情報を整理するのが大事
つい先日のことですが、
昼休憩にお弁当を食べていたところ、
治療所の携帯電話が鳴りました。
見たことがない携帯電話の番号ですので、
新患さんの問い合わせかと思い電話を取ると、
とても慌てたご様子の男性でした。
「ちょっと聞きたいことがあるんですが、
今時間取れますか?」
ということでお話が始まりました。
要約すると内容としては、
・加齢黄斑変性と言われた。
・近視性脈絡膜新生血管とも言われた。
・放っておくと失明すると言われた。
・直ぐに注射をするように言われた。
でも注射はしたくない。
・病院に電話すると直ぐに注射は出来ない。
検査を先ず受けろと言われた。
・注射以外で何とかならないか。
・なぜ自分がこんなことに…。
ということでした。
、
また目に注射するということが非常に怖いようで、
「眼には神経がないのか。」
「注射が神経に刺さらないのか。」
というような内容を、
かなりの時間お話していらっしゃいました。
もうパニック状態に近いようで、
こちらから何を言っても、
あまり耳には届いていないようでした。
そこで近視性脈絡膜新生血管の方に向けて、
幾つかのポイントをお話ししたいと思います。
1.先ずは状態をしっかり確認
先ずは新生血管や網膜の状態をしっかりと把握し、
自分に必要な治療を知ることが必要です。
医師によっては、
脈絡膜新生血管や中心性漿液性脈絡網膜症、
黄斑変性症の説明をごちゃごちゃにすることがあるため、
自分の状態を正確に把握しにくいことがあります。
自分の状態がどの程度深刻なのか、
緊急性があるのかを知ることが大事です。
基本的には、
治療が早く始まるほど視細胞が障害されにくく、
後遺症が出にくいことは間違いありません。
また片側で初発の場合、
パニックを起こすほど深刻な状態ではありませんので、
落ち着いて治療を選んで下さい。
経過としては、
長期に及ぶほど鍼灸治療の効果が高く、
短期的には注射の効果が早いです。
その辺りを考えて、
治療の選択をするべきです。
2.いきなり社会的失明になることはない
絶対とは言えませんが、
いきなり両目に症状が出てしまい、
その結果失明に至るということは通常ありません。
余り焦らずに、
自分に必要な治療をしっかり選んで受けて下さい。
3.根本的解決のためには鍼灸をお勧め
近視性脈絡膜新生血管も中心性漿液性脈絡網膜症も、
比較的再発しやすいイメージがあります。
また再発を繰り返すたびに、
後遺症を残しやすく、
治療効果が出にくい傾向がありますので、
それも考慮して鍼灸治療選んで頂くことをお勧めしています。
4.1回目は注射をお勧めすることも
抗VEGF注射の切れ味は、
鍼灸治療の効果を凌駕します。
その一方で、
繰り返し注射することになる方もいらっしゃいます。
当院にご来院される方の中には、
1年間で何度も注射を繰り返しながら、
鍼灸治療開始後は、
全く注射が必要なくなるという方が多いようです。
そのため、
発症初期であれば1回のみ注射を利用し、
その後は鍼灸治療で再発予防をすることがよくあります。
5.一度ご来院下さい
鍼灸治療を受けるのは敷居が高く、
電話やメールで話を聞きたいというお気持ちはよく分かります。
ただ電話やメールでは、
十分に伝わらないこともありますので、
一番確実な方法は、
一度ご来院して頂いて直接説明を聞くことです。
1回の治療費は、
初診料込みでも8000円ほどですので、
十分に元を取るお話が出来ると思います。
何よりも、
不安感を抱えながら日々を過ごすよりも、
納得のいく説明を聞いて頂いた方が、
日々の生活は快適になります。
