大阪日本橋 眼科鍼灸の鍼灸ひより堂

大阪日本橋 眼科鍼灸の鍼灸ひより堂

不妊鍼灸や妊活の秘訣、眼科疾患の鍼灸の情報をお伝えします。
大阪市のど真ん中、日本橋で開院する鍼灸ひより堂のブログです。
妊活の最新情報から、古くから伝わる鍼灸や東洋医学のお話まで、
また眼科鍼灸にまつわるお話を、随時UPしていきます。

緑内障患者さんにストレスを与えてはいけない

 

 視野検査は緑内障患者にとって非常に精神的ストレスが大きな検査の一つです。 

 

検査を受けるには長時間の集中力が必要ですし、その結果は緑内障の進行を示しますので、非常に強いストレスを受けながら視野検査を受けています。

 

こうした精神的ストレスが眼圧だけでなく、テスト自体にも影響を与えるという報告があります。

 

眼圧と視野検査に対する精神的ストレスの影響>

 

又この報告の中では、こうした影響を白衣高血圧になぞらえて表現されています。

 

 眼科の受診は患者にとって決して楽しいものではありませんので、眼科での検査をより正確にするためには、ストレスを与えないような言動が必要かもしれません。

 

高圧的な態度や心無い言葉は、患者にとって大きなストレスになりますので、医療関係者は心して診療に当たるべきです。

 

勿論、私自身も緑内障を始めとして多くの眼科疾患の患者さんに接していますので、出来る限りストレスを与えない施術を心掛けなくてはいけません。

 

 

 

羞明を侮るなかれ

 

 眼科疾患の鍼灸を専門としていると、訴えとして非常に多いのが『眩しさ』に関するものです。

 

経験のない方からすると、『眩しさ』がそんなに苦痛なのかと思うかもしれませんが、実は『眩しさ』は『痛み』と同義語だと言っても良いくらい辛いものなのです。

 

 そもそも『眩しさ』の原因となる光はエネルギーの一種であり、網膜にとって光は必要でありながら有害なものでもあります。

皆さんも強い光が網膜を傷付けることは、小さい頃から太陽を直接見てはいけないということからもお判りでしょう。

 

そのため『眩しさ』を強く感じるということは、網膜にとって有害であるという強い信号を感じているわけですから、『眩しさ』と『痛み』と同義語だということなのです。

 

 ただ多くの場合『眩しさ』を感じているからと言って、実際に網膜が傷付けられているわけではありません。

 

あくまでも必要以上に『眩しさ』を感じているに過ぎませんので、いわゆる知覚過敏のような状態になっているわけです。

 

 また羞明(しゅうめい)に連動して起こる偏頭痛や三叉神経痛も、眩しさが痛みと同義語だとすると、ちょっとイメージしやすいのではないでしょうか?

 

<羞明に対する治療効果は眼科鍼灸の副産物?>

 

<光過敏による頭痛の原因と対策【羞明・片頭痛・偏頭痛】 >

 

そこで鍼灸治療ではこうした異常興奮した状態に対して、神経を抑制するような刺激を与えたり、全身のストレス状態を回復させることで神経過敏を改善する試みをします。

 

そうすることで、体に対する侵害刺激に対して過敏になる状態から回復させるのです。

 

初診料には意味がある

 

 ネットで治療院を検索すると『初診料無料』『初回無料サービス』という言葉をよく目にします。

 

勤務時代に掛かっていた治療院コンサルタントは、来院動機を持たれるように、初診料無料や初回割引を結構勧めていたように思います。

 

でも実際の治療院運営を考えると、初診はカウンセリングや検査に時間が掛かる為、初診料を頂くというのは非常に合理的なものです。

 

 当院の場合にも、2回目以降の方は1時間の治療時間であるのに対して、初診の方は1時間半の治療時間を枠として確保しています。

 

 

そのため新規の方が多くリピートの患者さんが少ない場合、時間当たりの治療人数が減ってしまうため、忙しい割に実際には患者さんを診れていない状態になります。

 

つまり言い方は悪いですが、新規の方を診れば診るほど売り上げとしては減るということになります。

 

 そういう意味では、新規の方に対して初診料を頂くことに関しては、患者さんにも是非ご理解頂きたいですし、その代わりと言っては何ですが、その時間内に精一杯ご理解出来るように頑張っています。

 

治療院は美容室やリラクゼーションと違い患者さんの状態を深く知る必要がありますから、初診料を頂く代わりにしっかり時間を掛けて情報を集めて、適切な施術に繋がるようにしなくてはいけません。

 

初診料を頂かない代わりに適当な問診や診察しかしない治療院や、初診料を有名無実なサービス料だと勘違いしている治療院は、この際しっかりと初診料の意味を考えた方が良いのかもしれません。

 

眼圧以外の要素を求めて

 

 当院に緑内障を発病してご来院される方は、眼科での点眼薬で十分に眼圧をコントロールされているにも関わらず、症状が進行している方がほとんどです。

 

そもそも日本人の緑内障患者は、正常眼圧緑内障が大半だというデータもあるくらいですから、ただ単に眼圧を下げるだけでは対処しきれない方が多いのは当たり前かもしれません。

 

では必死に点眼薬を続けているのに症状が進行する方は、最早どうしようもないのかというと、鍼灸治療を通して見えてきたのが血液循環の状態です。

 

 網膜は約8割を脈絡膜からの血流に頼っています。

 

 

私はこの脈絡膜の血流をスムーズにしていくことが、緑内障にとっても大事なことではないかと思っています。

 

これは中心性漿液性脈絡網膜症や網膜色素変性症においても同様で、『たかが血流されど血流』という世界がそこにあるようです。

 

この眼底部の血流を狙って増やすことが出来れば、思いもよらぬことが起こるというのが、現在までの経験で分かってきました。

 

 当院でHPやこのブログでご紹介している症例なども、基本的にはこうした考えのもと施術した結果であるということです。

 

 

眼圧を下げるだけしかなかった患者さんにとって、こうした循環を回復させることが新たな希望になる可能性が出てきたのです。

 

 だからと言って全ての緑内障が鍼灸治療で良くなるわけではありませんし、私自身も自分の無力さを思い知らされる患者さんに出会うこともあります。

 

それでも今私が出来ることをやり続けていると、少なからず症状が一部回復したり、症状の進行が防げたりする方がいらっしゃることは間違いありません。

 

これからは更に高い臨床効果を求めて、最善の手技や手法を探して行きたいと思っています。

 

開業希望の方必見?

 

 以前はよくこだわりの飲食店がTVに出ていましたが、最近ではかなり少なくなってきた印象があります。

 

スープから先に飲まないと怒られるラーメン屋や、出されて直ぐに食べないと怒られる飲食店、或いは会話していると怒られる飲食店などがこれに当たります。

これと同じようなことが治療院業界にも見られます。

 

 具体的な拘りを書くと色々と問題がありますので省きますが、本来は患者さんの状態や症状に応じて臨機応変に治療法を変えるのが理想的です。

 

ところが一つの治療法に拘ってしまうことで、返って自分の治療の幅を狭めてしまい、治せるはずのものが治せないという治療家が多いような気がしています。

 

勿論一つの方法を極めていくのも良いのですが、何よりも大事なのは目の前の患者さんが治っていくということです。

 

それにも関わらず、一つの治療法に拘ってしまうというのは、ある意味エゴと言わざるを得ません。

 

 自分のエゴを通すなら、せめて他には無い高い治療効果を示さないと患者さんから見放されるのは当然です。

 

一つに拘る治療院は、一般的な治療院よりも患者さんが抱く期待感は高まります。

 

その反面、不信感を抱く確率も高まるのです。

 

そのため治療院が継続する確率は、『上手で単純な慰安マッサージ⇒一般的な鍼灸治療院⇒特殊な治療手技を売りにする治療院』の順で低くなります。

 

症状が良くならないなら、せめて気持ちが良くて自分の言うことを聞いてくれる治療院が良いということです。

 

 今回のお話は患者さんというよりも、これから開業する治療家の卵や先日国試に合格した鍼灸師向けの内容でした。

 

同じようなことは飲食や美容業界にも言えることで、コンサルタントなどもよく言うことですので、これから開業を目指す人はYoutubeなどで勉強しても良いと思います。

 

患者側に言えることとしては、一つの方法に拘る治療院に通院中なら、治療効果が見られない段階で転院をすることも選択肢の一つだと言うことです。