急に、シャーロック・ホームズが読みたくなった。そういえば、光文社文庫で新訳版が出ていたなと思い、ジムの帰りに近所の本屋へ行ってみたが、売っていなかった。仕方ないので、町田の本屋へ。
シャーロック・ホームズもみつけたが、平積み文庫のポップに引かれて買ってしまったのが「悪魔のエレベータ」である。
4人の男女、自殺志願の女性、泥棒、店員と不倫しているバーテンダーにオカマが一人。この4人が、あるマンションのエレベータに閉じ込められている所から物語は始まる。そもそも、この4人、何故エレベータに閉じ込められてしまったのか。それぞれはどんな事情でこのマンションの、しかも同じエレベータに乗り合わせることになったのか。エレベータは何故止まってしまったのか。4人はこれからどうなるのか。
頭から順番に読むことをお勧めします。順番に読んでいくと、ただのエレベータに乗り合わせだけの4人には、実は色々な事情があり、偶然が必然に、必然がまた偶然により、4人の運命が翻弄されていきます。
エレベータという狭い空間の密室状況で、ここまでのお話を作れる人には驚きました。どんな発想しとるんや!とちょっと驚きました。そして、笑いました。あまりにバカバカしくて。そして、言語は全部、関西弁ですから、どうやら舞台は関西なのでしょう。
以前、「お前の薦める映画はつまらん!」というお叱りを読者から受けた時に書きましたが、これは僕の感想であって、万人がそうであるということはなく、あくまで僕自身の中で責任は完結していますので、この本を読んで「なんじゃこりゃ!つまらん!」等と叫ぶのがいやな人は、図書館ででも借りてください。
評価:★★★☆☆