最近、気がついたことがいくつかある。
①意味もなくこける
「こける」というのは関西弁で、「倒れる」という意味である。最近、全く意味もなくよく「こける」。それもどういう訳が人通りの多い交差点の真ん中が多い気がする。東京というのは、大阪に比べて非常に人が多くて、どこへ行っても人で溢れかえっている。そんな時、ちょっときどって交差点を渡ろうとすると、突然つまづいてこける。バタリと両手をついてこけるわけではないが、オットットって感じでつまづいて、そして最悪は膝を突くこともある。ナンだろう?と振り返ってみるのだが、べつに何もつまづくようなものもない。じゃ、何でこける?分からない。
②妙に涙もろい
人は青春時代、多感な時期にはよく泣く。誰かの話に涙したり、小説に涙したり、映画を観て泣いたり。心が色々なものに共鳴しやすい状態にあるんだろう。しかし、年を経ると、色々なことにであったり、起こったりするものだから、少し心の感性が鈍くなるようだ。なかなか、泣くということが少なくなる。悔しいことがあっても、泣く前に酔う。酔って泣く人もいるようだが、それはまた、別の問題だろう。ところが、最近すごく涙もろい。人に見られるのが恥ずかしいから、懸命にこらえる。鼻の奥がツーンっとなって、きな臭くなる。それでも、「負けるもんか!」と涙をこらえる。大人なんだから、男なんだから、こんなことで泣いてはいけない!先日も少林少女を観ていて泣きそうになったが、妻がいるので我慢した。「ありえないよなぁ!」等と、意味もないことを妻に話しかけたりして、涙をこらえる。5月5日と6日の朝、NHKの「ちりとてちん」の総集編をやっていた。偶然見たら、カワイイ女の子が出ていたので、その子見たさに観続けた。これが・・・ 感動の物語。しかも、妻はいないし、子供は寝ている。我慢する理由もないのに、何故か「泣くものか!」と頑張る。しかし、やっぱり負けてしまった。ええ、話やないか!貴地谷しほりさんという女優さん、カワイイだけではなくて、表情が豊かでいい女優さんだ。泣けましたよ~
③あきらめが早い
多感な時には、不正義が許せない。理不尽が許せない。心の底から怒りがこみ上げてくる。どうしていいのか分からないから、ケンカをしたり、やけ酒を飲んだりした。今、多感さを失った心は、こみ上げる怒りを受け流す術を覚えたようだ。「まぁなぁ~、そういうこともあるやろな・・・」とか、「そういうもんやで、世間ちゅうのは」等と分かったようなことをほざいたりする。あきらめが早い。今の政治に、心のどこかで癒せない程の怒りを感じているが、まぁ、日本人にできるのは、こんなことよなぁ~、しゃあないわ。と諦めている。しかし、諦めている場合ではないが、どうせ僕が一人で何かしても、何ともならないし。なんて、達観した振りをしている。
これら全ての原因は「老い」である。
わかっちゃいるけど、なんか悔しい。
それがもう、「老い」なんだということに気がついた。