いよいよGWに突入である。
11連休なんて豪の者もいるようだが、僕は6連休である。といっても、特に何もする予定がない。暇はあるが、お金がない。後期高齢者の方の気持ちが分かる。

真山仁著「マグマ」を読了。
外資系ファンドに勤める野上妙子は、数週間の休暇の後に出社してみると、自分の机がなくなっている。休暇中は海外で、完全に仕事を忘れたいと、PCも持たずメールもチェックしなかった。しかしその間に、妙子のいたセクションは解散、全員解雇になっていたというわけ。
うろたえる妙子に上司が命じたのは、地熱発電を運営する会社の再建だった。
地熱発電というのを、今回始めて詳しく読んだが、実は原子力に次ぐ、エコで安全な発電なんだそうだ。しかも火山大国日本ならではのもので、平たく言えば、地下にある熱だまりに水を入れて水蒸気を発生させ、この力を利用してタービンを回す。使った蒸気はまた冷却して水に戻して、地下へ送る。こうして循環させるので、CO2の発生する「燃焼」という部分が全くないし、無駄も少ない。
「いいじゃないか!すぐにやろうぜ!」と思うが、そうはいかないんだ。「国定国立公園法」なる法律があって、それによると、地下であっても国立公園に指定されている場所は、許可なく掘削できないのである。しかも日本の火山や温泉地の多くは、国立公園に指定されているから、好き勝手には掘れないというわけ。
様々な思惑を孕んで物語は展開していく。果たして、妙子の会社の運命は?日本の発電の未来は?
評価:★★★☆☆