LTSpice入門 タイマIC555を試してみた | 遥かなるひよこ道
LTSpiceリニアテクノロジーが出しているSPICEから派生した回路シミュレータだ。このメーカは車載部品など高品質高性能のICを供給するメーカーで僕はこのソフト以外お世話になったことは一度も無い。
(ちなみにSPICE系の有名どころでSIMetrixというのもある。こっちもいいらしいよ)

以下から作業の備忘録

今回はタイマIC555のシミュレーションをする。シミュレーションに当たって555の部品が見つからなかったので等価回路にした。LT_schema

●下準備
起動すると空の状態なので New Schematic で回路図を作成するLT_New
このぼつぼつのある画面で回路図を描くのだ

一個だけ設定するものがある
simulate control panelと開いて以下のダイアログの[Convert μ to u]のチェックを入れる。(ネットリストの設定だから動くには動くけど表示が化けて気持ち悪いです)

LT_set


●部品を配置する

LT_com
作業はツールバーの中でも上のアイコンでほぼ済んでしまう。左から
・配線(F3)
・基準電位(G)
・ネットタグ(F4)
・抵抗(R)
・コンデンサ(C)
・インダクタ(L)
・ダイオード(D)
・部品(F2)
・移動(F7)
・ドラッグ(F8)
・元に戻す(F9)
・やり直す
・回転(CTRL + R)
・ミラー(CTRL + E)

で、括弧内はショートカツキーである。
また編集機能では、切り取りがF5, 複写がF6である

R,C,L以外の部品は部品コマンド(F2)でダイアログをだしてそこから選ぶ

lt_LIST
電源:voltage
トランジスタ:npn
コンパレータ:comparatorsの中
ちなみにフォルダの中から上の階層に戻るときはフォルダのアイコンをクリックすればよい。

ネットとは回路のつながりを現すものである。たとえばVccというタグはすべてつながっているということだ。今回ではVccとOUT
以下のテキストボックスにVccや+5Vと書いてOKを押せばネットを生成できる。
LT_net


●配線する
ワイヤーモードにしてひたすら配線をする

●部品の値を設定する
これを設定してないとシミュレーションに移るさいに「この部品はなんでちゅ?」といわれてしまう
1.部品を右クリックする
2.値を入れる。このとき全部入力する必要はなく抵抗だったら抵抗値だけでいいです。また、[Ω]や[F],[V]など基本単位は入力せずミリなど接頭辞を入れるだけでいいです。

●シミュレーションする
以下のマーククリックでシミュレーションスタートだ。RUNだから走る。ぷっ

LT_runなんでこんなあわててんだろうなこのマーク。おちつけよ

RUNを押すと画面が自動的に2分割されます

LT_sim

画像では波形が出ていますが、最初は真っ黒のはずです。(ちがうかも?)
ここでマウスカーソルを回路図の結線上に持っていくとプローブマークになります。そこの電圧が測れるということです。
写真の緑三角のポイントが緑の波形青三角のポイントが青の波形です。
クリックしていくとどんどん波形が表示されていきます。見づらくなります。同じ場所を二回クリックすることでクリックした波形以外は消えます。



ここで問題なのが

計算値とシミュレーション値がおおむね一致するかどうかです
まず計算すると
Hレベルの時間ton
ton = 0.693(RA + RB)C [sec]
Lレベルの時間toff
toff = 0.693(RB)C [sec]
となり、周波数fはton + toff となるので一般に
f = 1.44/(RA + 2RB)C [Hz]
となる

この回路では
1.44/(100k + 2 * 10k) * 0.1u = 120[Hz]
一周期が120[Hz]となればいいわけだ

測り方は簡単で写真のように測りたい間隔をドラッグすればステータスバーに表示される。写真では119.7Hzである。
若干ずれるのは時定数の丸め誤差とかかな。高卒なのでよくわかりません
ただ実際も部品のばらつきが確実にあるので計算値ぴったりにはならないでしょう

LT_fcal

ラジオの発振回路なんかも試せたら良いなと思ってるんだけど
シミュレーションでは発振しないけど組んだら発振するパターンになりそうだ。難しいわな