昨日は待ちに待ったウーマンラッシュアワー村本大輔の独演会を聴くために、生涯学習センターこぶちざわへ。

 

 

 大学の授業では、ウーマンラッシュアワーを学生によく見せたが、生のライブは初めて。

 原発、在日朝鮮人など幅広く取り上げた笑いはやっぱり良かった。

 その中で特に印象に残ったのは、「お笑いにタブーはあってはいけない」というのと「公共性のある笑いが大切」という彼の言葉だった。それをアメリカと日本の場合を比べて話してくれて分かりやすかった。

 たとえば日本だと、関西電力のお偉方が座っている場合、原発をネタにすることを止めるように圧力がかかる。一方、アメリカだと、大統領を前にしてコメディアンが公衆の面前で大統領をネタにしてこき下ろしても、大統領は苦笑するものもそれを止めさせはしないという。

 要するに、アメリカでは大統領の事柄はみんなの事柄だから、それをネタにして笑い飛ばされる。それは良質な批判でもある。一方、日本では原発は公共の問題であるのに、関西電力という一企業との関係で、みんなのネタにすることを制止される。それはわたしたちが自らをとらえ返す機会が、摘まれるということだ。

 それを煎じ詰めれば、日本の笑いは内輪の笑いであって、みんなの笑いではないということである。そうだとしたら、日本の笑いはどこか不健康だ。内輪の中だけで笑われる笑いは、健康ではない。みんなの中で笑われてこそ、健康な笑いである。

 村本さんは今年中に拠点をアメリカに移すという。みんなの問題をネタにしたい彼の必然的な選択だったのだろうと思う。

 コメディアンとしての村本さんの成功と幸福を願いたい。