旅の思い出「北川村 モネの庭 マルモッタン」(高知県・北川村) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

北川村 モネの庭 マルモッタン

℡)0887‐32‐1233

 

往訪日:2023年11月24日

所在地:高知県安芸郡北川村野友甲1100

開館時間:9時~17時

休園日:(6月~10月)第1水曜

※冬季休業(12月~2月)

見学料:一般1000円 小中学生500円

アクセス:高知自動車道・南国ICから約70分

駐車場:100台

 

《フランスの本家を凌ぐ美しさ》

 

ひつぞうです。高知旅行二日目。桂浜公園を出た僕らは東に進路を取りました。まず向かったのは北川村にある《モネの庭》。印象派の巨匠クロード・モネが過ごしたフランス・ジヴェルニーの“本家”に想を得た庭園です。なにも考えずに訪れるには最高の場所でした。以下、往訪記です。

 

★ ★ ★

 

高知県北川村。勤王の志士、中岡慎太郎の故郷、そして、鮎漁で名高い奈半利川が流れる自然豊かな町である。古い小説愛好家には、作家・安岡章太郎の先祖ゆかりの地として記憶され、酒好きな僕には、南酒造場の蔵の近傍として思い入れが強いエリアだ。

 

「高知市内からけっこう遠かったにゃ」サル

 

1時間半はかかるね。

 

この日は平日。なので混雑回避を厭う必要はないが、とにかく斜光線の美しい開園直後を狙いたかった。

 

 

開園時刻を30分ほど過ぎてしまったが、大丈夫、まだ来園者はまばら。

 

 

駐車場を挟んで水の庭+ボルディゲラの庭と、花の庭に分かれている。

 

 

まずは水の庭へ。

 

 

=水の庭=

 

 

「おー!綺麗だにゃー」サル

 

晴れてよかったよ。草紅葉も最盛期!

 

 

「パクリじゃないのち?」サル

 

ここは世界で唯一クロード・モネ財団の許可と指導をえて整備されているんだよ。

 

 

ただ。描いていたイメージとどこか違う…。

 

 

美しいのは美しいのだが“これじゃない感”がぬぐえない。特に池の底の色。

 

 

正直に白状しよう。

 

(以前TV番組で観た)岐阜県関市の通称《モネの池》と勘違いしていた…。

 

(参考資料)

 

これが関市のモネの池。

 

おサルに見せて感動させようと企んだのに。

 

 

「全然いいけど」サル むしろこっちのほうが

 

そう?それは良かった(笑)。

 

 

池越しにメタセコイアの並木がみえる。行ってみよう。

 

 

落葉する直前の一番美しい季節だった。

 

 

東屋の上にはなにやら赤い実が。

 

「鳥に相手にされてないね」サル

 

毒性があるのかもね。では次の庭園へ。

 

 

=ボルディゲラの庭=

 

 

「さっきと雰囲気が違うにゃ」サル

 

43歳の時にルノワールとともに滞在したボルディゲーラをモチーフにしている。フランス国境に近い、地中海に面した風光明媚なイタリアの街だ。

 

「だから南国風なのきゃ」サル

 

 

結構ガンバって作り込んでいる。

 

(参考資料)

クロード・モネ《ボルディゲラのヤシの木》(1884)

 

比較すると判るね。椰子の木の感じが良く出ている。

 

 

オリーブはあんまり関係ないと思うけど…。雰囲気造りか。

 

 

むしろこっちのトゲトゲが気になった。なにこれ?説明がないので判らん。

 

 

少し高台になっていた。太平洋が彼方に望める。モネの庭が開園した2000年当初、ここは光の庭という名前のエリアだった。その後、温帯の植生が復活したので、2020年に全面リニューアルしたのだそうだ。

 

「だから植えたばかりの印象があるんだにゃ」サル

 

庭師の方が忙しく働いていたね。

 

 

リヴィエラの小屋でお茶することに。

 

 

薔薇のパフェを戴いた。本当にバラの香りがするんだよね。

 

風の丘まで登れるらしい。最高点は必ず踏みたくなる性質。行くことにした。

 

「誰もいかないよ」サル 酔狂だのー

 

ジミな散策路をひたすら登る。

 

 

ついた。ベンチがひとつポツンとあった。

 

「河口が見えるね」サル

 

奈半利川だね。河川敷に魚道が掘られているよ。

 

「どこに」サル

 

ズームしてみよう。

 

 

ほら。橋の上流の河床が掘られているでしょ。鮎が産卵するための浅瀬を地元の関係者が造ったんだ。昔は数百匹の群れなす鮎の姿を見ることができたそうだ。清流とはいいつつ、護岸工事やダム建設の進んだ日本の河川は、守る工夫もしていかないと自然との共生はむつかしい。

 

 

ということで一路丘をくだって花の庭へ。

 

 

こっちは廃園って感じだね。咲いているのかな。この季節。

 

 

なんか咲いている。晩秋はシソ科の花が見頃らしい。

 

 

ヨウシュチョウセンアサガオだね。温暖化の影響だろうか。まだ花をつけているよ…。

 

「不気味だの」サル なにトゲトゲしたの

 

実だよ。

 

「食べられるのち?」サル

 

猛毒だよ。アルカロイド系の毒だから、幻覚とひどい興奮状態に陥っちゃうよ。

 

ディプサカス・フローナム

 

草月流の生け花に使われそう。

 

 

これ、食用の飾り花として売っているヤツだ。どうでもいいけど、全然説明がないから品種が判らんね。

 

「判るけど」サル フツーに

 

なにやってんの?

 

「Googleレンズ使えばだいたい判る」サル

 

え!なにその機能!

 

「知らなかったのち?」サル

 

そうか。SNSなんかで亜種レベルまで細かく同定している写真があるけど、これを使っていたのか。何か裏技を使っているとは思っていたけど…。ずっと図鑑と持てる知識だけで同定に丸一日かけていた自分が愚かしい。

 

「所詮ヒツジだからにゃ」サル

 

これクササンタンカっていう名前みたい♪

 

ということでGoogleレンズを使って同定しまくってみた。判るって愉しいね♪

 

 

サルビア・ファイヤーセンセーション

 

こうしてみると、サルビアが紫蘇の花に似ていることが判る。食えそう。

 

 

クサキョウチクトウ(アメリカ原産 ハナシノブ科)

 

明治期より流通し始めた園芸種。もちろん夾竹桃とは関係ない。

 

「形が違うもん」サル

 

 

サルビア・マドレンシス(メキシコ原産 シソ科)
 

レンギョウに似ているのでファルシシア・セージ(連翹セージ)とも呼ばれているそうな。

 

 

ちょっと休憩。シソばっかりでおサル既に飽き気味(笑)。

 

 

セロシア・スピカータ(中米原産 ヒユ科)

 

観察再開。これは鶏頭の遠い親戚。

 

 

サルビア・レウカンサ(メキシコ原産 シソ科)

 

 

サルビア・コネクシア(中南米原産 シソ科)

 

判るって素晴らしい♪

 

 

クフェア・ミクロペタラ(メキシコ原産 ミソハギ科)

 

 

サルビア・インボルクラータ(メキシコ原産 シソ科)

 

くす玉サルビアとも言われる。先端がくす玉状になっているでしょ。

 

「ミツバチが働いてるにゃ」サル

 

子供の頃、散々公園のサルビアの蜜を吸った。今考えれば立派な園芸荒らし。

 

 

季節外れのバラのアーチ。これもジヴェルニーの庭を模したもの。

 

 

カッコウアザミ(南アメリカ原産 キク科)

 

ほとんど帰化植物。

 

「郭公と似てないにゃ」サル

 

霍香(かっこう)という植物と葉の形状が似ているからだそうだよ。

 

「紛らわしい」サル

 

 

クフェア・イグネア(ミソハギ科 南アメリカ原産)

 

250種くらいあるそうだよ。ここにも亜種があったけどキリがないので。

 

 

同定できるって素晴らしい。

 

勿論あてにならない情報もあるのでクロスチェックは必要。玉石混淆の情報社会だし。

 

★ ★ ★

 

このあと更に東へ。途中で昼食。

 

「魚が食いたい」サル

 

ということでこの店に。

 

 

キッチンカフェ海土(かいど)

℡)0887‐25‐2727

 

所在地:高知県室戸市吉良川町乙5236‐8

営業時間:(L)9時~15時(D)17時~21時(火水定休)

駐車場:有(20台ほど)

 

 

魚のつもりが、懐かしさが勝ってあんかけレタスチャーハンセット(1380円)の誘惑にまけた。ちなみにおサルは昭和のナポリタン(1000円)。もはや当初の目的はどこへやらである。

 

場所柄を考えると明らかに観光地価格だが、それに見合うボリューム。魚介から拉麺、トンカツと、メニューもかなり豊富。日替わり定食もかなりの量。そして普通盛りでも御飯が特大。

 

「少食のひとは注意しよう」サル

 

周辺には飲食店も少なく、このボリュームなので週末は混雑必須。この日は平日だったので営業マンと現場のおっさんが目立った。

 

「御馳走さま」サル 食べ過ぎた、ショージキ言って

 

本日最後の目的地はもう目と鼻の距離だ。

 

(つづく)

 

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