私ではなく、古くからの走友Mr.イトーの実話です。
彼はかつて、UTMFを36時間台で走る脚を持ち
数々のレースを走って来たスピード・トレイルランナーでした…
しかし2014年
トレラン練習中に股関節の脱臼骨折という
ランナーにとって致命的なケガをする。
< 雨に煙る森 美しく厳しい登坂 >
大腿骨の折れた部位をボルトで固定する手術を受け
長い入院を経て、仕事と日常生活は戻ったものの
強い痛みで走れず、登山が中心になっていく…
2年経ち、3年経ち…
長年鍛えた身体と強い意志で
彼の股関節は、次第に走れるようになり…
「山を走っても、あまり痛くなくなった。」
「痛いけど、10キロ走れた。」
と言うほどになってのある時
私に
「復活したら、福山さんとペアでレースを走りたい…」
それは二人の約束になり
私は、彼の復活は近いものと信じた。
そしてついに、一昨年・2018年11月
『神流マウンテンラン&ウォーク』の『スーパーペア50㎞』を
二人で完走し、私との約束を果たしてくれた。
しかしその時、彼の股関節は…
…彼はこれまでの6年間、一度も泣き言を口にした事は無く
常にブレる事なく、復活を目指して行動して来た
しかし神流の50㎞を完走した3ヶ月後の、2019年2月
「今、かなりシンドイ状態で、去年のレース中も本当は辛かったんです。
もう限界かも知れない…」
私は言葉がなかった…
しかし、トレランの神様は彼を見捨てなかった
2019年2月末、彼は
スポーツ選手の人工関節の手術ができる病院を知る
彼の判断は早かった。
2019年3月、彼の股関節は人工関節に置き換わり
痛みは劇的に変わった
次第に走行距離が伸びて行き
なんと今年(2019)5月のランニング距離は240㎞!
そして、2018年11月にペアで走って以来
初めて二人でトレイルへ行った2020年6/14…
< 神社の狛犬?キツネ?…両方とも「ん」で「あ」がいない >
そこには、サイボーグとして生まれ変わったMr.イトーがいた。
人工関節の手術をしてから1年3ヶ月
彼の股関節は別物となり
彼のスピードとスタミナは桁違いに跳ね上がっていた。
コース長30㎞のうち、11㎞を超えた辺りから
彼のスピードは上がって行き
私は余裕で付いて行けたのが
いつしか、ほぼ全力でないと付いて行けないスピードに…
私の脚は無くなっていき
ケガをしないよう付いて行くので精一杯になる。
終盤、走れる11㎞に入る前
「福山さん、これまでとは違う自分を見てください!」
「了解、しかと見届けようぞ。」
そして彼は、加速装置スイッチON!
恐るべきスピードで下って行く
疲労があるはずなのに、登りも走る
私は走れず、次第に距離が開いて行く…
長いフラットが続くエリアで
距離を詰めようとスピードアップした私は
つまづいて転倒、前方へダイブ!
膝を擦りむいて泥だらけ
もはや追いかける気力もなくトボトボ走る。
しばらく行くと、Mr.イトーが持っており
二人話しながらゆっくりとゴールへ向かう…
長い長い間待ち望んだ
痛みがなく、思うように走れる身体
本当の完全復活。
そこには生き生きと未来を語るMr.イトーがいた。
彼はサイボーグ110(イ・トウ)となって甦った
私は考える
人は、たった1年でこんなにも変わるものなのか
ずっと彼を見てきた私は、いろいろな思いが巡る…
・決して諦めない事の難しさ
・心と体は一体であること
・40歳過ぎての男の夢
・好きな事ができる幸福
そして、なりたい自分の実現…
< トイレの上のツバメの巣 大きくなって巣に入りきらない >
【先週のトレーニング】
6/08(月):ラ ン・10,0㎞/1時間07分09
09(火):ウエイトトレーニング
10(水):ラ ン・10,2㎞/1時間05分55
11(木):ラ ン・10,1㎞/1時間05分33
12(金):スイム・2,0㎞
13(土):休 み
14(日):ラ ン・トレラン30,1㎞/5時間27分18
【腰痛・膝痛 さいたま市北区 ふく山接骨院、福山眞弘】