今回も前回からの続きの内容となります。
床を踏む、床を押すは脚に力を入れるのではないこと。
脚に力を入れると動けなくなることを書きました。
以前にも書いていますが内容をブラッシュアップして書きたいと思います。
『膝のお皿』問題
「膝のお皿を持ち上げて」
実際に言っている先生を見たことがありますし、そう言われたけどどうやるのかわからないと相談されたこと多数です。
まず、膝のお皿は持ち上がりません。
膝関節の滑車のような役割をしている骨なので、本当に上がったら脱臼しています。
激痛です。
ここをグイグイ押す先生も見たことがあります。
すぐにそんなクラスやめてください。
怪我をしてからでは遅いです。
骨のみの画像(右膝)
矢印で指したところが膝蓋骨です。
これがないと膝関節はとても不安定になります。
もう一つ、筋肉もある画像です。

骨の上に紫色で表示されているのは関節包、これがないとちょっと何かにあたったら神経に響く痛さです。
クッションの役割をする組織です。
前回の内容を思い出してください。
膝のお皿を持ち上げようとすると大腿直筋に力が入りすぎて固めてしまいます。
以下、悪のループです。
そして追加でもう一つ。
「膝のお皿を引っ込めなさい」
も先生に言われたとよく聞く言葉。
いや、無理ですから。
膝蓋骨が飛び出して見える人の多くが筋肉量が少ないです。
周りの組織が薄いから、骨が飛び出して見えるのです。
そのくらい細いのでしたら太ももだけではなく全身鍛えてもらいたいところですが、まずは脚のトレーニングですね。
筋肉がしっかりとスイッチオンになると、バレエ以外のときの働きも良くなり、それだけで筋肉が鍛えられていくケースも多いです。
解剖学を勉強しました、身体のことを勉強しました、と言ってもこの話を理解してくれない先生も多く存在します。
「勉強したから知ってるの。膝蓋骨がここだから、ここを引っ込めなさい」となるのです。
最近はきちんとわかってくれる先生が増えてきました。
頑張りたい生徒さんほど、骨の仕組みだけではなく、動きと筋肉の機能も知っている先生に習うようにしてくださいね。
私のところには他で怪我をしたり故障した人が集まって来るのですが、痛める前に良い動きを覚えるのが最善ですから。