阿波の土柱
℡)0883‐35‐4211(阿波観光協会)
往訪日:2023年11月26日
所在地:徳島県阿波市阿波町北山540
開館時間:夜明け~21時(夜間ライトアップ)
見学料:無料
アクセス:徳島自動車道・脇町ICから約15分
駐車場:約40台(無料)
■国指定天然記念物
《東洋のグランドキャニオンは言い過ぎか》
ひつぞうです。四国旅行の最後を飾ったのは徳島県の阿波の土柱でした。70万年にわたる浸食作用が齎した自然の奇観で、世界三大土柱に数えられています。せっかくの旅の四日目。砥部焼だけで帰るのも味気ない。そんなときに思い出したのです。阿波の土柱に寄ろう!以下、思いつき往訪記です。
「またヒツの物好きワールドかい!」
★ ★ ★
阿波の土柱の名前は、いつもの新学習図鑑⑩『地球の図鑑』(小学館)の内扉の写真で覚えた。吉野川の北方に連なる讃岐山脈は、中央構造線の活動で隆起した断層山脈であり、かつて海中で堆積した砂岩や泥岩からなる和泉層群の一部。その山脈が浸食され堆積した礫土層を更に浸蝕するという稀な現象が起きたことで阿波の土柱は形作られた。
「で、見どころは?」
雄大な景観だよ。同じものはアメリカのロッキー山脈とイタリアのチロル地方にしかないんだ。
(参考資料)※ネットより拝借いたしました
《ブライスキャニオンの土柱》(アメリカ・ロッキー山脈)
アメリカは規模が桁外れ。
《レノンの土柱》(イタリア・チロル地方)
他方、チロル地方のレノンの土柱は“土柱らしさ”がよく表れている。そもそも土柱は土壌表面の石を除いた柔らかい土砂が浸蝕されて柱状になった地質構造の呼称なんだよ。
「ほんとだ!土柱のてっぺんに岩が残ってる」
泥の上に乗ってるでしょ。なのに崩れない。不思議だよ。ほんと。
ということで脇町ICで降りて東に15分走ると、昭和テイストの土産物屋が集まるエリアに到着。駐車場は土産物屋手前の右側に入り口がある。ちょっと判りづらい。直進すると三台ほどのスペースがあるが、ここは身障者用。注意しよう。
早速観光開始。数組の親子連れやカップルが散策する程度。かつての賑わいは過去のもの?
「いったいいつの話よ」
だから僕が小学生の頃。つまり昭和40年代。遥か昔だね。
間もなく展望台だ。
おー!素晴らしい!ようやく念願がかなった。
「すっかり忘れていたくせに」 よーござんした
期待を膨らませ過ぎると幻滅すると思って。誘いづらくてさ。
「地層で喜ぶ女子はいないよ!」
そう?
おサルはむしろ紅葉した森の方が良いらしい。
下にも降りられるようだ。誘ったが、行きたくないというので一人で探検に向かった。
これこれ。この角度で観ないと。土柱群は他にも数箇所点在している。これは一番規模が大きな波濤嶽。
しかし、どうも変だ。図鑑で観た写真では、もっとこう、屏風のように幾つも折り重なる様に屹立していたような。それに土柱の天辺の岩もあった気がする…。記憶違いか。
ひょっとして浸蝕が進んでしまったとか?
足許を見る。砂岩の礫が主体だ。アンモナイトの化石を発見できるかもと探すが、そう簡単には見つからない。崖の上から子供がヤッホーと声を掛ける。こっちは化石探しで忙しい。それどころではないのだ。(讃岐山脈の化石は主に香川県側で見つかるそうです。あとで知りました。残念。)
反応の悪いジジイに愛想をつかした家族連れが去ると、また、声を掛けてくる輩が。誰よ!いったい!
サルだった。しかし、こうしてみると柵もないし、危険だな。ま、無いという以上は今まで事故もなかったのだろう。
満足したのでおサルの後を追うことにした。
登り返して、また、くだって…
また登る。お!足許に面白いものが。
スケール数千分の一の土柱だ。石英の小石を残して浸蝕が進んでいるのが判るね。
もうちょっと。
追い着いた。おサル、危なくね?
いやあ。絶景だよ。来てよかった。天気も最高だし。
「おサルには唯の崖にしか見えんにゃ」
1934(昭和9)年に国の天然記念物に指定されてるよ。その時は賑わっただろうなあ。
後で調べたところ、最近の台風の影響で土柱の崩落が発生したとか。やっぱりだ。国際レベルで脱炭素化の取り組みが進んでいるが、ゲリラ豪雨の襲来がすぐに収まるとは思えない。この景観、いつまでも残ってほしい。
やっぱり怖いね。ザレているし。移動しよう。
「石を投げるとどうなるのかの?」
ダメだよ。落石が落石を呼ぶし。
「つまんないのー」
ということで今回の四国旅行もこれにて終了。歴史とジオパーク中心だったけれど、美味しい海の幸にもありつけたし、ハプニングも終わってみれば愉しい思い出。余裕をもって今度こそ大阪に帰還だ。
「愉しかった!」
(四国の旅おわり)
ご訪問ありがとうございました。