大阪日本橋 眼科鍼灸の鍼灸ひより堂

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不妊鍼灸や妊活の秘訣、眼科疾患の鍼灸の情報をお伝えします。
大阪市のど真ん中、日本橋で開院する鍼灸ひより堂のブログです。
妊活の最新情報から、古くから伝わる鍼灸や東洋医学のお話まで、
また眼科鍼灸にまつわるお話を、随時UPしていきます。

一人で悩むまず相談が出来る環境を作ることが大事

 

 鍼灸治療に来院される方は、症状の改善や機能の維持を目的に来院されるのですが、それ以外にも鍼灸治療に通院して頂くことで得られる利点があります。

 

それが長引く治療を続けなくてはいけない際の、伴走者の役割をするということです。

 

 実はつい先日、1年前から通院されている患者さんと久し振りにメールのやり取りをしました。

 

この患者さんは完治することのない眼科疾患を患い、その症状改善や進行予防を目的として1年前に来院されました。

 

かなり遠方の患者さんである為、紹介状を元に現地で鍼灸治療を受けて頂きながら、たまに当院にも来院して頂いていました。

 

ただここ半年以上の間ご来院されていなかった為、鍼灸治療を既に止めてしまっているとばかり思っていました。

 

 ところが先日、半年以上ぶりにご連絡を頂き、まだ鍼灸治療を続けていらっしゃることと、漢方薬を服用されていることを教えて頂きました。

 

更には視力は自分で鍛えられないが身体は自分で鍛えることが出来るからと、近くのジムに通い始めたということでした。

 

そしてこの患者さんが仰った言葉が、題名にある「眼科疾患は自分だけで抱えるには重過ぎる。」という言葉でした。

 

例え症状がどんどん良くならなくても、重荷を少しでも傍で支えることが出来れば、鍼灸師としての役割は決して0(ゼロ)ではないと思います。

 

 眼科疾患に限らず、鍼灸師が難治症状を治療する際には、患者さんの不安感をいかに軽くしていくかはとても大事です。

 

その為、病気に対する知識や治療技術、経験などを常に積み重ねる必要がありますし、最低限一度見た症状や疾患に関しては、後でしっかりと復習することも大事です。

 

次の症状や疾患に対する準備を重ねることで、患者さんにかける言葉の質も内容も変わってくるからです。

 

そうした当たり前の努力が、伴走者としての役割を果たすことに繋がると考えています。

 

うつ傾向や不眠傾向が強い人は注意が必要

 

 当院にご来院される患者さんの内、眼瞼痙攣や眼瞼下垂、目の周辺部の知覚異常を訴える方のお話を伺っていると、過去に精神科に通院経験を持った方がよくいらっしゃいます。

 

病歴は軽症から重症まで様々ですが、いわゆる精神的に不安定な方や敏感な方は知覚過敏を起こしやすい為、主に知覚異常を元に起こすような眼科疾患に陥りやすと思われます。

 

例えば眼瞼痙攣には目の知覚神経である三叉神経(眼神経)が深く関わります。

 

この眼神経が過敏状態になると、目を閉じようとする働きが強まる為、無意識に眼瞼を閉じてしまうのです。

 

 

 その為、もしこうした精神科疾患の病歴を持つ方が美容整形などで眼瞼にメスを入れる場合には、知覚過敏を引き起こす可能性は一般の方に比べて高くなります。

 

また一度こうした症状が出てしまうと、元々知覚に敏感で気にしやすい性格である為、症状をより治り難い状態にしてしまいます。

 

勿論時間が経てば経つほど治り難くなるため、少しでも早く効果的な治療を受けるべきですし、いたずらに手術を繰り返すべきではありません。

 

ところが埋没法などで手術を行った後に痛みや眼瞼痙攣の症状が出た場合には、埋没糸を完全に取り除くという名目で、繰り返しメスを入れることも多く、より症状を重篤化させているように感じます。

 

その為、元々精神科疾患をお持ちの方は、美容整形手術にはかなり慎重になる必要があると思っています。

 

鍼灸治療にもこうした患者さんが多く来院されていますが、かなり治療が難しいことは間違いありません。

 

目先だけではダメなんです

 

 日々眼科疾患の患者さんを治療する中で、患者さんと意思の統一が難しいと感じることがあります。

 

この難しさが生じる原因は、最初から微妙に視点が違うことに起因しています。

 

例えば、来院される患者さんの多くは、

 

「元のように見えるようになりたい。」

「症状の進行を止めたい。」

 

の2つが大きな目的だと思いますが、これに現実的な状況をプラスした結果、

 

「目の機能を維持したい。」

「症状の進行を最小限に留めたい。」

 

といった少しスケールダウンした目標になると思います。

 

 概ね私も同様の目的や目標は持つのですが、大きな違いとしては時間の概念が違うということです。

 

私は眼科疾患という特性上、10年単位や20年単位を見据えて治療しますし、若い方であれば更に先を目指して治療計画を立てることになります。

 

その為、どうしても目先の利益が大事になりがちな当事者よりも、更に冷静に目標を定める必要があります。

 

「今を快適に。」

 

だけではなく、これから先もずっと快適な生活をするための治療を選択するために、患者さんにも様々な養生をお願いしたり、現実的な通院計画を立てたりするようにしています。

 

 

 

鍼灸治療に向いていない方とは

 

 既に院内では発行済みですが、今月のニュースレターは『瞬(まばた)き』についてのお話でした。

 

瞬きは単に目の方面を潤す役割だけではなく、脳機能と深い関係があることをご紹介しています。

 

瞬きには脳機能を調整するスイッチのような役割があり、瞬きを利用することで脳機能を調整しているのです。

 

 その一例として、瞬きには場面転換を把握する役割があることをご紹介しています。

 

例えば会話の中で話が切り替わるタイミングや、小説やTVドラマの場面転換や会話の途切れたタイミングで瞬きをしています。

 

こうした瞬きと脳の深い結び付きの乱れが、眼瞼けいれんなどとも深い関係があると考えられます。

 

 私が感じる眼瞼痙攣を訴える患者さんによくある特徴として、日常的にはストレスを感じているわけでは無いけれど、本質的にストレスを溜めやすい性格の方が多いのではないかと思っています。

 

その為、原因となるストレスを自分では感じていないことが多く、問診などでも思い当たる原因がないと言われることが多いのです。

 

ただその反面、過去には睡眠導入剤や向精神薬を使ったことがあるという方も多い傾向があります。

 

これだけを聞くと薬剤性ではないかと疑いたくなりますが、個人的には薬剤性というよりは元々の性格+ストレスが原因ではないかと思っています。

 

だからなのか、例え薬剤の服用を止めたとしても、症状はそれほど変わらないことが多いのです。

 

自覚しない内にストレスを溜めてしまい、徐々に脳機能が低下してしまった結果、眼瞼痙攣が発病してしまいます。

 

更に元々神経質な性格が眼瞼痙攣に対する重複したストレスとなり、負のスパイラルに陥ってしまい、やがて重症化した眼瞼痙攣となるのです。

 

 勿論中には薬剤性の方もいらっしゃいますし、薬剤性は薬剤を止めたからと直ぐに治まるわけではありません。

 

ただ元々完璧主義だったり、生真面目だったり、拘(こだわ)りが強かったり、優秀でプライドが高い方に重症化される方が多いのが現実なのです。

 

会話をしていても、白黒をハッキリつけたがる方が多い印象で、治療効果も白黒で判断する為、鍼灸治療のようにゆっくりしか変化しないものよりも、ボトックスのようなものを選ぶ方が多い気がします。

 

当然そうした方では治りが悪くなり、徐々に何となく良くなってくるという治療経過が受け入れられない方などは、鍼灸治療もお薦め出来ない気がしています。

 

 

まぶたは非常に敏感

 

 当院にもよく来院される、埋没法などによる二重整形後のまぶたや目の痛みについてお話します。

 

まぶたにメスを入れる理由は様々です。

 

美容目的のものから病的眼瞼下垂に対する治療目的のものまで、老若男女問わず行われています。

 

術後の痛みを訴えて来院される方は、割合的には20~40代の女性が多いのですが、男性も同じ理由で来院されますので実際には性差はないと思います。

 

 先ず前提として、まぶたの周囲は非常に知覚的に敏感です。

 

五感の8割を占めるとも言われる「目」を守る為には当然のことで、これが術後の痛みや不快感と関係が深いようです。

 

まぶたの周囲は非常に敏感である為、この知覚神経を刺激したことがきっかけで痛み情報が強く脳に記憶されてしまい、時間の経過と共に知覚過敏が常態化するようになります。

 

つまり警報アラームが鳴りっぱなしの状態です。

 

 

 埋没法の場合には、術後に痛みや違和感が出ると埋没糸を抜去するのですが、その後も痛みや違和感が残ることは多いようです。

 

つまりアラームが切れなくなってしまったのです。

 

こうなると中々既存の医学では対応が難しくなります。

 

 鍼灸治療を施しても回復が難しい方も多いのですが、一般的には術後直ぐに開始するほど回復が早い傾向があるようです。(痛みを感じる期間が短い方がいい)

 

またこうした痛みは、精神的ストレス度が高い方では感じやすい傾向があるため、治療時にはメンタル的なケアも欠かせないと思います。

 

更に言うと、メンタル的に不安定な方の場合には、しっかりメンタルケアをしてから手術に挑むことが大事だということです。

 

個人的には、焦って手術をしたり思い入れが強くなり過ぎると、より後遺症が出やすい傾向があると思っています。