台湾ディーラーの涙 | なんのこっちゃホイ!

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世の中の、これでいいのか、こんなことでいいのかを描くブログ。そんなにしょっちゅう怒っていられないので、ほどほどに色々な話題も混ぜていきましょう。

今日は嫌な仕事がある日だ。

朝、技術社員と面談し、台湾支店の清算に伴い、彼の解雇と将来の選択について話し合い。

その後、銀行へ行って支店口座を解約。

これで彼もよく分かったことだろう。

午後はディーラーを訪問、親会社の強い方針により販売ルートを一本化することになった。

従って、今後の購入は親会社の現地法人から買って欲しいとお願いした。

社長さんはボーゼンとしている。「頭が真っ白で考えられない」と言っている。

うっすら涙まで浮かべている。

台湾支店を作ったとき、お客さんを探して営業をしていた頃、彼と出会い、彼に平身低頭で

当社製品の扱いをお願いした。

それを、全く勝手なもんだ。

「親会社が方針出したから」というだけの理由でチョンである。

僕は以前サービス業であったせいかもしれないが、最も大切なものは「お客様」だと思っているし、お客様を大切にしないかぎり、事業も商売も成立しないと思っている。先輩からも教えられ、後輩たちに伝えてきたことは、「我々の給料はお客様にもらっているんだ。だから、お客様を大切にしないと。お客様がお金を払ってくれるから、僕らの給料は支払われている。内部でいくら努力してもお客様がお金をくれなければ、会社は成り立たない」

ところが、世界的大企業、世界的メーカーに転職して、社員と話したときに驚いた。

彼らは「給料は上司がくれるから、一番大切なものは上司だ」と言い切った。特に、親会社からきている社員はそうだ。僕は本当に驚いた。こんなことで会社が成長するはずがないと。案の定、親会社は不祥事を連発、事業も伸びず、株価はどんどん下落。次のサンヨーだといわれる始末。

上司が偉いと思うところに、不祥事の種が潜んでいる。

代理店なんか、何とも思ってないし、自分たちの都合でゴミのように切り捨てる。

そういう思い上がった体質がこの会社にはある。

この会社だけではなく、多分日本のほとんどの弱電メーカーはそう思っている。

大いなる思い上がりは、いずれ幻想を追うことになり、現実を見ることなく衰退していくに違いない。