サルヒツの酒飲みライフ♪【第219回】
久礼 純米吟醸 CELうらら
製造年月:2023年8月
生産者:西岡酒造店㈱
所在地:高知県高岡郡中土佐町
タイプ:純米吟醸
使用米:土佐麗100%
精米歩合:60%
アルコール:14度
使用酵母:CEL24
販売価格:1,455円(税別)
※特約店販売・季節販売品
※味覚の表現は飽くまで個人的なものです
ひつぞうです。今回の酒は高知の久礼。「くれ」と読みます。通年販売の定番銘柄は幾度か味わっていますが、今回初めて季節限定酒を購入しました。以下、テイスティングメモです。
★ ★ ★
高知県中土佐町久礼。鰹の一本釣りの基地として名高い。
※以下数枚ネットより拝借しました
その名を全国に知らしめた功績は、青柳裕介の漫画『土佐の一本釣り』にあるだろう。
西岡酒造はその天然の良港で時代を越えて酒造りに勤しんできた。創業は天明元(1781)年。現存する高知の酒蔵では最古。
土佐の酒は一般に辛口。西岡酒造の酒も同様。しっかりした男酒が中心。そのなかにあってこの久礼は特約店銘柄としてモダンな味わいで人気を集めている。季節によって(豹やキリンなど)動物柄の生原酒も登場する。
今回は色も形もメロン柄。なんとなく酒質の設計がみえてくる。
アルコール度数は14%。低アルの部類か。しかし日本酒度は-4。やや辛口。どんあ味わいか想像できない。まずは頂いてみる。
「おう!甘いフルーティな薫りがするのー」 悪くない
開けた瞬間に微かに薫香が漂った。
8月リリースで開栓は10月29日。ちょっと薫りは衰えてしまったかも知れない。
甘い薫りはむしろ高知県開発酵母のCEL24の働きだろう。かたや、使用米の土佐麗(とさうらら)は、高知県農業技術センターが開発した2019年登録の新しい好適米。早生で割れにくい、つまり経済性に特化した米。良質ながら1,500円を切る価格帯は、そうした努力の賜物なのだろうか。
「お財布に優しいにゃ」 払いは全部ヒツだけど
深いコクがあり、ズッシリ重い!メロンの微薫に惑わされたが、やはり高知らしい酒。しかしなぜ低アルなのに、この様なテクスチャーが可能になったのだろう。
「あとからフルーツ系の甘さが追いかけてくるにゃ」
確かに温度があがるほどに、メロンっぽいカプロン酸エチル系の薫りが際立ってきた。生原酒の扱いだったはずだが、ラベル表記もなく、ガス感も苦味もないので、メモからは「生原酒」の記載を省いた。(酒屋では「もちますよ」と太鼓判を押されるが、やはり製造後に即購入して、早いうちに味わうべきだと改めて思った。)
「申し訳ないけど、今夜はおでんでカンベンしておくり」
なんで?
「おでんってさ、御飯のおかずにもお酒の肴にもならないし」
でも静岡のひとはこれで酒飲んでるよ。
具は蛸に卵に大根。そしてコンニャクに。もちろんダシ用の昆布も最後は食べる。昆布は美容と健康にいい。
「助かゆ~」 生ゴミでないし
初の久礼の季節酒。高知らしさとモダンなセンスが入り混じる素敵な味わいだった。次回はヒョウ柄を狙いたい。
「おサルはトラ柄が好き」
大阪のおばちゃんだよ。それ。
(おわり)
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