一人で悩むまず相談が出来る環境を作ることが大事
鍼灸治療に来院される方は、症状の改善や機能の維持を目的に来院されるのですが、それ以外にも鍼灸治療に通院して頂くことで得られる利点があります。
それが長引く治療を続けなくてはいけない際の、伴走者の役割をするということです。
実はつい先日、1年前から通院されている患者さんと久し振りにメールのやり取りをしました。
この患者さんは完治することのない眼科疾患を患い、その症状改善や進行予防を目的として1年前に来院されました。
かなり遠方の患者さんである為、紹介状を元に現地で鍼灸治療を受けて頂きながら、たまに当院にも来院して頂いていました。
ただここ半年以上の間ご来院されていなかった為、鍼灸治療を既に止めてしまっているとばかり思っていました。
ところが先日、半年以上ぶりにご連絡を頂き、まだ鍼灸治療を続けていらっしゃることと、漢方薬を服用されていることを教えて頂きました。
更には視力は自分で鍛えられないが身体は自分で鍛えることが出来るからと、近くのジムに通い始めたということでした。
そしてこの患者さんが仰った言葉が、題名にある「眼科疾患は自分だけで抱えるには重過ぎる。」という言葉でした。
例え症状がどんどん良くならなくても、重荷を少しでも傍で支えることが出来れば、鍼灸師としての役割は決して0(ゼロ)ではないと思います。
眼科疾患に限らず、鍼灸師が難治症状を治療する際には、患者さんの不安感をいかに軽くしていくかはとても大事です。
その為、病気に対する知識や治療技術、経験などを常に積み重ねる必要がありますし、最低限一度見た症状や疾患に関しては、後でしっかりと復習することも大事です。
次の症状や疾患に対する準備を重ねることで、患者さんにかける言葉の質も内容も変わってくるからです。
そうした当たり前の努力が、伴走者としての役割を果たすことに繋がると考えています。