サルヒツの酒飲みライフ♪【第245回】
至 純米吟醸 生酒
製造年月:2023年4月
生産者:逸見酒造㈱
所在地:新潟県佐渡市
タイプ:純米吟醸 生酒
使用米:越淡麗100%
精米歩合:55%
アルコール:16度
杜氏:五代目・辺見明正氏
販売価格:1,429円(税別)
※特約店販売品
※味覚の表現は飽くまで個人的なものです
ひつぞうです。今回頂戴したのは至(いたる)。醸す逸見酒造は佐渡で一番小さな蔵です。創業は1872(明治5)年。悲劇の皇子・順徳天皇の真野御陵墓に因む看板銘柄・真稜で知られます。その特約店銘柄が至です。以下、テイスティングメモです。(2月1日賞味)
★ ★ ★
佐渡の幻の酒として脚光を浴びた至が偶然手に入った。一時期に較べれば入手し易くなったのだろう。それでも感懐はひとしお。期待せずに入った地方の酒屋でバッタリ出逢ったものだから余計に嬉しかった。
「行ってみないと判らんものだね」
酒処の新潟だが、淡麗辛口ブームに後押しされた大量生産指向によって、小商いの生酛、乃至は山廃仕込みの蔵は随分減ったと聞く。時代に取り残されたはずが、舌が利く特約店主たちによって再評価される時代。逸見酒造の至は五代目渾身の作といえた。
使う米は山田錦と越淡麗。手間のかかる山廃で醸して、純米吟醸でも活性炭使用を最低限に抑えた濾過にこだわる。
この黄色味を帯びた姿がその証し。今回頂戴するのはその純米吟醸生酒。出荷は2023年4月とほぼ一年前。基本は甘口。変化を見たいところ。
「む。香りはフルーティだの」
舌に載った瞬間、ざらりと触れる。一拍置いて甘味と旨味のハーモニー。10箇月ほど寝かされているので(新酒特有の)苦味やガス感は皆無。温度が上がると重い甘味が中核となる。真のある酒だ。好みが分かれるので温度帯は意識すべし。(我が家は甘い酒はNGなのでクーラーカバーで冷やして頂戴した)
牡蠣フライ 菜の花のマヨ和え 手羽元の唐揚げ
この日は味の予想がつかなかったので、比較的淡白なものから濃い味付けのものまで酒肴のレパートリーを広げた。飲んでしまえば結局何でも旨いのだが(笑)。
「そーゆーことよ」
和三盆の風味の村祐。フレッシュガス感の醸す森。香り高くフルーティなあべ。そして旨味と複雑さが命の山間。ひと言で括れないほど新潟の酒も味の幅が広がった。まだ頂戴したことのない銘柄もある。新潟に足を延ばしたくなった夜だった。
「温泉もあるでー♪」
(おわり)
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