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  今年度から息子が通う小学校のPTA会長になり、連日さまざまな会議に出席しています。昨週は、青少年育成大泉地区民会議の総会があって参加しました。

 

 

 

 

 青少年育成会議というものについて、皆さんはどれほどご存知でしょうか?昭和42年に「⻘少年のための⼭梨県⺠会議」として発⾜し、それ以来青少年健全育成のために、事務局を変えながら今日まで活動してきた団体です。

 昭和42年(1967)と言えば、学生運動華やかなりし時です。活発化する運動を青少年に対し予防する目的があったようです。

 

 そんな青少年育成会議が山梨で発足してから57年目の今年、青少年育成大泉地区民会議が、「青少年育成北杜市民会議大泉支部」と名称変更することになりました。それに伴った会則の改正が提案されたのですが、それはわずかな改正を超え大幅で抜本的ともいえる内容の改正でした。 

 

 まず、第1条で「この会は、青少年育成大泉地区民会議と称し、事務所を高根公民館内に置く。」としていたのを、第1条(名称)と第13条(事務局及び会計)に分離しました。

 そして後者は、「この会議の事務及び会計を処理するため事務局を北杜市教育委員会生涯学習課高根公民館内に置く。」として、それまでは事務所とあったのを事務局と変更しました。要するに、それまでの青少年育成大泉地区民会議の事務所は、青少年育成北杜市民会議の一支部の事務局にされたわけです。

 次に、第2条(目的)が、旧会則の「この会は、青少年を取り巻く環境の重要性を踏まえ、青少年総合対策の強化を推進し、次代を担う青少年の健全育成を図ることを目的とする。」から、「この会議は、青少年問題のもつ重要性に鑑み広く住民の総意を結集し、市の施策に呼応して、次代を担う青少年の健全育成及び非行・被害防止のため、積極的に育成活動を推進することを目的とする。」に改正されました。

 「市の施策に呼応して」という文言が気になり質問しましたら、「何でも市の施策に従うわけではない」という事務局の答でした。

 また、それまで入っていなかった「非行・被害防止のため」という文言を敢えて入れた根拠を質しましたが、北杜警察署管内の今年度の少年補導数12は前年度同時期と同数であり、しかも補導された少年は北杜市内に住んでいる少年とは限らないという話でした。さらに警察の説明によると、この補導数は同規模の上野原市と比べても飛び抜けて多い訳ではなく、特に大泉は非常に静かだったということでした。

 唯一、スマホが関係する通報やインターネットで知り合った者との接触などが「非行・被害防止」の理由として挙げられていましたが、これだけではこの文言を敢えて挿入する客観的根拠としては弱いように思いました。

 また、第3条(事業)が新会則では第3条(活動)に改正されました。

 最後に、第4条(組織)の「この会は、青少年に関する団体及び機関並びに学識経験者をもって構成する。」(旧会則)が、「この会議は、会議の趣旨に賛同する個人、青少年に関する団体及び機関をもって構成する。」(新会則)に改正されました。旧会則の「学識経験者」は、新会則で「会議の趣旨に賛同する個人」に変更されたわけです。

 

 以上から総じて言えるのは、これまでの地区民会議がもっていた相対的な独立性が今回相当に弱められ、大泉地区民会議は北杜市民会議の一支部へと変えられているということです。市民会議大泉支部への名称変更は単なる名ばかりの変更ではなく、中身の変更を伴うものだと思いました。

 閉会後、そのあたりを事務局に質すと、今回の変更は少子化を背景にした「統合」だという答でした。その証に、以前はそれぞれ異なっていた会則も、本年度からどこも同じような会則になるということでした。

 現在、北杜市教委が進めようとしている学校の統廃合とも関係があるという話です。

 但し、今まで地区民会議が背負ってきたものは大きいということは認めていました。ところが、かつては濃かった「俺たちが頑張るぞ」という意識も年々薄くなり、隣の高根町など会議の集まりも悪く、引継ぎもできていないということでした。

 その話を聞いていて、私は「平成の大合併」の影響の大きさを思いました。各地域にあった役場を無くし議員の数を減らして合理化を進めてきた結果が、地域力の低下と少子化となって現れているのだと。

 その上、地域から学校を無くせば、それは地域にとどめを刺すことになるでしょう。その時は育成すべき青少年もいないという現実を、私たちは悪い冗談として片付けるつもりなのでしょうか。 

 

 夜道をクルマを走らせながら、地域の今後を思わずにはいられませんでした。