決定の理由も「上がそう言っているんだから、仕方ないだろう」と、周囲を見回して、「仕方ないよな」とうなづきあい、決定はする。が!誰がやるかを決めないから、何も実行されない。それを決めたら、責任を明確にしてしまうことになるからだ。


「責任を取る」とはどういうことか。

「責任を取らない」上級者というのは、何のバリューで高禄を食むのか。


なるほど、こんなこと、結構どこにでもありそうだ。でも、これでは間違いなく組織の力は削がれていくことだろう。自戒も含めて、いい話を聞いた。