サルヒツの酒飲みライフ♪「鳴海 純米ひやおろし」(東灘醸造・千葉) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

サルヒツの酒飲みライフ♪【第220回】

鳴海 純米ひやおろし

 

製造年月:2023年8月

生産者:東灘醸造㈱

所在地:千葉県勝浦市

タイプ:純米酒 生酛造り ひやおろし(一度火入れ)

使用米:富山県産五百万石100%

精米歩合:66%

アルコール:15度

使用酵母:協会6号、14号

杜氏:菊池譲氏

販売価格:1,400円(税別)

※特約店販売・季節販売品

 

※味覚の表現は飽くまで個人的なものです


ひつぞうです。今夜紹介するのは千葉の鳴海(なるか)。年明けに新酒のうすにごり生原酒を頂戴しましたが、今回は秋に相応しいひやおろしを味わってみました。以下、テイスティングメモです。(東灘酒造については前回記したので割愛します)

 

★ ★ ★

 

時々考えることがある。杜氏銘柄。どちらが酒質にとって重要なのか。

 

強烈な個性を放ち、妥協なき情熱を傾ける蔵元杜氏がいる。例えば仙禽の薄井一樹氏。荷札酒の田中悠一氏。数え挙げればキリがない。まさに「杜氏=銘柄=酒質」の鉄板の関係性。だが、全てそうとは限らない。

 

「違うのち?」サル
 

 

2020年度に東灘醸造が、ベテラン杜氏の引退によって休蔵の危機に陥った話はよく知られている。酒蔵の再生は大きく三パターン。

 

①旧態一新(ドメーヌ化、少量生産、古式回帰)

②助っ人(社員杜氏)の招聘

③株の譲渡→新生蔵の誕生

 

③は最終選択肢であり、蔵そのものが廃業しているので解決策と言えない。一番ありがちなのは①。しかし、潤沢な運転資金やパートナーあっての話。実は②のパターンが見逃せない。少し前、愛知の菊鷹の杜氏・山本克明氏の光栄菊への“移籍”が話題となった。蔵からすれば運でもあり縁でもある。東灘醸造の場合、蔵を救ったのは菊池譲氏だった。

 

 

前回のうすにごり生原酒との違いは酵母に協会14号(金沢酵母)の他に、協会6号が加えられていること。言わずと知れた新政酵母。果たしてこの企て、味わいに影響を与えているのだろうか。

 

「今回も生酛系なのにゃ」サル

 

そうそう。古式に則って。

 


一回火入れだが、開栓した瞬間に、カプロン酸エチル系の綺麗な薫りが漂う。6号酵母ということで、繊細な甘酸を期待したが、(五百万石らしく)派手さはなく、スーッとなめらかな舌触り。程よいコクで、時としてあきあがりに有り勝ちな“無駄な重厚感”がない。

 

「あんまり甘くないし、渋みや複雑さはないにゃ」サル

 

誰が飲んでも期待を裏切られない食中酒だね。(新政風の甘酸を感じられなかったのは11月5日と製造から二箇月経過していたためだったのだろうか。まだまだ勉強が足りないね)

 

「あんまり派手なオカズはないよ」サル ヒツにそー言われたし

 

 

若鶏の手羽元唐揚げ半熟卵ね。十分合うと思うよ。

 

「ちょっとだけ変化球もある」サル

 

 

ワラビと花がつお

 

いいねえ。ワラビのほろ苦さと花かつおのグルタミンの旨味が酒の華やかさに色を添えるよ。

 

「そーでしょ」サル 判ってくれたか

 

 

銘柄は同じでも造り手次第で味わいは変わる。もっと言えば、蔵元や杜氏が同じでもBYによって酒質は変わるし、変わるべきだと思う。僕らにとって鳴海は、この先も追いかけていきたい酒になったようだ。

 

「たまにはワインもね」サル

 

(おわり)

 

ご訪問ありがとうございます。