「ぜーんぶ忘れちゃうのよ。」 | うちの子、グレー。~様子見娘と、赤ちゃんと。~

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4歳のグレーな娘・律(りつ)と0歳の今の所は定型?な息子・樹(いつき)を育ててます。母は支援学校再就職からの育休中です。



4歳のグレーな娘・律と、0歳の息子・樹を育てています。

【律(りつ)】
1歳半健診で引っかかってから親子で迷走中。
保育園の加配有り、半年に1回の発達相談有り、受給者証や療育は無しの、グレーオブグレーな娘です。

【樹(いつき)】
2023年10月誕生。今の所は定型発達?


詳しくはこちらをお読みください。




赤ちゃんを抱っこしてお出かけしていると、ご婦人方から声をかけられる事がよくあります。


「可愛いわね〜。」

「暑いわね〜。」

「暑い中お出かけ大変ね〜。」


なんて、最近は暑いと言われる事が多いのですが。

バスを待っている時に隣りにいたご婦人から言われた言葉が心に残るものでした。


それは…


「ママにベッタリねー。どこに行くにも一緒なのよね。

でも、こんなの今だけよー。

こんなにお世話しても、ぜーんぶ忘れちゃうんだから。」


そうですねぇ何て笑っている内にバスが来て、そこからは席も別々で話す事もなく会話が終わりました。


言われた直後は正直、

「それなりに頑張って子育てしてるのにモチベーションが下がる事言わないでよ。」とイラっとした私。


だって、

暑い中バスで出かけるのも、

お世話のために仕事を休んでいるのも、

律のお迎えに間に合う範囲で色々な所に出かけるようにしているのも、

「赤ちゃんのため」が大きいですからね。(自分のためもありますが。)


全部忘れてしまうなら、もっと家でゴロゴロしても良いかな〜なんて思ってしまう訳ですよ。

(実際けっこうしてますが爆笑)


まぁ、ほとんどの人に赤ちゃんの頃の記憶が無いのは周知の事実で、言われなくても分かっている事ではあるのですが。

改めて言われると「忘れるのに頑張ってもなー。」なんて考えてしまいます。



でも、しばらく考えると中々味のある言葉だなと思い始めました。


今日話したご婦人はうちの母よりも年上に見えました。


息子さん(娘さん?)がいらっしゃるのでしょうが、おそらく40〜50歳くらいなのではないかなと思います。


子どもさんが赤ちゃんの頃を覚えていないのは当然ですが、母親であるご婦人は40年以上前の子育てをずっと覚えていらっしゃるんですよね。


ずっと一緒にお出かけしていた事。

ママ大好きでベッタリだった事。


子どもがどれだけ大きくなっても当時の記憶があるのは、きっと幸せな日々だったからだと思います。


そして子どもさん達がすっかり忘れて親元を離れてしまうのも、子育てが成功した証ですよね。


きっと素敵な子育てをされた方なんだろうなと思って、こちらまで幸せな気持ちになりました。



私はそもそも記憶力が弱いタイプで。

小学校に上がる前の記憶は数える程しか残っていません。


写真を見てもエピソードを聞いても、記憶がよみがえって来る事はほとんどありません。


4歳の律や0歳の樹も、今の生活を大きくなってからも覚えている事はほとんど無いでしょう。


正直私も、律が赤ちゃんだった頃の様子を細かく覚えているかと聞かれればそうでもないです。



でも、それで良いのだと思います。


楽しい事をたくさんして、ちょっと後悔する事もあって、

でもそれを忘れて大きくなって、新たな自分のやりたい事を見つけて親から離れていって。


そうやって子どもが自分の幸せを見つけてくれたら、親としてそれ以上幸せな事は無いのではないょうか。


律や樹が忘れても、私にはほんのりと2人が赤ちゃんだった頃の記憶が残り続けるはずです。


どんなに記憶力の低い私でも、夜中に抱っこし続けた記憶や毎日散歩に連れて行った記憶、家族で楽しいお出かけをした記憶は中々消えません。


律や樹が忘れてしまっても、私が少し覚えていれば十分です。


それはきっと、子育てが終わって喪失感に苛まれた時にも、生きる気力になるはずです。



話しかけられたちょっとした言葉から、

子育てについて深く考えた出来事でした。