開幕まで待てない「サロンパスカップ(公式戦)」 | ひよこきんぎょのJLPGA(日本女子プロゴルフ)ツアー観戦記

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菊地絵理香選手を中心に、試合レビューを書いていきます。
※記事中の人名はすべて敬称略とさせていただきます(一部例外あり)

 「勝利の瞬間、左腕を高く突き上げた。その姿はこれからJLPGAを引っ張っていくのが誰なのかを示しているように見えた」

 

 

 などと、昨季の最終日の結果を受けて書いた。しかし、このメジャー優勝者、吉田優利は今季米LPGAツアーへ旅立ち、日本にはいない。


 山下美夢有稲見萌寧、そして吉田。この3人はスポットで米ツアー参戦はするが主軸は国内で。ずっとこのスタンスなんだろうなと勝手にそう考えていたのだが、稲見と吉田は今季ガッツリ米国へ。

 西郷真央も含めた人気実力ともに一流の選手たちの流出は、正直協会的には痛いところだろう。

 昨年末のイベントでの小林会長のスピーチにも、強がりとも取れるような言が見られた。これであの誤記事件がなかったら、原英莉花まで失うところだったのだ。(良かった、というつもりは全くない。むしろ向こうでの活躍を期待していたのに)

 

 メジャーに勝つと、いつ発動させるかは本人の自由という「国内3年シード」の権利が与えられる。米ツアーに挑戦したい選手にとって喉手の保険チケットだ。

 渡米目的でこのチケットが欲しい選手もいれば、そうではない選手もいる。今季のサロンパスは前者と後者との戦いとなるか?

 

 それではシミュレーションいってみよう。

 

 昨季のヘビーメタルなセッティングに視聴者から若干ではない数のクレームが協会にきたという。

 

 「優勝スコアが+1って」

 「バーディをもっと見せろ」

 「雰囲気が重苦しい」

 などなど。

 

 私はこんなサバイバルなゲームは大好物(書くことがいっぱいある)なので、それほど気にならなかったが、観ていて少々疲れたのは事実だった。

 

 これを受けて、今季は少し優しめのセッティングになるのでは?と予想したが、まさかの昨季を上回るハードコア・デスメタルに。

 草ぼうぼうだったラフはまるでサトウキビ畑のようにざわわざわわ。カチカチだったグリーンは、5月だというのにカチンコチンのスケートリンクだ。

 ボギーがバーディくらいの価値に高騰し、バーディなんて獲ろうものなら、それはアルバトロスを達成したも同然、そんなヘルなコースで4日間の戦いが始まった。

 

 2日目が終わって、予選通過ラインが+36という二度見必至のハイスコアな争いの中、首位タイ+12に4人が並んだ。

 渡米チケット欲しいよチームから、岩井明愛リ・ハナの2人。そして、渡米とかそういうことじゃないのよメジャーってチームから、上田桃子菊地絵理香選手の2人。

 

 最終日最終組のペアリングは岩井、リ、上田。絵理香選手はひとつ前の組から逆転優勝を狙う。

 ゲームは「最終日最終組の硬直」が起こり、最終組3人と最終ホールで執念のバーディ(アルバトロス級)で追いついた絵理香選手の4人が同スコアで並び、勝負はプレーオフ決着となった。

 

 18番・482y・パー5。

 岩井明愛上田桃子は2オン狙い、リ・ハナ菊地絵理香選手は3打目勝負だろう。

 さあ、運命のプレーオフ1ホール目。

 4台のカートが4人の選手を迎えにきた。


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