『雲の墓標』⑩ | 樋浦明夫のブログ

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日々の出来事(家族や私的なことに触れるのは苦手なので、主としてグローバルな事)、歴史的な過去の出来事、浮世のことについて思ったこと、感じたことを思いつくままに写真や文で紹介したい。

 今日(4/15)の福島市は29度を超える真夏日だった。安達太良や吾妻連峰にはまだ残雪が少

 

し残っているが、冬からいきなり夏になった感じ。

 

 最初に小池百合子都知事の話の続きを少し。前回紹介した『女帝 小池百合子』の序章「平成

 

の華」の中にこんな文章がある。著者石井妙子が小池百合子について取材中、「皆、『彼女(小

 

池百合子)を語ること』を極度に恐れているのだ。」とある。小池百合子を古くから知るという

 

人は、躊躇(ためら)いながらも、憑かれたように次のように語った。「なんでも作ってしまう

 

人だから。自分の都合のいいように。空想なのか、夢なのか。それすら、さっぱりわからない。

 

彼女は白昼夢の中にいて、白昼夢の中を生きている。願望は彼女にとっては事実と一緒。彼女が

 

生み出す蜃気楼。彼女が白昼見る夢に、皆が引きずり込まれてる。蜃気楼ともきずかずに。」

 

と。おそらく、小池百合子という人物をもっともよく語っている言葉だと思う。彼女は自分の見

 

ている白昼夢の人物になりきっているのだろう。だからカイロ大学の経歴詐称など彼女にとって

 

は些細なことでしかない。それを利用して白昼夢が実現できればいいのだ。

 

 

 小池百合子は政治家の中でも群を抜いて自著が多いことで知られている。著者はそれらの資料

 

に目を通し始めて間もなく、違和感がぬぐえなくなり、疑念が次々と湧き上がり当惑した、と記

 

している。彼女が書いていること、語ってきたこと、答えていること、それらは果たして真実な

 

のかという疑念である。あまりにも話の辻褄が合わず、矛盾があり、腑に落ちないことが多すぎ

 

るのだ。その一つがエジプトの名門校カイロ大学を、正規の4年で卒業できた最初の日本人であ

 

り、それも首席で卒業したというものだ。だが、テレビタレント時代に著した『振袖、ピラミッ

 

ドを登る』では「一年目は留年して」と自ら書いている。このように、嘘や捏造はへっちゃらな

 

人物であると押さえておくことは重要である。そして、一人になった時に「ハハハ、みんな騙さ

 

れている」と舌をぺろっと出してにやついているのだろう。こんな政治家の存在は許されるだろ

 

うか。放っておけば女ヒトラーになるのも悪夢ではなくなる。

 

 

 最近、大谷選手の水原通訳が大谷選手の銀行口座からカジノで負けて約24億円を騙して引き

 

落とし、その返済に充ていたことが発覚して世情を騒がしている。これをみても、大阪の万博会

 

場にカジノなど作ってはダメなのだ。こちらは大谷選手と水原通訳の個人的な問題ですまされる

 

だろうが、都民を騙して知事になるのはその負の影響力が社会に蔓延する。自民の裏金問題しか

 

り。社会に悪(嘘)を蔓延させ、不正義を横行させるから許されないのだ。
 

 

 3月1日の日記に、「風の中で予科練たちが元気にフープをやっている。」とあるから霞ケ浦

 

の土浦航空隊で年若い予科練と一緒の場所で訓練を受けていたことがわかる。フープというのは

 

輪っかの中に人が入って両手両足を広げて回転する器械だろう。「かれら(予科練)の声をき

 

き、姿を見ていると、万葉集のなかの、乳の匂いのする防人たちの歌をおもいうかべて、自分は

 

胸のせまる感じがする」と同情を寄せている。
 

 夜は毛布のたたみ方が違っているからと総員ビンタを浴びた。甲板士官は420人なぐると、殴

 

る手がはれあがるので、副直学生にオスタップ(バケツのことだろう)に水を汲んでこさせて、

 

それで拳骨を冷やしながら殴るのだという。いつも人のあらさがしばかりしている甲板士官もつ

 

らいかもしれないが、いつも人に見られている隙のない生活もたまらないと愚痴っている。だ

 

が、トイレで大便をする少なくとも5分間は誰にも邪魔をされずに完全な孤独を楽しむことがで

 

きる場所なのだった。